七星宝具
用語解説と言うよりも、次章の布石になってしまいました。
・七星宝具
初代魔王と旧神が戦った神話の時代、旧神が人類に授けた宝具。
六柱が各々創り上げた六つの宝具と、六柱が協力して作成した一つの宝具の合わせて七つあり、その由来が忘れらた後世、闇を照らし星の如き輝きを放っていたことから七星宝具と呼ばれるようになった。
星とは一切関係が無い。
星剣、星槍、星弓、星杖、星盾、星鎧、星紋の七つがあり、全て現存している。
創り出した旧神の司る属性と権能の力を有し、伝説の金属オリハルコンで創られている。宿った力を無視しても破壊不能と言われる規格外の武器。その力は武器と言うよりも兵器と言って差し支え無い。
現代では旧神が滅びた事により、権能の行使には強大な力を必要とする。本来、使用者を選ぶ訳ではないが、旧神の滅びにより力を十全に発揮する為には適性が必要。
しかし適性を抜きにしても強大な武器であるのには変わりなく、A級相当の実力者が所持者であればS級相当の力を発揮できる。
特定の組織がこの宝具を所持すると言う事は、常にS級戦力を確保していると言い換えても間違いでは無い。フィーデルクス最強と言われる武器。
その活躍は信仰を集め、【星光の善神】アルムヘイムを生み出した。
・星剣
【光と法の旧神】セルアモールによって授けられた七星宝具。星剣と言うのは後世に付けられた通称で、本来の名は【光神剣アストライヤ】。
光の力を宿した剣で、法の権能も有する。
光属性に適性さえあれば、ファイヤーボール一発分の魔力で鋼鉄の盾を十枚を軽く斬る光の刃等を出せる紛れも無く最上級の剣。山を斬った陸を割いたと言う伝説が数多く残る。
しかしそれでも全ての力を発揮した結果では無く、法の権能を引き出した者は六千年で五人しかいない。七星宝具の中で最も真の力を引き出すのが難しい武器でもあり、その分強力な武器でもある。
所持しているのはパリオン王国。実質的に剣聖の家系と呼ばれるガルメルク公爵家が代々所持している。現在の所持者はガルメルク家の嫡孫ジェスタン・アルス・ロード・ガルメルク。
・星槍
【水と流通の旧神】ウィルセアンによって授けられた七星宝具。星槍と言うのは後世に付けられた通称で、本来の名は【水神槍ステュクス】。
水の力を宿した槍で、流れの権能も有する。
水は勿論、氷や冷気の操作生成も容易く行う力を持つ。歴代の所持者は主に氷の力を使ってきた。
流れの権能の力は時間操作で、自身の加速から対象の停止まで行える。星剣とは違い、この権能を引き出せた所持者の方が多い。しかし簡単に使えても持続時間等の効果範囲が狭い例が殆ど。
所持しているのはケペルベック神国。実質的に槍聖の家系と呼ばれるマスロメロ公爵家が代々所持している。現在の所持者はマスロメロ家の嫡孫フロムレン・ロベルト・ロード・マスロメロ。
・星弓
【風と旅の旧神】エシュフロンによって授けられた七星宝具。星弓と言うのは後世に付けられた通称で、本来の名は【風神弓イーリス】。
風の力を宿した弓で、旅の権能も有する。
鋼鉄の盾も穿く風の矢を魔力の続く限り無限に生み出したり、風による矢の強化が行える。
旅の権能は移動強化の力で、風属性の力と合わせて縦横無尽の立体高速移動が可能となり、適性が高ければ転移瞬間移動能力が使える。立体高速移動までなら適性が低くとも発動までは出来るが、制御と運用が非常に難しい。
所持しているのはエルフ大森林のエルフ族。代々エルフ族一の弓の使い手に貸与されている。現在の所持者はS級冒険者【天墜】クララシェール。
・星杖
【闇と術の旧神】ガゼアノートによって授けられた七星宝具。星杖と言うのは後世に付けられた通称で、本来の名は【闇神杖ソロモン】。
闇の力を宿した杖で、術の権能も有する。
機能としては闇属性が最も使い易い高性能な杖。権能の方がメインかつ行使し易く、様々な魔術補助機能があるフィーデルクス最高位の杖。高速演算や並列演算、術式保存、魔力貯蔵魔力吸収等、見習い魔術士でも熟練の魔術師を超えるレベルの魔術を発揮可能な力を持つ。
所持しているのはケペルベック神国。ケペルベック神国に渡ってからは、教皇が代々所持していたが、十四代魔王侵攻時に当時の宮廷魔導師長【老怪】レリシオ・ウルス・ロード・ギュリベームに授けられて以来、彼が所持し続けている。
・星盾
【土と農業の旧神】マルダモネによって授けられた七星宝具。星盾と言うのは後世に付けられた通称で、本来の名は【土神盾ユグドラシル】。
土の力を宿した盾で、森の権能も有する。
最も扱い易いとされる七星宝具。盾であるので、攻撃の方向に正面さえ向けられれば最高位の防御力を発揮する。使いこなせば土属性の力で城壁を生み出し味方全体を守る事も可能。歴代で最強の星盾使いは山脈をも生み出し、魔王侵攻から人々を守り抜いたとされる。
所持しているのは正統ケペルベック帝国。代々最も優れた将軍以上の地位にある者に貸与される。現在の所持者は陸軍第一大隊隊長グレゴリアス・アルス・ロード・ガンドール。
・星鎧
【火と鍛冶の旧神】フルアシュアーによって授けられた七星宝具。星鎧と言うのは後世に付けられた通称で、本来の名は【火神鎧スルト】。
火の力を宿した鎧で、鋼鉄の権能も有する。
最強の七星宝具。フィーデルクス最強の兵器とも言われる。三十メートル程もある巨大駆動鎧。七星宝具屈指の燃費の悪さで、膨大な魔力を機動には必要とするが、屈指の出力と火力を有する。敵も味方も巻き込みで全滅させたと言う記録が多々残る伝説の兵器。
現在は行方不明。かつては大帝国ケペルベックが所持していたが十代魔王の時代から確かな記録が無く、伝説にはそれらしき記述が残るものがあるのみで、伝説の域を出ていない。近年では実在していないと言う説も存在している。
・星紋
旧神達によって授けられた七星宝具。星紋と言うのは後世に付けられた通称で、本来の名は【救世紋ブレイブ】。他の七星宝具と違い実体が無い。所持者に直接宿る七星宝具であり、その形態は紋章。所持者は紋章自体が選び、資格が有れば適正者がどこに居ようとも紋章が現れる。宝具と言うよりもフィーデルクス世界最大の加護。
また所持者、所属が明らかでない為、世界のパワーバランスを変えてきた。フィーデルクス世界の歴史に関連が深い。
異世界から召喚された勇者以外では、主にこの紋章を受け継いだ者が勇者と呼ばれてきた。
勇者の証とも呼ばれる。実際、歴代の魔王討伐者はこの紋章と他の七星宝具を用いて魔王に勝利してきた例が多く、魔王を討伐する物を勇者と呼ぶのならば、まさしく勇者の証と言える。
最も有名な七星宝具と言えるが、所持者に宿る一体化型の力である為、どこまでが紋章の力でどこまでが所持者の力か、所持者自身にも多くは知られていない。
現在の所持者は【勇者軍総統】デオベイル・デューク・フォン・シェルトベイン。
次話は国家紹介になってしまうと思います。
尚、長々と設定があっても、主人公視点では殆ど出て来ない予定です……。




