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第35話 過去に起こるは悲しき事件-前編-

作者「まずは現状況がこんがらがって来ているのでここに整理しておきます」


-蒼井死守死闘-


-脳内-


プログラム×queen VS華蓮&プチ蒼井(ハイエナ)&アイナス


勝敗…まだついていない


-廃工場-


プログラム使いの男VS隼


勝敗…隼の勝利


作者「これだけなんですよね…」


蒼井「これだけのことをあんなに複雑に書けるお前は才能がないな…」


隼「…最早別のものが開花しつつあるな」


蒼井「そして、馬鹿作者ぁぁ!善良不良初の前後編に俺やレギュラー陣の登場予定が0なのは何故だ!!」


作者「ついでに今話は過去の話なのでqueenとアイナス達の身長は同じだと思ってください」


隼「…喋り方も少し違うな」


蒼井「俺は無視なのか!?」


作者「だって過去の話だから」


隼「…流石に俺達が出たらワケ分からなくなるだろ」

ここは天国界、人間からは極楽の場と呼ばれているが、大きな間違いである。

ここを収める4体の神達、queen様もJack様もking様も、あのjokerさえもメッタに笑わなくなっている。

あのjokerが笑わない。

それだけで自体は重すぎるということが飲み込める。


悪王魔界(あくおうまかい)の神、キュピアが攻め込んで来ているのだ。


あまりにも簡単な話に、自分が言ったにも関わらず、笑えてしまう。


笑えるような話では無いが、笑みが零れてしまう。


馬鹿らしいからーー。


人間界の話にすれば『魔界の王は天国が欲しくなり侵略をしています』という何とも軽い話になってしまうのだから。


「アイナス、ここに居たか…」


「なんじゃ、ニヤニヤ笑って?気色の悪い」


queen様に使える私は城の近くの森にいたわけだが、この森は誰も来ない場所と思っていた。

だからこそ、ここならばと今の重い事態を笑い飛ばそうとしていた。

しかし、茂みから顔を出したのは自らの親友にして戦友、コルクとqueen様ーー女王陛下その人だった。


「いえ、少し昔の思い出に浸っておりました。」

当然嘘を付く。


『今のこの戦争が馬鹿らしくて笑っていました』などといって無事に済むものか?

否、打ち首さえあり得る無礼だ。


「呆れたやつじゃ、今の戦争を馬鹿らしいと笑い、挙げ句にはこの儂にさえ嘘を吐くか?」


「ー!!」


全てが簡単に見通されてしまったことに心臓がバクバクと音を立てる。


死にたくない、逃げられるか?

いや、そもそもqueen様は何故 俺の考えが分かった?

罠か?鎌を掛けただけか?


自分で自分が情けなくなるほど戸惑ってしまう。


息が荒くなるのが分かる、心臓が先よりもさらに激しく鼓動する。

体中が暑い。


「なんじゃ?恐怖しておるのか、騎士がなにを恐れる?」


「queen嬢は、んな事でお前を潰しちゃう程短期じゃないぜ?」


降り注ぐのは優しい声。

嬉しかった、でもさらに嬉しかったのは…


「それに、儂はお主程立派な騎士を知らん、この争いも確かに無意味じゃ…

無意味な争いを笑うのは、決して無礼ではないぞ?

