第54話 四龍最強
なんか…戦闘映写さえ駄目ですわ…すいません。
本当にすいません。
「まったく!呆れたわよ!!」
舞台は変わり、廃ビルーー言わずもがなだが、ここは隼のアジトである。
蒼井と華蓮を先導して『会議室』に向かうのは四龍メンバー 水龍 水香。
蒼井が大変なことになったのは、もう本人さえ慣れたこと。
周りも驚いたりはしなくなったのだが、次に彼らが動く理由。
それが重要、タブーの奪還だ。
四龍メンバー、その側近2人づつ、蒼井の親友兼主戦力…大牙と疹、彼らは学校を臨時で休み会議を開く。
そんな大会議に、肝心の被害者、蒼井が遅刻していることにイライラした水香は探しに出たのだが…その目に移ったのは
ーー互いに顔を見合わせて微笑み合う蒼井と華蓮の姿だ。
『あんた達馬鹿じゃない!?』
正直良心が痛んだが、これからのことを考えると、そのバカップルに水を差すことも水香には良いことだと思えた。
後で蒼井は殴られたが…
「はぁ…着いたわよ?」
会議室を開ければ、蒼井にとっても懐かしい顔。
「火斑兄さん!!」
「よっ!」
左手の人差し指に金色の指輪を填めた、頭髪は赤と黒の混じった短髪の男。
蒼井の身に付けるダークピアスの対、レッドピアスを身に付けた男を見るなり蒼井は笑顔で彼の名字を口にする。
その男こそ、四龍最強頭脳明晰21歳。火斑 瞬次だ。
「よしっ!訓練やろうぜ!!火斑兄さん!」
「あんたね…まずは会議よ!」
「おうっ!良いぜ!隼、ちょっと熱いけど我慢しろよ」
「……おい」
困ったことに、瞬次も蒼井も…まさかの『戦闘好き』。
こんな重大な会議をほっぽり出して戦闘訓練を始めるなんて…
「…本当に頭脳明晰なのか?」と隼と水香は頭を抱えるが、真に真面目なのは本当に瞬次である。
~訓練室~
疹の「もはやここ会社跡じゃないだろ」の突っ込みは隼の「…確かにそうだが、突っ込まないでくれ」の一言で終わった。
「よし、来い。」
黒桜を構える蒼井に対して、瞬次は素手。
どこからどう見ても蒼井の勝ちが必然だ。
「ウオオオォォオォオオ」
誰もがそう思った瞬間に蒼井は横一文字に黒桜を振るう。
瞬次の脇腹を黒桜が掠める瞬間。
「遅いぞ?」
蒼井の後頭部に、瞬次の拳がクリーンヒットする。
「がっ……」
そう、瞬次は恐ろしい程のスピードで蒼井の後ろに回り込み拳を放ったのだ。
「まだまだぁっ!!」
しかし、蒼井はそのまま足を踏みしめ、回転斬りを放つ。
「甘いな」
対する瞬次はそれを左腕で受け止める。
黒い防弾学ラン、レッドピアスを纏っていても蒼井の黒桜を受け止めて左腕が飛ばないわけがない。
「おらぁっ!」
しかし黒桜の刃は通らない。
更に力を込めるが、やはり動かない。
「お~い…黒桜、溶けるぞ?」
余裕でいる瞬次の左腕、その左腕が飛ばない理由は簡単。
瞬次が左腕に纏わせている炎にある。
この炎が防御の役割を果たしているが、炎は炎。
黒桜にも炎に耐えられる時間という物がある。
「限界?…ここからが本番だぜ?」
その言葉の後、瞬次の顎に強烈な膝打ちが炸裂。
瞬次は吹っ飛ばされる。
「黒桜ああぁぁぁぁ!!」
追撃を図る蒼井だが…
「俺に覇炎切首を抜かせるか?」
その刃は、刀身が溶岩のように真っ赤な大剣に防がれる。
「!!あれは!?」
それを見て、ついに華蓮も声を上げる。
今までの戦いが驚愕の連続の為、声が出せなかったのだ。
「あぁ…あれ」
その問いに水香は優しくも、呆れながら回答をする。
「あれはあの馬鹿の神のご加護。
正直、認めたくないけど…四龍最強の武器。」
「行くぜ…」
瞬次は剣を構え
「全てを焼ききる炎獄の剣、覇炎切首刀よ…。」
その大剣、明るき地獄。
無駄知識-おまけ-
バレンタイン収穫数
蒼井:39個(華蓮・麟・水香・その他もろもろ…)
華蓮:2個(友チョコ)
隼:1個(麟のお情け)
水香:59個(友チョコ・逆チョコ)
瞬次:1個(恋人からの本命のみ)
作者:……0個(冗談抜き)