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第3章登場人物紹介《デルクス大陸魔族編》

デルクス大陸に登場した魔族についての紹介です。



・ヴィルディアーノ・フォン・ルーク・ロマノフィエ

魔王軍四天王の一角。【狂鬼の天災】と呼ばれる現代魔術の祖の一人であり、吸血鬼の始祖。

二代魔王が現れる前、人類がアルガンリテルと共に文明の大部分を失ってから幾つもの国家が生まれ暫く経った頃、当時の最有力国家ロマーノ王国の王弟ロマノフィエ公爵の嫡子として生まれる。


当初は血筋を絶対と能力もそれに準ずると考えていたが、真にそう思っていたが為に身分が低いが能力のある配下達を見て、考えを変えた。いや、ある種変えなかった。

能力を評価し血筋によって能力を見る前に蔑む事は一切なくなったが、単にそれを認めるのではなく、自分は優れた血筋故に更に実力を身に着けなければならないと、強迫観念に囚われるように力を身に着け続けた。

その努力は数千年先にも名が残る程の魔術の才能を開花させ、史上最高と謳われる大魔術師となった。吸血鬼始祖としての悪名が轟いても魔術師としての名声が語り継がれる大魔導師。


権力のみならず魔術の力で理想郷を築こうとしたが、悪用する者が現れ、格差社会の差は民からの畏怖を生み、敵対勢力がそれを煽った結果、国の殆どが敵になってしまう。

そして敵を薙ぎ払う事となり、理想郷を夢見た地は力で強引に支配する暗黒郷となってしまった。

この争乱、愚かな王侯貴族のみならず愚かな民の行いを見て、他者の才能や能力を潰す者のみならず、身分や環境に見合わない能力しか持たない者達も嫌悪し、完全なる存在達だけによる理想郷を目指すようになる。


そして遂に完全なる存在へと至る術、不老不死の術に辿り着く。他者の命を吸う限り永遠の命と若さを保てる禁断の術。力で支配するようになった王国の民、王都の民を対価に彼は不老不死の術を発動させ、吸血鬼の始祖となる。

王都の民を対価としたその凶行にバラバラであった人類は連合を組み、まさかそんな事で初めて団結するとはと驚いた隙に封印された。

封印後も配下にした吸血鬼達は人類に猛威を振るい、恐怖の代名詞とされてきた。


封印から約千年後、配下の吸血鬼が召喚した【智泥の悪魔】エザルによって解放される。

この時のエザルとの出会いが現在の魔王軍を始めとした人類の危機に繋がっており、ヴィルディアーノは配下の吸血鬼を増やし勢力を拡大させながら世界各地で暗躍、エザルは悪魔召喚を行う者達、実力と悪意を兼ね備えた者達からの喚びかけに積極的に応じ、そこから情報を集めヴィルディアーノに定期的に召喚されることにより情報共有と新たな暗躍を続けた。

バールガンの勧誘や英雄アンデッドを生み出したのも、こうして集めた情報から。


意外な事に、恐怖の代名詞であり、恐ろしい吸血鬼達を生み出し続けたが、封印から解放後に人類に与えた被害は驚くほど少ない。

これはヴィルディアーノが求道者で有り続けた事から。数千年間完全を求めて魔術の開発など研究を続けていた。

その魔術の内の多くは配下の吸血鬼に与えられ、吸血鬼が人類を襲う過程で人類に魔術が流出し、被害よりも実は恩恵の方が実は大きい。

これが吸血鬼の悪名と共に大魔導師としての名声が数千年後の現代まで続く理由。


終には、聖地にまで辿り着き、世界を書き換えようとしたが、ボッチ達に阻まれそこまでは届かなかった。

尚、露見せず一年程の時間をかければ聖地の掌握は可能であり、その場合は人類の敗北が確定していた。


最期は、助け合っていれば才能の壁を越えられた事、そして誰かを頼る事を忘れていたが為に天才と呼ばれる力を身に着けても凡人よりも多くを成せなかったと気が付き、不完全故に世界は完成していると悟った。