主が優しき証拠じゃ」

queen様は俺の肩に手を置いてにこやかにこう言ってくれた。


この日からだった、白王騎士団の白き不死鳥と呼ばれる程の戦果があげられるようになったのはー。

queen様を守りたくて、強くなったんだーー。










†††††††††††

「はあああああああああっ!!!」


そして今、私が剣を向けるのはこの戦争とは関係の無い相手。

しかし、野放しにすれば間違いなく国を脅かすであろう相手。


そんな相手を討つ為に白王騎士団第1部隊隊長である私は、副隊長のコルク、第1部隊隊員とともに戦地に赴いていた。

「…笑えん程弱いな」

相手は黒色の学生服を着用した人間であった。

人間にならば我ら天使が遅れを取るはずがない。

そう思い、背中の大剣を振り下ろすが、その台詞の後に人間の周りに発生した黒色の渦がそれを吸収する。

力を受け止めている。

「心して防がれていろよ、黒の力に!!」

さらに黒色の渦は剣を受け止めただけでなく、その力を吸収、放出し 私を弾き飛ばす。

「敵は手強い!囲め!陣形を崩すな!!!」


私が弾き飛ばされたと同時にコルクが騎士達に指示を出す。

現場監督兼後方支援型の戦闘スタイルを持つコルクにはいつも助けられる。


「蒼の力も喰らってみるか?」


が、またもや言葉の後に人間を囲む騎士達は吹き飛ばされる。

騎士達を吹き飛ばしているのは蒼い竜巻。

その竜巻の中で、同じ色の蒼い桜が舞踊る。

桜が踊れば、騎士達の甲冑が壊れ、壊れ、露わになった体中を切り刻む。

吹き飛ばされ、切り裂かれ、何体もの騎士が重力のもと激しく地面に打ち付けられる。


残ったのは私とコルクの2人だけー。


「ったく!全滅かよ、洒落になんねぇなぁ…」

コルクはそう呟き、自身の愛銃ーー『白炎(はくえん)』に(たま)を込める。

霊は、天使の使う 人間の銃弾といった物だが違いが幾つかある。


まず、霊力があるかないかだ。

霊力のある弾丸はそれだけで破壊力が増す。


次に精神力を使うということだ。

霊は精神力を削って生み出すもの、つまり使いすぎれば精神がおかしくなってしまう。

現に、さじ加減が分からず、発狂を始めた天使を今まで何人も私は目にして来ている。

しかしコルクは絶妙のさじ加減でそれを回避し、今まで霊を使いこなして来た。

そして今日も、それは変わらない。

淡い白色の球体が白炎の前に収束。

協力な一撃が放たれる。


ドガアアアアアアアアアアアアアン!!

間違いなく人間に着弾。

大爆発を起こす。


「今のは少し効いたかな?」


声は私の隣で響くーー。


そこに立つのはコルクを肩に背負った人間。

コルクはぐったりと抵抗をしない。

きっと何らかの方法で気絶させられたのだろう。


「貴様あああぁぁぁ!!」

すぐさま剣を人間に叩きつけるが、コルクを抱えていない右腕に止められる。

そしてそのまま、きっとコルクをやったように、私の腹には人間の左膝がめり込んでいた。










†††††††††††


「ふむ…これはいかんな」

先程の人間の男は両方にコルク、アイナスを抱えて天国界をあちらこちらさまよう。


「こいつらが目を覚ませばと連れてきたのだが…」


正直な所、男は迷子である。

道を聞こうと近くの天使に道を尋ねるべく近付くと何故か白王騎士団とやらを呼ばれ、戦闘になり、戦闘が終われば迷子に戻り、道が分かるであろう二人を担いで歩くが目を覚まさない。

「いやになってきた…」

参ってしまう。


「あ~はははははははははははは!!ビックリビックリ人間ちゃんじゃ~ん!」


後ろから聞こえてくる嫌な程ウルサい声に苛立ちながら振り返る。


そこに立っているのは紫色の衣装に紫色のブーツ白い手袋、最後はまた紫色の帽子で着飾ったピエロのような天使。


「あ~はははははははははははは!人間ちゃんは道に迷ったわけなのよ~ね?

困ってる~ね?」


絶妙のステップで動いていると見せない歩き方を使い、男を中心にクルクル円を描く。


「困ってる、こいつらを捨てられる場所を教えてくれ」

それに男は素っ気なく答える。


「オーケー…あはははははははははははは!!い~い?

