第5話 保護対象と懐かしき友を感じる頭
更新が大分遅れてしまいすいませんでした。
次からは少しペースを上げたいと思います。
何故だろう…何故俺は買ってきたコンビニ弁当の代わりに、ご飯に味噌汁、魚の開きといった日本食を朝食に摂っているのだろう?
答えは簡単、家に帰ったら何故か白鳳が居て
「コンビニ弁当だけじゃ体調崩しますよ」
などど言われて予め出来ていた日本食を食べさせられているからだ。
「なぁ、白鳳?」
「はい、なんでしょうか?」
「お前、夜はどうした?」
ふと思った事を聞く。
「掛け布団だけ拝借して、椅子で眠らせて頂きました。」
椅子に………。
「何!?」
少し憤怒の気持ちを込めて言う。
「すっすいません!でも、掛け布団くらいはないと…その……寒くて……」
俺から目をそらし白鳳は小さな声でいう。
まぁ、俺は女の子を直視出来ないので、朝食を見ながら話を始めたから、ずっと目など合っていないのだが。
「はぁ…そうじゃない、何故ベッドを使わなかったかと……」
そこまで行って考え直す。
「そっか、白鳳も俺が寝たベッドじゃ眠れないか。
それに白鳳をどこに住ませるか自体決めていないからな…」
そう、いかに全日本友好及び完全制覇組合とはいえ、保護をもとめる者は少ない。
最近でも【17年前に血塊が5歳の子供を保護した】という情報が来ているだけである。
つまり、保護施設がないのだ。
「しゃ〜ね〜あいつの所で占ってもらうか」
そう言えばあいつは元気にやっているだろうか?
暗いやつだからな首吊りでもされてたら困るぜ…。
「あの…」
白鳳が手を軽くあげながら意見を述べる。
「蒼井さんの家ではダメですか?」
何故…?、そりゃあ君みたいな可愛い娘が来てくれるなら嬉しいけど…何かと……ねぇ?
そんな事を考えながら俺の口から出た言葉は否定の言葉でも、肯定の言葉でもなく…
「はい?」
疑問形だった。
「私は、床に寝ますし…掛け布団がなくても平気ですから……」
女の子を床に掛け布団無しで寝かせる奴がいたら、今すぐ飛んで行って3分の2.9殺しにしてやりますが?
「いや…あのね、何?家に泊まりたいと?」
改めて質問をする。
「はい。」
目がマジだ…、やべ…断ると泣きそう。
「なんで?」
理由を聞いて決断の時を先延ばしにしてもらおう、とりあえず…。
「蒼井さんは…その、優しいですし…保護してもらうなら、それなりに今日みたいにご飯を作って差し上げたり…お手伝いしたいな……と思いまして…」
なる程、泣けるよ…こんなに良い娘が他にいるのか!?
しかも結婚生活みたいじゃん。
帰ってきたら白鳳がエプロン姿で
「ご飯出来てますよ」
とか言うわけ?
そんなこんなで結局俺の家に白鳳が居候する事が決まってしまった。
ノリで結婚生活っぽいとOKした俺が馬鹿だった、お陰でいくつかの問題が生まれた。
まず白鳳、というか女の子と視線を合わせられない俺は白鳳の存在によって目のやり場を殆どなくしてしまった。
そしてもう一つ問題がある。
『白鳳の家具を集める事』である。
最低限ベッドが欲しい。
白鳳は
「そんな…悪いですよ」
と言ってくれるが本当に女の子を床に眠らせる訳にはいかないので俺達はベッドとその他の家具を買う為に家具専門店に行くことにした。
「そうだ…ちょっと待っててくれない?」
防弾学ラン ダークピアスに身を包んでから白鳳のいる部屋に入ると
見事ベタな漫画のように白鳳の着替え中に遭遇。
「え…………?」
白鳳はかなり驚いて悲鳴さえあげない。
というか至って冷静に近くのキッチンからナイフを取り出し構えて投げて来た。ビュン!!
瞬時の事に動けないでいると俺の両頬、両肩、両足の真横をかすりながらナイフが飛んで行く。
顔以外はダークピアスのお陰で無事だが…誰だ!?
白鳳にナイフの投げ方なんて教えたの!?
『無我夢中で投げちゃった。』
なんて理由で成せる技じゃないぞ!!
…取りあえず
「ごめんなさい!!」
ー逃亡。
「あっ蒼井さん…」
その後直ぐに華蓮は蒼井を呼ぶが返事はない。
風よりも早く蒼井は逃げたのだから…。
ヤバかった、色々な意味で…グリエス以上の殺気を感じた。
ーある街のある庭園ー
「ヘックション!!」
そこに真っ白なTシャツにジーパン、髪は相変わらず片目を覆う程長いグリエスがいた。
「誰かが俺の噂してやがるな…」
意外と良い勘をしている。
「ったく!こちとら趣味のガーデニングで忙しいんだ!後にして欲しいぜ!」
そう言うグリエスの周りを見ると一面綺麗な花が…。
まるで芸術作品のように咲き誇っていた。
「あら、グリエス君!また一段と綺麗な庭になったのね!」
ふと後ろから声を掛けられる。
グリエスが振り向くとそこには隣の家から庭を眺めているおばさんが…
「ああ、おばさんでしたか。」
グリエスが声を掛けると
「それはそうとアナタ今日夕飯の準備出来てる?」
おばさんが訪ねる。
「まだですが?」
腰に手を当て答える。
「それじゃあこれ!」そう言っておばさんはグリエスに小包を渡す。
「毎回助かります。」頭を下げてそれを受け取る。
そしてその日のグリエス宅には小包の中身である唐揚げが食卓にならんだ。
…これがあのグリエスなのだろうか?
普通に優しい青年だが?
場所は戻って…
ー蒼井宅ー
「じゃあそう言うことで今日の午後3時位に合おうぜ!」
「……構わないが、今から迎えをよこしても……。」
「ああ、じゃあ頼む。」
そう言って電話を切る。
「誰と電話されてたんですか?」白鳳が訪ねて来る。
「ちょっと昔のダチにね。
迎えをよこすから待ってろとさ。
ちょっと遅れるが良いかい?」
「私は構いませんよ?」
取りあえず良かった。
白鳳はもう怒ってないらしい。
しかし、『あいつ』とも2年振りか…
電話で話した限り、あいつまだ暗いまんまだな…。
今から『あいつ』に会うのが楽しみだ。
ピンポーン!
それから家のインターフォンが押されるまでが少し待ち遠しくて鳴った途端に家を飛び出した。
前回の後書きに続きまた書かせて頂きますが、熱いですね。
少なくとも僕のいる埼玉県は結構熱いですよ。
皆さんもこれから夏本番ですので日射病等、気を付けてくださいね。