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孤高の世界最強~ボッチすぎて【世界最強】(称号だけ)を手に入れた俺は余計ボッチを極める~  作者: ナザイ
第4章 ボッチとモテ期(仮)

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ボッチ122 ボッチ、真の魔王になりかける?

冬至投稿です。



酔っ払いのせいで完全に目覚めてしまったので、酒宴に参加、することはなく味噌汁をちびちびと飲む。

味噌汁を飲んでいるとだんだんと心も落ち着いてきた。


冷静に失礼な連中に報復するのが効率的か、今なら考えられる。


「それ、心が落ち着いていると言うんれすか?」

「理不尽な目に遭った時、怒るのが正常かつ健全な人間です」

「まあ、そうかも知れましぇんが……」


やはり原則は目には目を、歯には歯を。

社会的瀕死に追いられたのだから、奴らにも社会的な死を下してやろう。


「絶対に社会的瀕死じゃないれすよね? 社会的孤独死れすよね? そこはもう諦めた方が良いのれは?」

「まだ俺の社会生命は生きてますから! 辛うじてですけど、生きてますから! あとせめて普通に殺して! 社会的孤独死って何!?」


社会的な死をランクアップ?しないでほしい。

どれだけ社会から追いやられたと言いたいんだ……。

仮に、もし仮に、万が一にでも仮に、億が一それが事実だとしてもそもそも指摘するべきじゃないと思う。


酔っ払いにはデリカシーと思いやりがなさ過ぎる。


だが、社会的な命が風前の灯火なのは事実。

今は一刻も早く、社会生命の蘇生措置を行わなくては。


「……風前の灯火どころか、燃えるものすら残っていないと思いますよ?」

「……風も燃えます。風前の灯火は終わりなんかじゃありません」

「確かにそうれすが、貴方の社会生命は、その風すらもない真空状態らと思ますよ?」

「…………例え心臓が止まっても、蘇生する可能性は残っています。死に片足を突っ込んでも可能性はあります」

「貴方の社会生命さん、火葬済みらと思いますが……、まあ、叶わなくとも挑戦は尊いと思います」


女神様はどこまでも俺の社会生命がお亡くなりになり蘇生不可能だと断言するが、俺は諦めない。

そもそも、酔っ払いの言葉など真に受けてはいけないのだ!


「酒が入るからこそ、言える本音もあるのれす。らから人は、酒に弱い人々の多い日本れあっても、大切な場面や節目で酒を飲み続けて来たのれすよ」

「…………」

「弱くて良い、弱ってても良い、だからこそ言える事がある、紡がれるものがある。酒と人は同じです。失敗は何度でもすれば良い。失敗を受け入れて次に進めれば、きっと人生は失敗しなかった時よりも輝く筈です。完璧で不変な神よりも。それが、人です」


だから、まずは失敗を受け入れなければならないという事か…。

確かに、失敗を受け入れないというのは悪手だ。

失敗に気付かない、認められないよりは数段マシだろうが、受け入れてやっとゼロに近づける。

だが、それで帳消しにはならない。次に繋げて初めて元を越えられる。

失敗を失敗だと思わないで挑戦し続けろと言われる事もあるが、それは失敗を無視しろという意味ではなく失敗を糧により先に進めということだ。


だが、言わせて欲しい。


「失敗どころか、お亡くなりになっているんですが? 認めたらそこで俺の社会生命は終わりですよ?」


文字通りの終わり、ここで認めても先などない。

社会的な死という言葉はあるが、実際は如何様にもやり直せる事の方が多い。

だが、俺の場合は文字通りの社会的な死、社会的孤独死だ。

人類、魔王軍、果ては神々まで、文字通り世界中が敵。社会どころか世界が俺から切り離されて敵に回っている。

諦めたら完全にそこで試合終了なやつだ。


受け入れた時点で心が折れる。


「……確かに、深刻過ぎたかも知れません」


そう言うと、女神様は樽を一気に飲み干した。


節目で人が酒を飲み続けて来た理由、それは人生には忘れていたい事が多すぎるからかも知れない……。

まあそれでも、誠に遺憾ながら、今の俺の比では無いと思うが……。



「兎も角、何としてでも社会生命を守り抜きますよ!」

「守り抜くもなにも……いえ、何でもありません……」


もし蘇生出来なかったら、それこそ週一で失礼な冤罪をかけてきた連中に報復してやろう。

なんなら本当に魔王にだってなって滅ぼしてやる。

そんな連中の為に痛めてやる心など無い。


待てよ、滅ぼす?


「よくよく考えてみれば、確実な方法がありましたよ」

「……遂に、頭が逝ってしまいましたか。可哀想に……」

「逝ってませんよ! 解決方法は本当に有りますから!」


だが、そう思うのも無理はないか。

世界から冤罪をかけられている絶望的な状況を引っくり返す一手など、普通は詐欺師だって語らない。

だが、今回に限っては存在するのだ。


何故ならここは異世界。

地球ではない。


「冤罪をかけて来た連中全員を始末すればそれで全て解決です! ここは地球とは違ってテレビとかネットの情報網は無いんですから、拡散する前に元を絶てば社会生命は保てます!」


