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第22話 -動き出すは物語- -捨てられるは過去の自分-

今回はかなり短めです。

本当にすいません!!

「……白鳳のことは麟に任せて、蒼井を見てやってくれ」

隼が水香に放った言葉。

それは麟を信頼していて、安心して仕事を任せられる仲間だということを物語っている。

「わかったわ、で蒼井は?」

水香もそれに承知し、蒼井の居場所と何があったのかを問う。


「…蒼は簡単にいうと壊れた。

この扉の向こうにいるから見てくれ」


それを簡潔な説明で済ませる隼。


「は〜い」



ガチャ


「世界で〜…」


「…………」


元気よく返事をして、思い切り扉を開けた水香は、何を考えて良いのか分からずに硬直する。

そしてーー。


バタン!!



壊れてしまうのではないのかという程の勢いで扉を閉めた。

「何よあれ?明らかに病気の一段階上を踏んでるじゃない!」


正論だ。

彼女にしては正論だ。

そう思いながらも隼は


「…だから壊れたと言っただろう?」


平然と答える。

「なんで平然と言えるわけ!?」


水香さえも隼に詰め寄る。


何故だ?何故俺はここまで女に責められる!?

今回だけは自分のせいだというのに、隼さえも冷静でなくなったのは、場の空気のせいか。


だが一つ、隼は冷静でないと出来ない、『嘘をつく』ということをしている。


嘘であり、嘘でないもの


親友が壊れてしまったのに、隼と言えど平然ではいられる筈がない。

むしろ、普段は冷静すぎるくらいだが、親友など特に親しい人間の事となれば彼はアツくなってしまう。

それさえも表に出さないのは長所なのか短所なのか……。

はたまたそれが『嘘』なのか。

じーーーっ。


水香が怪しげな目で隼を見つめる。

詰め寄られている為、半強制的に目があってしまう。

(…俺は蒼ではない)

目が痛くなるわけでもなく隼は普通に目をあわせる。


「あんた、嘘ついてるでしょ?」


「…な?」

あっさり見抜かれた。

このことから隼の短所=嘘ということが分かる。

しかし、これはただ嘘をついたわけでもない。

平然を装っていただけだ。

隼本人もあまり嘘をついていた自覚がない。

「あんたは、いつも平然を装おうとするからね。

呆れちゃう…。

そんなに他人に自分の感情を見せたくない?」

水香はまるで隼の全てを知っていると言わんばかりに解説をしてくる。



隼自身が忘れていたことさえも。


「……そうか、俺は『心の無い人間』だったな」


そう、無愛想、何があっても動じない、などの理由で一時期そう呼ばれた時があった。

その時は、他人がどうなろうが、感じるものなんてなかった。

だからつい、昔が今のように感じて、せっかく手に入れた感情を押し殺そうとしてしまう。


「今は『無口だけれども心のある人間』でしょ?」

水香がウィンクしながら間違いを指摘する。


「…俺は感情を持って良いんだよな?」


水香に問う。


「あの時に、あの場所で蒼井に殴られた時………言われちゃったじゃない」


水香が思い出すのは昔の思い出。


「…そう……だな」


隼が思い出すのは親友の言葉。


『テメーは人形か!?

ちげーだろ?人生投げてもテメーは人間!!

感情はどこかにある!!無くなったなんて言わせねぇ!』


「…すまなかった」


隼が軽く謝罪をすると


「じゃ、私は蒼井を見てくるから…」


水香は扉の奥へと消えてしまった。




「……………」

隼は壁へともたれ掛かり、過去の自分をまた捨てる。

捨ててもしつこく、心に残る、心が無いというその虚無感。

「…貴様自身も感情だろう?」


そういって、今度こそ決着を付ける。

嘘は嘘。

何かを隠す為の偽りの壁。

隠さなくても良いものさえも、無意識のうちに隠してしまう。

隠す必要が無かろうが、隠したく無かろうが、いつの間にか出来てしまう壁。

それを壊すのは自分自身。

親友の助力と自分の力。




「……蒼、早く良くなってくれよ?」


時刻は何時しか夜へと移る。

星空を見つめながらーー


「…あいつの蒼は夜空を表すにふさわしいな。」


キザな台詞を吐いてみる。

自分を隠さず、真っ正面からぶつかって、たまには違う角度からぶつかって。

そうやって人は変わっていくのだ。
















-そして物語は-


「嘘…でしょ?こんなことが、人の脳が浸食されてる…?」















「つまり君達の裏はかなり大きな、テロ組織だと…」


「ええ、そうよ」


「そういうことになるのだが…これから俺達はどうすれば……」


「よく分からんがヤバいなぁ!!」














































『花咲蒼井の抹殺は今まで通りに行え!

あとは裏切り者の排除だ!!』




-本格的に動き出す-

最近は文字数も少なく、過去関係の話が多く大変申し訳ありません。


追記-この小説はギャグ×不良×SFの方程式でやっています(当初ギャグはなかった) が、もう少しでシリアスになっていくので気長に待っていてくださいm(_ _)m

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