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第25話 白天の湾曲

大体いつも、こんな感じの時間に更新することになると思います。


「そういえば、なんであの星には触っちゃいけないの?」


華蓮が問うのは、夜空に光り輝く星を触ろうとした時にプチ蒼井が止めた理由。

『そんなの簡単!あの星一つ一つは蒼井の記憶なんだ、触ると記憶の中に入れるんだけど…』


言葉を少し詰まらせる。


「だけど?」


それを華蓮は【早く】と促す。


『ビビらない?』

コクリと頷く。


『その記憶に引きずり込まれて、記憶を全て見終わるまで、出られない。』


少し重い声で言い放つが、大して恐怖心を煽るものではない。


「それだけ?」


華蓮が確認を取る。

【ビビらない?】と聞いてきたわりには、お世辞にも怖いと言えない事実に疑問を抱いてしまう。


『この記憶の一つ一つは短いもので、数分から長いもので年単位のものもあるから、引き込まれて数ヶ月出て来れないなんて良くある話さ。』

真の恐怖を告げるが、良くある話と言ってもここに居るのはプチ蒼井だけなので【数ヶ月出て来れない】はプチ蒼井の経験なのかもしれないが、だとするとマヌケである。

「それじゃ、これに触れたら…」


華蓮の星を見る目が【美しい物を見る目】から、まるで【恐怖その物を見るような目】へと変わってしまう。


『まぁ気を付ければ問題ないよ!』


安堵させようと言葉を掛けると


「あ、うん、大丈夫だよ?」


華蓮も簡単に本の調子に戻る。

きっと先程の麟の励ましが効いているのだろう。


『見えて来た!』


プチ蒼井がそう言うので、華蓮はプログラムを見つけたのだと思ったのだが、何も発見出来ない。

見える物と言えば…

「神殿…?」


真っ白い、神々しい光を放つ、その建物が夜空に浮いている。


『いや、あれ我が家』


「ええぇ!!」


そんな幻想的な建物が意外にも、プチ蒼井の家だと聞き華蓮は驚きを隠せない。

『凄いでしょ?華蓮!』

プチ蒼井は華蓮に自分の家を誉めて貰いたく、発言するが


「プチ蒼井…さんが造ったの?」


華蓮は誉めるどころか、驚き過ぎて何を言って良いのかすら分からなくなっている。

そして出て来たのが、【造った人間について】だった。


『そうだぜ!凄いだろ?』

誉めて欲しい一心で、再度返事と共に問う。


「う…うん、凄いね。

でも、なんで家へ?」

華蓮も誉める事と共に、家に来た理由を問う。


『あ、うん、華蓮は無防備だから、装備をと思って…』

その理由は簡単、華蓮がプログラムを持っていることなど知らないプチ蒼井は簡単に装備を与える為に一度、家へと戻っていたのだ。


「あの…プログラムなら、いくつか持ってるよ?」

それを聞いた華蓮は慌ててプログラムを見せる。


『え?持ってるの?じゃあ、待っててね?』

プログラムを持っていると知って尚、自分の家に飛び込むプチ蒼井。


そして数分後、プチ蒼井が持ってきた物は、黄金のカードと白色の杖、先端には円に囲まれた、銀色に輝く星が付いている。

『まず、こっちが【伝説のプログラム】っていって凄い能力が使えるけど…ピンチの時以外は使わないで、それ相当の負担が掛かるから。


それとこっちは【白天の湾曲】(はくてんのわんきょく)っていう杖で、俺が自作した【超能力発揮用システム】だよ。

多少は蒼井達に近い戦闘が可能になるかな?

神のご加護程じゃないけどね?』


長々とだが、正確に説明をするプチ蒼井。


『それじゃあ行こうか?』


今度は強引に華蓮の手を引っ張る。


「あの…」


『ん?』


「ありがとう…こんなに良いものを私にくれて」


華蓮が【伝説のプログラム】と【白天の湾曲】に付いての礼を述べる。


『構わないけど、白天の湾曲は俺の自作だから、大切に使ってくれよ!』

親指を立てて、華蓮に笑い掛けるプチ蒼井。


「え?これ、プチ蒼井さんが作ったの?」

【凄い】と言いたげな華蓮の疑問に


『まあね!』

と胸を張るプチ蒼井。


「そう言えば、神殿も造ったんだよね?」


先程のことを気に掛け、華蓮が問う。


『そうだよ、どうかした?』

「蒼井さんは知ってるの?」



『俺の存在を知らない奴が、俺の家を知ってるわけないじゃん?』


勝手に脳の中で家を造られる蒼井に少し同情してしまう華蓮だった。

『「あ!あれ!!」』

同時に叫ぶ。

目の前には透明度のある緑色の障壁と、それを破らんと火花を散らす、赤い光。

(どんな事があっても蒼井さんは守らないと!)


ギュッと白天の湾曲を持つ手に力を込める。

そして、少女は戦いへと赴く。

ちなみにプチ蒼井はこの時、「人ん家の敷地で何してんだ!!」

なんて思ってます。

蒼井の脳内=プチ蒼井の敷地です!!

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