第6話 側近
この作品を良く読んでくださっている数少ない読書様は気付いてくださると思いますが、若干矛盾した点が今回の話には出てきます。
これは次回の話で軽く補正をしますので今回はスルーしてよんでくださいm(_ _)m
家から出ると『あいつ』の側近である2人が立っていた。
まぁ、『あいつ』の事だからこの2人を寄越すことはわかっていたけどね…。
1人は、ひろょっとした長身で膝まで青いマントのような学ランで覆い、膝から下には茶色のズボンが覗いている男ーー。
もう1人は赤髪のロングヘアーに青色の帽子、男とは違い学ランのボタンは全開で中からYシャツが覗いている、茶色のズボンを履いた女の子ーー。
否、女性ー。「お久しぶりですね、蒼井さん」
女性の方が話しかけてくる。
「あぁ、本当に久し振りだな飛島…」
「麟で構いませんよ。」
頬を赤らめながら女性ー飛島 麟は俺に言う…。
「いや、飛島の方が呼びやすいし……」
下の名前で女性を呼ぶのは俺にとって苦痛のそれに匹敵するのでなるべく気を悪くされないように断り男の方に近づく。
「お前も久しぶりだな、偵」
未だにどこか遠くを見ている、杯偵に話しかける。
「うぅ…偵だけ蒼井さんに下の名前で………」
そう言った麟の目には涙が溜まっている、それを知っているのは本人と隣で苦笑いしている華蓮だけであったりする。
「ああ、お久しぶりですね、蒼井さん」おっとりとした口調で偵は話始める。
「お前の所のボスは元気かい?」
俺はニヤニヤしながら尋ねる。
「えぇ、ただ…ボスには考えすぎな所があるというか…」
「要するに暗いんです!」ボスの事を悪く思わせない為に言葉を濁らせる偵。
しかし蒼井と話したい為に割り込んだ麟はそんな事考えないで…。
「そんな事より蒼井さん……その…目をなんで合わせてくれないんですか?」
それは、どう答えよう?
「そう言えば、蒼井さん、私とも目を合わせてくれてない…」
白鳳、お前まで…
「「どういうことですか!!」」
「いや……その、えっと…」
華蓮、麟の二人から攻められ、逸らした目からは涙が零れつつある蒼井に偵は助け舟を出す。
「蒼井さん…その娘が例の?」
先ほどと変わらずおっとりとした口調で尋ねる偵。
「ああ、生血見の保護対象、白鳳華蓮だ」
呼び捨てで呼んで平気かな?
「よろしくお願いします」
良かった、白鳳は気にした様子もなく普通に飛島と偵にお辞儀している。
ん?飛島、お前は何故白鳳の顔を覗き込んでいる?
「ふ〜ん、まあ…可愛い娘ね。
だけどね、蒼井さんに手を出さない事ね、手を出したら私が殺し……」
「あー!財布忘れた!」
「「!!?」」
ふぅ…大声を出すことでなんとか飛島の暴言を防げた。
しかし、白鳳まで驚かせたのは悪かったかな?
「財布取りに行くから、飛島…付いてきてくれ。」
「え?あ、はい!」
ついでに顔を見ていない蒼井は気づかなかったがこの時、麟は顔を赤らめていたりする。
「どう言うつもりだ…」
低くドスの聞いた声で飛島に問う。
「ひっ………ひい…」
飛島は半泣きだが、もう気にしない。
俺は先程、白鳳が投げたままのナイフを壁から引き抜いて飛島の頬に当てる。
「質問に答えろよ」
今度は心を凍らせる程に冷たい声で言う。
「な…何がですかぁ…」
遂に床に落ちる涙を見て、飛島が泣いていることを知る、しかし今度はこの恐怖心を煽るように笑顔で…
「白鳳は何も悪い事してないのになんで脅すのかな?
それにあの理由はなんだ?
それとも何か…君は生血見の保護対象を殺して俺らの名前を汚したいの?」
「やめて……ください、殺さ…ないで…」
「今、君はお願いする人間じゃあないよ、俺の質問に答える人間だよ」
それにさ、別に殺す気は無いよ。
「あのぉ……」
恐る恐る、飛島が口を開く。
「ただ…蒼井さんに変な虫が着かないように……」
そこまで言って飛島は俯く。
俺の事を考えてだと怒りずらくなったな、しゃあない!
今回は許すか!
「…っまあ、 俺の事考えてくれたのは嬉しいけど、白鳳は別に悪い奴じゃないし…」
「蒼井さん!!」急に飛島は顔を上げ、満面の笑みを俺に向ける。
俯いていた飛島を直視していた俺はそれをそのまま見てしまい。
「うわっ!」
顔を真っ赤にして、ナイフを投げ捨てその場から飛び退く。
しかし、動揺からか尻餅をついてしまう。
とーー
「まて、飛島!!その手に持っている縄は何だ!と言うかどこから出した!?」
「お気になさらないで下さい。」
笑顔で言うな!
ー数分後ー
「飛島!お前は何をしている」
俺は両手両足を縄で縛られ身動きが取れずにいる。
「まあまあ、少しお話するだけですよ」
笑顔を無理やり俺に直視させる飛島ー。
飛島も容姿が綺麗なのでその笑顔だけで俺は失神寸前だ。
そして、飛島は俺の顎を両手で持ち上げる。
飛島の優しい手が、俺の顔を包む。
そしてーーー。
「蒼井さん、キスのご経験は?」
「んなぁ!?」
何を言っているんだ!飛島、正気の沙汰ではないぞ!
「ふふふ…自分で調べますよ。」
そう言い飛島は俺の額に自分の額を当てる。
飛島の超能力は自分の額を他人の額に当てて他人の記憶の中から知りたいと思った記憶を調べることの出来きる、予知夢の進化系だ。
今はそれが一番怖い能力だ…。
助けて欲しい…。「経験、ないんですね…。
それじゃあ、ファーストキスは私と」
「止め!!?」
もう飛島の唇が目の前に、ここまでか…くそぉ。
そして俺達の唇が重なりーー。
ガチャ
部屋の扉が開き、偵と白鳳が入ってくる。
偵は頭を抱え、白鳳は顔を真っ赤にしている。
白鳳が
「お邪魔しました!」
などと言われた時は完全に誤解されたと、俺も頭を抱えたくなってしまった。
とうとう梅雨入りですね。
昨日は僕大変だったんですよ。
晴れていたから、自転車で遠出していたら帰りに大雨に降られてしまい、歩道橋の下で雨が止むまで立ち往生していました。
夕立だから、すぐに止みましたが…歩道橋の下に一人でいるのは周りの視線がかなり痛かったです。
皆さんも出掛ける時は雨具を忘れずに!
それでは!