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短編集

信仰

作者: 豆苗4

 事物は我々を映す鏡だ。いくら巧妙に隠そうとも我々の仕方だけは裏切れない。頭隠して尻隠さず。踏み絵。リトマス試験紙。味見。味付けはこちらが担当させて頂きます。どうぞご自由にご賞味下さい。


 生は手放しで称賛できるほど尊いわけではないが、一目散に放棄するほど悲惨なわけではない。微かに尊く、うっすらと悲惨なように思える。信仰ももちろんそうだ。目の錯覚? それもそうか。手頃なおまじないで良いように装飾しているだけで、ナマモノは本当に無味乾燥な物だ。噛んでも噛んでも味のしないガム。ペリカンはなぜ死ぬのか? …えっ? 恐竜はなぜ滅びたのか? うーん、それは…〇〇だったからじゃない? 〇〇に当てはまる言葉を答えよ。やっぱり、恐竜、じゃない? 見事なトートロジー!


 立派なおまじないを捲し立てて煙に巻くのはどうだろうか。悪くない。悪くない。では虫の大合唱をお囃子に見立てて芝居を打つのはどうだろうか。悪くない。悪くない。勘定の最中に時刻を尋ねていかさまを謀るのはどうだろうか。悪くない。悪くない。清濁併せ呑むことも腹に一物あることも。西の彼方に極楽浄土があるというのなら。信仰。信仰。信仰。南無阿弥陀仏。アーメン。アッラーフ、アクバル。


 信じる者は救われる。これは間違いない。では信じない者は? いるはずもないか。もしいるとしてもやはり何ともないだろう。救う、救われるとは無縁なのだから。生とは信仰の賜物であるし、信仰は優美なトートロジーである。

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