第8話 或る男の死
何故?何故?何故?
何故露見した?
計画は完璧のはずだ。
いや、計画も最早関係ない
何故なら
まだ準備すらしていない。
なら何故部屋に訳わからん武装したメイド服の女が4人も居るんだ。
深夜2時だぞ。訳が分からない。
少なくとも4人。全員武装している。
定石ならあとは出入り口に1人配置するハズだ。
私が指揮官ならそうする。
サイレンサー付きか。計画的だな。
ああ、私を始末しに来たんだ。誰かに依頼されて。
それにしてもメイド服に目出し帽とは…
変態共が!こんな奴らに殺されるのか
ああ、銃はどこだ。せめて一矢報いなけれなければ
銃がないなら、せめてこの右手で目を突いて…
ああ、何でこのメイドは泣いてるんだ。
何で銃を構えながら泣いてるんだ。
やめてくれ。撃たないでくれ。
死にたくない。
ごめんなさい。
革命なんて、
こんなこと、するんじゃなかっ…
「上原少佐は、無事死にました」
「やるな。あのPMC。メイド服着た殺し屋など正直期待してなかったんだが」
「しかし、良かったのですか?反乱の証拠は皆無に近かったですが…」
「邪魔だっただけだ。本丸は父親の上原准将だ。彼は核武装反対派の急先鋒で、叩き上げだから現場の支持も厚い。その息子が共産主義に傾倒した挙げ句不審死を遂げる。この筋書きが欲しかっただけだよ。証拠は今から君がでっち上げるのさ。」
「そういう事であれば話は早いですね。彼は実際大学では政治学、特に共産主義を専攻していましたし、こっちででっち上げなくとも資本論くらいは書棚にあるでしょう。」
「そうか。それは楽で良い。メディアへのリークを忘れるなよ。」
「承知致しました。本田中将。それでは失礼します。」
「この先、日本は核武装しなければ生き残れない。悪く思うな。上原…」




