王女の侍女がヒロインなら
私が幼い頃に拾った、只の孤児だった彼女…。
侍女として私の回りにいたが魔法使いとして優秀で魔力も国の誰よりも強いため王女の名代として翼竜討伐に参加する事を彼と話し勝手に決めてきた。
「彼女は必ず私が守り貴女の元へお返ししますので、ご安心ください。」
彼は…私の婚約者の侯爵家の息子だが、騎士団の副隊長として旅立って行く…。
「私は城から出ることが叶いませんが、貴方達の無事を祈っております。」
「「陛下、王女殿下、行って参ります」」
彼ら騎士団と彼女が退場したのを確認し、私も陛下…お兄様へ声をかけた。
「陛下、お願いがございます。」
「何だい?兄妹なんだ、かしこまらないでよ」
「…彼との婚約を白紙にしたいのです。」
「何故だい今回の討伐が終われば、結婚式は直ぐなのに?」
お兄様に言うのが恥ずかしいが…仕方がないわよね。
「彼は、魔法使いとして同行する私の侍女と深い仲なのです…」
「それは本当?」
「彼女確か孤児で、王女である君自ら拾い養い親を見つけてあげたんだよね。」
「はい、忠義が熱い伯爵家の養女としましたわ…。」
「恩を仇で返すか…わかった、後はお兄様に任せておけばいいよ、王女である君を傷つけた償いをさせようか…。」
3ヶ月後、彼らは無事に帰還したが私は彼にも彼女にも会うことをしなかった。
無事に帰還した騎士達のなかで目覚ましく活躍した彼に陛下からの報奨は…。
「よく無事に帰還した、副隊長は素晴らしき活躍をした!褒美として、男爵位を名乗り同行した平民の魔法使いとの結婚を許してやろう。」
「…!へ、陛下!私は王女殿下と婚約しております!来月には結婚式を控えております!」
「王女との婚約は2ヶ月前に白紙となっている。安心して結婚すればよい、後数ヶ月すれば平民の魔法使いとの子も産まれるだろう。だからこそ平民と婚姻できる男爵位だ。」
「陛下!お言葉ですが、私は伯爵家の養女で平民ではございません。」
「流石、主の婚約者を寝とる不忠義者…よいだろう、貴様は2ヶ月前に伯爵家から勘当し関わりのない者と書状がここにある。命の恩人である王女の婚約者と恋仲になった挙げ句、騙し討ちのように騎士団に付いていき子まで作り…。そのような不忠義者など伯爵家にいらぬそうだ。王女の好意により伯爵家に引き取られたが元は平民の行き倒れ…元に戻るだけだ。」
「ひ、姫様は?私は姫様のお側に居なくては行けないのです!」
「今頃?勝手に侍女の仕事を放棄して騎士団に付いて行ったのは自分だろ?仕事は主の婚約者の下の世話だけだったかな」
「そんな…陛下!私は。」
「そう言えば、私が稽古に騎士団に行くと必ず君が居たな、まるで、私に興味を持ちなさいとでも言うように派手な動きや大型魔法を使って訓練していたな…」
「陛下、よろしいでしょうか?」
「いいよ?宰相補佐官、言ってやれ」
「私が資料室や図書館に一人で居ると、彼女が現れ何故か私が探している資料を必ず彼女が持っていました。」
「医療長、言いたい事はないか?」
「陛下…私も回りにも、彼女が現れ…恥ずかしながら医療長ながら私自身がよく怪我をするのですが…怪我をしたらすぐに現れ治療魔法を使って治してくれていました。」
「君は高位の職に付くもので、見た目が良ければ誰でもよかった、偶々引っ掛かったのが主の婚約者だった者だけだったみたいだけど…。」
「…姫様は純粋ですから。」
「純粋な…綺麗な恋仲だと思いつめて…」
「姫様に何かあったのですか!」
「副隊長には、もう関係無いけど、身分なんて関係なく副隊長と魔法使い見たいな恋をして結婚したいと言い出してね…」
「婚約は白紙になり、身軽になったので留学し相手を見極めると一人城を飛び出された。」
「!、姫様一人でですか?姫様は極度な方向音痴、産まれ育った城の中ですら遭難なさるのに!」
「ここ1週間ほど、まだ城内で遭難中なんだよ…気配はするのに見つけられなくてね、副隊長が居ないと捕まらないんだよね妹の誤解を解いて、妹を連れ帰るなら…四人だけの話しだと今なら押さえられるよ?」
「陛下…私は…。」
「早くしないと、妹が持ち出した安全な食料が無くなる頃なんだよね。」
「直ぐにお連れします!」
「副隊長と妹には悪いことをした…あと妹の猪突猛進なとこ忘れてた…さてやっと尻尾を出してくれて助かったよ、キミ隣国からお使いだよね?」
「は、い…。」
「でも、最近はお使い忘れて、男の尻追いかけてたよね?内容はハニートラップじゃなく…妹を連れ出す事だよね?」
「隣国は姫様を嫁にと何度も縁談を持ちかけてきました。」
「しかも、60過ぎた女好きの国王の後妻だよ?可愛い娘をそんな男に渡さんと父上が妹の婚約を決めた後だったかな暗殺されたのは…。」
「そして…姫様が初めての家出に貴女を拾って…直ぐ副隊長が見つけ、伯爵家に養女にするように姫様を誘導した…君を見極めるために。」
「最初は、ちゃんとお使いしてたみたいだけど…自我が芽生えたのかな?男漁り始めたみたいだから…罠にかけちゃった…ゴメンね」
姫様…留学の為に城を勝手に一人で出ようとしたら城内で1週間ほど遭難していた、婚約者に発見され無事にお兄様と再会を果たす。
副隊長…スパイの尻尾を出すための、トラップ要員…大好きな姫様を守るために身を差し出したが、遭難していた姫様を見た瞬間に一生離れられないと心から思った、任務が終了したので誤解を解き結婚できた。
侍女…前世を思いだし仕事を忘れて逆ハーを狙い、チョロチョロしていた。副隊長シナリオで討伐に参加し副隊長と身体の関係を持つつもりが、現地の住民達と一夜どころか数ヶ月共にした。
城から解放されたのち、夫達が待つ飛竜群生地へ着の身着のまま旅立つ。
陛下…妹に責められるが、父親の仇を討つ。