最弱スキル「幻想振動症候群(ファントムバイブレーションシンドローム)」で人生逆転、世界最強!?
「デズモンド! お前の能力使えねえなぁ!」
「そうね、あんたの能力なんてどうやって使うっていうのよ」
「うわあ」
十文字・デズモンド・幸喜は、篠原・オストワリア・太郎に蹴られた。その横では、五反田・フルワナ・美紀が笑っている。
十文字・デズモンド・幸喜の能力は『幻想振動症候群(ファントム・バイブレーション・シンドローム)』だ。1日に5回、ポケットの中のスマホが、通知も無いのに震えるというものだ。
「おいどんの『燃え盛る炎』には敵わねえだろ!」
「あちきの『水の飛沫』にもよ!」
かくして、十文字・デズモンド・幸喜はパーティから追放された。
「キャーたすけてー」
遠くから声が聞こえた。十文字・デズモンド・幸喜は急いで声の方へと向かった。
四天王に女の子が襲われていた。
「吾輩は東」
「ぼくちんは南」
「麿は西」 ←紅一点
「某は北」
十文字・デズモンド・幸喜は1番近くにいた奴を殴った。
「えい」
「うげ」
デズモンドは覚醒した。
ぐらぐらぐらぐらぐら
「うわあああああああああああああ」
東は死んだ。
「ふん、だが奴は我ら四天王の中でも最弱」
「うおおおおおおおおおおおおおお」
「うわあああああああああああああ」
南と西と北も死んだ。
十文字・デズモンド・幸喜の能力は『幻想振動症候群(ファントム・バイブレーション・シンドローム)』ではなく、グラグラの実だったのだ。
無意識下で能力が垂れ流しになり、それでスマホが震えていたのだ。
「助けて下さり、ありがとうございます」
「汝は?」
「妾の名前は袋小路・デーモン・明美です」
「朕は十文字・デズモンド・幸喜」
「好きです」
「朕も」
「付き合ってください」
「よろしい」
かくして、十文字・デズモンド・幸喜と袋小路・デーモン・明美は付き合うことになった。
「俺の本当の能力は『グラグラの実』だった」
「うひゃー」
「許してくださいぃ」
篠原・オストワリア・太郎と五反田・フルワナ・美紀は平謝りだった。
「汝らもこれからは朕の仲間だ」
「ありがたき幸せ」
「ありがたき幸せ」
「ふふふふふふふ、小生は魔王」
「うおおおおおおおおお」
十文字・デズモンド・太郎と魔王の力がぶつかった。
「うおおおおおおおおお」
「うおおおおおおおおお」
「うおおおおおおおおお」
袋小路・デーモン・明美と篠原・オストワリア・太郎と五反田・フルワナ・美紀も加勢した。
「うわああああああああ」
魔王は倒された。
かくして、世界は平和になった。