ここはここの中心ちゃ~ん…そんであっちが【誇り高き騎士の城】」


「ならそこに行けば良いのか?」


「人間ちゃ~ん、早とちりは良くないよ~…

騎士だからって騎士の城に連れてっちゃ、ダメダメ!!」


自分の顔の前で手を交差し、バツ印を作る。


「そんであっちが~【可憐なる女王の城】騎士ちゃん達はあそこね!

わかっちゃった?

それじゃあね~あ~はははははははははははは」



「あっ!おい待て」


分かりこそしたが男はピエロの正体が知りたく声を掛けるが、ピエロは先程のステップを使い器用に消え去っていってしまった。


「なんなんだ?あい……っ!」


突如後ろに気配を感じて、振り向き様に拳を寸止めで放ち脅迫するが、そこにはさっき消えた筈のピエロ。


「はわわわわわわわわ」


驚き半分遊び半分、ピエロは大げさに尻餅を付く。


「待てっていったから待ったのにこりゃないぜ人間ちゃ~ん?」


「あ、ああ…悪い」

拍子抜けした男はつい間抜けな声が出てしまう。


「それで…私が誰かって?」


急に真面目になって胸に両手を当てながら聞き返して来る。

「あそこにある城、【愚者の城】あの城を収めるjokerという男…そいつの兄、かな?」


「ならば貴様は弟の補佐に回っていろ、助けてくれたことには感謝するが、お前はこんな所で高笑いしている場合じゃあない……」


男の精一杯の優しさだった。

不器用ながらjokerの兄を語るピエロに、自分が思う最高の生き方を教える。


「ふふん、まぁ自分でいうのもあれだが…私はこれでも真面目な部類でねぇ」


ピエロの話はまだ続く。


「らしいな、遊びと仕事…キッチリと分けられそうな性格だ」


男はありのまま感想を伝える。


「ありがとう…しかしねぇ代々jokerの血を引く者は真面目もクソもない、ただの愚者なのだよ」


「?」


「つまりは真面目な奴ほどjokerに向かないということさ、常日頃から寸分狂わず、遊びモードの私ではないとjokerとして認められない」

「難儀なものだな‥真面目に生まれた愚者…か」


心の底から同情してしまう。

真面目に生まれたのに、それが間違っていると否定される…可哀想すぎる者だ、と。


「私は構わないさ、しかしね…弟が」


「弟…自分とは違う愚者が心配か?」


ここまで来ると友人の域だ。

こうなると友人の弟を愚者と言うようで悪いのだが、勇気をもって聞いてみた。

「いや、私より真面目なんだ」


「は?」


勇気を振り絞ったにも関わらず真逆の答えが帰ってきたのは男に取って、幸いか不幸か?


「遊びモードもない正真正銘の真面目さん」


「……………」


男は黙って話を聞くしかない。

イマイチ分からないからだ、なら遊びモードがあるだけ兄の方がjoker向きと思えるのに……。


「父も母ももうとっくに逝ってしまったが…遺言書には弟の王位後継が書かれていた。」


「反論しなくて良かったのか?」


「構わんさ、弟もそれに納得したからね」


「そうか…すまないな、色々と辛いことを聞いてしまった」

素直に謝罪する。

もっとまともなことを聞けば良かったと今になって悔いるがもう遅い。


「あ~はははははははははははは人間ちゃ~んは気にしなくて良いのさ

さぁ急ごうぜ!そんなに重たい騎士ちゃん二人も抱えてたら肩が壊れちゃうよ?

あ~はははははははははははは」


今度こそピエロは消えた。

しかし、最後の言葉、【絆】を示す優しい言葉ーー。


「この程度でぶっ壊れるような脆い肩じゃあねぇよ…」


未だ木霊する笑い声が悲しさを隠す、乾いた笑いに聞こえてくる。


「でも、まぁ…」


城の方向に向き直り…


「“友達”の忠告をちゃんと聞くのは悪くねえ…」


これ以上はピエロに失礼だと歩き出した。

蒼井「いい加減復活したいよぉ…」


作者「早いところ復活させてあげないと…

まさかの主人公長期出番無し小説善良不良、よろしくお願いします」

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