死人に口なしと言う奴が、どんなに対象人数が多くても今回の場合は成し遂げる事が可能だ。

通信とかを辿って全てのデータを消すのは事実上出来ないが、人が伝える世界ではその人をどうにかするだけで丸く収まる。


「本当に、頭が逝ってしまったようですね……。それでは、正真正銘の魔王ではないですか……」

「いえいえ、俺は完全なる被害者、それも冤罪の濡衣を着せられただけでなくて、殺されかけたんです」


結果的に相手が死んでなければ全てが許される、そんな訳は無い。

その被害者が許せば許されるのかも知れないが、俺が許す筋合いは無い。今も冤罪をかけ敵視してきているのだから当然だ。

そもそも、攻撃してきた所をやり返せば正当防衛、相手が逝っても俺に否は一切ない筈だ。


「そ、それはそうかも知れませんが……。えっと、復讐は何も生まないと言いますし…」

「これ以上何も生ませない為に、悲劇を生まない為に報復するんです」


人に冤罪をかけて危害まで加えて来る連中なんて生かしておけば、同じ被害を加え続けて俺以外にも悲劇を生む。

自分に巣食った病巣を取り除かない人はいないように、取るのだから何かが生み出される訳ではないが、苦痛や不調をそれ以上生まない為に治療するのだ。

何も生まなくて正解である。


「そ、そうかも知れませんね…、ですが、その、やり返せば相手と同じレベルになるとも言いますし…」

「人を殺すのと襲い掛かってくる殺人犯を始末するのとでは天と地ほどの差があります。ゼロから1を引いたらマイナス1ですが、ゼロからマイナス1を引いたらプラス1です。同じどころか向こうは犯罪、こっちは善行です」


例え世界が変わりこの世界になっても1+1は変わらない。

人がどう主張しようが、呼び名が変わる程度。

絶対の真理だ。覆る事は無い。

それは人であっても変わらない。

悪行を取り除けば善行であり、善行を取り除けば悪行だ。


「そうですよね……、いやいや、えっと、その、自分が幸せになる事が最大の復讐と言いますよ?」

「……世界から敵視されてどう幸せになれと?」

「ごもっともです……ぐすっ……」


何故か反対し諌めようとする態度から一転、ハンカチを目に当てる女神様……。

まあ、納得してくれた様だし良しとしよう……。


俺もハンカチを……。

シクシク、ぐすんっ。


「と言うか、よくよく考えたら手を出すまでもないかも知れませんよ」

「えっ? 何でですか?」

「もう、勝手に滅んでいるかも知れませんから」


また反対されるのかと思ったが違った。


「確かに、本物の魔王や魔王軍を交えた大戦でしたね。普通に人類、やられているかも」


正当防衛と言えど、やはり手を汚さなくて済むならならそれに越した事は無い。


「どれ、見てみましょうか。一応、録画もしておきましたので」

「録画なんて、出来たんですね」

「魔法に神の力を合わせたら出来て当然です」

「それもそうか」

「では、さっそく見てみましょうか。まずは今の光景から」


窓のような別の景色が映し出されたものが現れ、そこに上空から見た戦場の景色が映し出されてゆく。


激しい戦闘は既に終わっていた。


だが、未だに浮かび続ける人類の船。


「えっ、人類普通に勝った?」

「拡大してみましょう」


どんどん映像が船に近付いてゆく。


「…………何故?」

「これはこれは…」


そこには、俺の社会生命に関する事が頭から吹き飛ぶ程の、予想を遥か斜めに越える衝撃の光景が映し出されていた。



年末年始投稿開始です。

が、コロナでダウンしているので年始がメインになると思います。


クリスマスイブ追伸:メリークリスマス!

クリスマスイブ、クリスマス、バレンタイン、ホワイトデーのみ投稿の【クリスマス転生~俺のチートは〈リア充爆発〉でした~】を投稿しました。

https://ncode.syosetu.com/n0116ff/

本作の兄弟作でステータス等の設定はほぼ同一です。お読みいただけましたら幸いです。


備考〜各主人公の立ち位置〜


・アーク:存在が世界観


・イタル:存在がチート(地球においても)


・マサフミ:ボッチのみチート


・ノボル:異世界オタク、スキルがチート


・ユタカ:比較的普通、最初の引きが幸運


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設定集
〈モブ達の物語〉あるいは〈真性の英雄譚〉もしくは〈世界解説〉
【ユートピアの記憶】シリーズ共通の設定集です。一部登場人物紹介も存在します。

本編
〈田舎者の嫁探し〉あるいは〈超越者の創世〉~種族的に嫁が見つからなかったので産んでもらいます~
【ユートピアの記憶】シリーズ全作における本編です。他世界の物語を観測し、その舞台は全世界に及びます。基本的に本編以外の物語の主人公は本編におけるモブです。ボッチは本編のアンミール学園で裸体美術部(合法的に女性の裸を見ようとする部活)の部員です。

兄弟作
クリスマス転生~俺のチートは〈リア充爆発〉でした~
ボッチと同じ部活の部長が主人公です。

本作
孤高の世界最強~ボッチすぎて【世界最強】(称号だけ)を手に入れた俺は余計ボッチを極める~
本作です。

兄弟作
不屈の勇者の奴隷帝国〜知らずの内に呪い返しで召喚国全体を奴隷化していた勇者は、自在に人を動かすカリスマであると自称する〜
ボッチと同じ部活に属する皇帝が主人公です。

兄弟作(短編)
魔女の魔女狩り〜異端者による異端審問は大虐殺〜
ボッチと同じ学園の風紀委員(ボッチ達の敵対組織)の一人が主人公です。

英雄譚(短編)
怠惰な召喚士〜従魔がテイムできないからと冤罪を着せられ婚約破棄された私は騎士と追放先で無双する。恋愛? ざまぁ? いえ、英雄譚です〜
シリーズにおける史実、英雄になった人物が主人公の英雄譚《ライトサーガ》です。

― 新着の感想 ―
[良い点] この世界に着いたばかりの40人目の勇者 人類を延命させた英雄の神様 初代魔王疑惑のあるゴテゴテした魔王 これら全部全知的生命体から全く知られてないって本当ですか!! [一言] 漢数字ですと…
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