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第18話 みんな、俺で遊んでない?

茶翼組本部-廃ビル-

その一室に小さい防音ルームが存在する。

その一部屋だけが防音なのだ…。

何故かその一部屋だけが…。

かつては『茶翼組本部はなんの会社だったのか?』で四龍メンバー会議の第5〜7回の時間を奪った議題。

頭脳明晰を誇る四龍リーダー…『火斑(かむら) 瞬次(しゅんじ)』がその頭をフルで動かしても考え付かなかった議題…。

それが役に立つ時が来た。


「……一応この聞いている方が恥ずかしい歌が外に聞こえることはなくなった…」

隼が顔に少しの焦りを見せながら、華蓮、偵、麟ーー近くで心配している3人に現状報告をする。


「私…のせいですか?」

涙目で隼に詰め寄る華蓮。

「ボス!なんでこの馬鹿の発言を許したんですか!?」

同じように隼に詰め寄る麟。

「少し、大変なことになりましたねぇ」

おっとりとだが、蒼井の心配する心は他3人にも負けない偵。

「…………(何故俺が掴まれる?

麟のいう馬鹿って華蓮か?)」

2人に掴みかかられ、どう対処すれば良いか分からずに考えを巡らせる隼。


「…取り敢えず、奴の側近なら何か知っているだろう……

鉄と剣を呼ぼう」

結果、逃げた。






「お呼びにより参上しやした」

鉄。

「頭が大変なご迷惑を」

剣。

彼らもきっと脳内では自らの頭の存在に苛立ちを覚えているだろう。

「…取り敢えず防音ルームに行こう」

防音ルームの扉の前まで移動する。

「……準々に入り自らの手段で蒼の治療を心みよう。」


「「「「「はい!」」」」」」


No.1 -茶翼隼-


隼が部屋に入る。

当然、あの歌が聞こえてくる。

「せ〜か〜い〜で〜♪」

『ウルサい』この歌を聞いて唯一思うこと。

「…黙れ」

次の瞬間には隼の拳が蒼井を振り抜かいていた。

「………………」

黙る蒼井。

「………………」

黙る隼。

しかし静かにはならない。

隼は気付いた。

蒼井が

「痛いです痛いですごめんなさい」

と小声で囁いていることに。

それに苛立ちが募り

ボカッ!


更にもう一発。


「せ〜か〜い〜で〜♪」


ボカッ!


「痛いです痛いですごめんなさい」


ボカッ!


「せ〜か〜い〜で〜♪」


「…なんなんだこいつは?」

理解は出来るが良く分からない蒼井の原理に頭を抱える隼。


防音ルームの扉が開き隼が出て来ると

「どうでした?」

暗い顔で華蓮が尋ねてくる。

「…一応は静かにした」

短く返事をすると

「…後はやってくれ」

それだけ言って隼は自室のソファーに横になった。


No.2 -黒鐘鉄-


「頭ぁ!しっかりしてくだせえ!」

肩を掴み蒼井を振る

振る


振る振る


振る振る振る


振る振る振る振る


「やめてやめて目が回る」

蒼井が囁くように悲鳴をあげるが鉄には聞こえない。

「やめてやめて目が回るやめてやめて目が回るやめてやめて目が回るやめてやめ………」

ここで蒼井は墜ちる。


「頭ぁーー!!」

防音ルームの扉が開き鉄は顔を出す。

するとまたもや

「どうでした?」

と華蓮が尋ねてくる。

どうやら防音の為『頭ぁーー!!』という鉄の叫びは聞こえていないらしい。

それにただ

「すいやせん…」

と答えるしかなかった。


ー1時間後ー


No.3 -新槇剣-


「頭、飲み物でも飲んで元気出してください。」

剣は持参した飲み物を蒼井の前に並べる。

ジュース、お茶、光り輝く謎の液体。

どんどんと怪しい物になっている。

最後辺りには液体繋がりで『液体窒素』まで並んでいる。

果たして大丈夫なのだろうか?

「ささ、飲んでください」

剣は蒼井の口に無理やりおかしな液体を流し込む。

「やめ……や…ゴボッ!」

結果蒼井は泡を吐きながら気絶してしまう。

ー2時間後ー


No.4 -飛島麟-

(蒼井さん、此処に運び込まれた時に私と目を合わせても平気だった。

それに……今なら騒いでもバレないし、私が外に出るまでは邪魔者はいない。)

頬を赤らめながら、いざと防音ルームのドアに手をかけた途端ーー。

「…麟はなにか大変な事をしでかしそうなので中止」

隼の一言。

少し寝癖があることから、ソファーで一睡して、こちらの調子を見に来たと推測出来る。


(ボスうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!)

麟は目に涙を溜めてバタバタ手を振り、何かをアピールしているが隼は無視。

それを見て他は当然苦笑い。

「ボスうぅぅぅ!」

ついに泣き出す麟を中心に笑い声が飛ぶ。


そして、蒼井にまだ壊れてない自我があるなら思うだろう…。

【みんな、俺で遊んでない?】

一話一話が短いですが、これからもどうぞよろしくお願いします。 m(_ _)m

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