第32話 召喚されし白王騎士団
作者「いや~、大分寒くなって来たね?」
蒼井「全く、もうそんな季節か…」
作者「この小説も間もなく半年かぁ…」
蒼井「早いものだな…」
作者「よし!目指せ一年!!」
蒼井「リアルにもうちょっとだなオイ!!」
ー隼交戦と同時刻ー
「な、なんですか?この音」
突如響いた謎の音に、華蓮は戸惑い、プチ蒼井に尋ねる。
『queenは潰した、プログラムも潰した、考えられる節は…』
プチ蒼井はブツブツ独り言を言った後、ぞっとする。
『まさか……』
『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
プチ蒼井が何かを言いかけた途端、うめき声が木霊する。
そして、再び華蓮達の目の前に姿を現したのは…
下半身はモゲて、上半身だけになったqueen。
それも、先程までの姿とは異なる。体中から黒色のドロドロした液体を流した、女王の気品の残っていない姿。
『おのれぇぇぇ!!我を汚す者よぉぉ!!直ちに我から出て行けえぇぇ!!』
queenが我を失いかけながら叫ぶ。
『…やっぱりか』
プチ蒼井は絶望したような目で、queenを見ている。
「どういうことですか?」
華蓮はマガマガしい姿に吐き気を感じながらもプチ蒼井に聞く。
『今、queenはプログラムに飲み込まれている』
「え?でもプログラムは」
『確かにプログラムは果てたはず…だけどね華蓮?
別に殺そうと考えて攻撃したわけじゃないでしょ?』
プチ蒼井の質問は簡単なことだ、いちいちデータを消去するのに、人を殺すつもりで挑む人間はいない。
「はい…」
当然答えはYESだ。
『その気持ちが華蓮の場合は普通の人より大きく反映している。
知らず知らずのうちにqueenの攻撃にリミッターを掛けちゃったんだ』
一息で説明してしまう。
「それじゃあ…」
華蓮の顔が申し訳なさそうになる。
自らのせいで変わり果てた女王、そして自らのせいでまたもや戦わなければならないプチ蒼井を見て。
『大丈夫だよ?華蓮、それは華蓮の優しさだから…
何も悪くはない』
プチ蒼井は精一杯短い腕を伸ばし、華蓮の頭を撫でる。
『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
そして開戦の叫び。
『完全に飲まれたか…。
それじゃあ華蓮、すぐに帰ってくるから』
プチ蒼井は華蓮に笑顔を見せて、戦いへと赴く。
『覇あああああああああああああああああああ!!』
双龍剣を連続で叩き込むが、全ての攻撃がqueenに触れる直前で弾き返される。
『チィ!!』
攻撃が通用しないと理解したプチ蒼井は一度距離を取って
『蒼天龍モード発動!!』
力を解放する。
すると、先程のように青色の幕がプチ蒼井を包む。
『蒼双翼』
そしてさらに、queen戦同様羽を生やす。
『shot-Aoi(ショット-エーオーアイ)転送!』
そして呼び出すのは、片腕に装着する細長い機械的銃を2丁。
それを両腕に填めて、右手の銃と左手の銃を合わせる。
完成するのは巨大な機械的ライフル。
『エネルギー収束開始!!』
キュウウウウウン!!
如何にもなチャージ音と共に、光の粒子が収束されて。
『らあっ!!!!』
ガードさえ破壊する強力な一撃を放つ。
『アアアアアアアアアアアア!!』
苦しみの声と共に、queenは後ろへと仰け反る。
その苦しみは果たして、プログラムによるものか、プチ蒼井によるものか…。
パキパキパキ!!
そんな音が鳴る。そして、queenの体は真っ二つに割れる。
queenの体内から出てくるのは、体中を流れる黒い液体。
それは無数の腕の形を取りプチ蒼井を掴む。
『なっ!!』
「プチ蒼井さん!!」
掴まれたプチ蒼井もなんとか抵抗するが、脱出出来ない。
ググググググ…。
無数の手がプチ蒼井を引きずり込む。
「ああっ!!」
華蓮は悲鳴をあげるが、何も出来ない。
【下手に超能力を使っても、queenのように暴走するかも知れない。】
そんな恐怖が華蓮を支配していたからだ。
『こんのぉ!!』
力を更に込めるが、解放されない。
(助けなきゃ…)
心では思っても、体が動いてくれない。
恐怖、自分はまた誰かの足を引っ張ってしまうのではないかとい感情に支配され、体が動かないのだ。
(助けなきゃ…!)
それでも必死に体を動かそうとする。
(助けなきゃ…!!)
その思いは、恐怖よりも大きな物。
(助けなきゃ…!!!)
最後に試されるのは…『勇気』。
「白王騎士団」
その言葉の後、華蓮の後ろに出現したのは何万人もの騎士団。
馬車、弓兵、剣や槍を持つ騎士達、馬に跨る騎士達もいる。
そして、それら全ては一色、たった一色で表されている。
『白』。
queenのように白色の石像のような騎士団が、華蓮の後ろに立っていた。
隼「ズズズ…(お茶を飲む)」
華蓮「~♪(みかんの皮を捲る)」
水香「よしよし…(コタツの中の猫を撫でる)」
善良不良流この季節の過ごし方。
作者「余談になりますが、友人に猫を10匹以上飼ってる人がいましたね。
コタツの中で寝ている猫が愛らしくって…」