ある種、力が有った故に多くを成せなかった悲劇の天才。

それでも最期は、不完全だと思っていた世界を美しいと思いながら去ることが出来た。




・ガルガジェア

グリーンフォートに現れた上級魔族。ヴィルディアーノの祝福を受けた伯爵級吸血鬼でもある。紫の肌をし、蝙蝠の翼と尾として蛇を生やした人型。総じて悪魔のような姿をしている。

ランクは10。しかし吸血鬼化をしており凶悪な再生能力を有しているので、常時の魔王軍四天王を超える力を有する。加えて知能も高く肉体の性能に依らない魔術等の技も会得している為、実際はランク11から12程度の力を有する。具体的には、一般的なS級冒険者ならば討伐は難しいが、パーティーとは言わずとも二人以上のS級冒険者がいれば討伐出来るくらいの力を有する。

実は魔王軍四天王に次ぐ魔王軍の幹部。聖地探索の為の陽動が真の目的とは知らされていなかったが、デルクス大陸侵攻におけるリーダーであり、それを行うだけの力が有った、筈。

グリーンフォートに存在を確認していなかった規格外の存在が現れた事で、簡単に排除されてしまった。

尚、某長老が現れなくとも、グリーンフォートの街の戦力には負けていた。

疫病を振りまく事がやはり最も有効な手であり、それが露見していければデルクス大陸を死の大陸に変えていた。




・バオムング

ロックフォートの街に潜伏していた魔族。

ランクは9であるが、人間に完全に化けられる力と知能を有しており、実際の強さはランク以上。

しかし、その力を発揮すること無く退場した。

潜伏の目的は、グリーンフォートで広がった疫病を更にデルクス大陸中に拡散させること。ロックフォートで感染が広がった後、正体を現し街を破壊、感染者達を各地の街まで散り散りに逃げさせる事が目的であった。




・オルモダル

ニューエウロノアに潜伏していた魔族。

強さも潜伏目的もバオムングと同じ。異なるのはニューエウロノアはデルクス大陸の中でも規模が大きく、戦力を派遣する拠点でもあったので、疫病で弱体化した後にその戦力を確実に消し去る事が主要な目的であった。

何も出来ずに葬り去られる。





おまけ

《魔獣図鑑》



・リムネーアケローオス

ランク10の魔獣。湖を縄張りとするアケローオス。牛の角を有した人形の上半身と鱗で覆われた海蛇体の下半身を有する。

広大な水場を支配する天災級魔獣であり、容易く洪水を引き起こし広範囲の地形を破壊する。討伐にはA級冒険者パーティーが必要。いなければ国家連合や大国が総力をあげて対応する必要がある。

基本、人里に侵攻して来なければ触らぬ神に祟りなしと見て見ぬ振りをする。A級冒険者パーティーが存在しても討伐に向かうことは稀。理由としては洪水を引き起こす能力を持つ事から、刺激しただけで周囲に甚大な被害が広がる為。確実に封殺可能なS級冒険者がいなければ討伐自体考えられない。

この様な魔獣の生息地は人里の形成、国造りにおいて徹底的に避けられて来た為、交戦記録は皆無に等しいがゼロではなく、たった一度だけ三千年程前に開拓により切り拓かれた森から魔獣が奥地に追いやられ、その魔獣達が刺激した事で人里に現れた事がある。その時は山を押し流し地形を破壊しながら現れ、到達する前の段階で付近の人里は土石流に呑まれ壊滅、下流の街などにも甚大な被害が広がり続けた。討伐戦力が揃った一週間の間に開拓を行った国の大部分は水と土砂に沈み滅亡、周辺諸国も国家機能が数年に渡り麻痺する被害を被り、結果的に計四国が滅びた。

明確な交戦記録はこれしか残されていないが、あまりに大きな被害のために伝説としてその地域では現在でも語り継がれており、その地域では存在が広く知られている。

その素材、角は食料を生み出し土地を肥やす力を持ち、討伐された個体のそれは永らく国宝とし歴代の国々で所持され続けていただけの価値がある。




・ワイバーン

ランク7の魔獣。亜龍。最も弱いドラゴン種とされるが、実際は人間とチンパンジーくらいの差があり、上位種へと進化してもドラゴンになる事は無い。しかしそれでも強く、討伐にはB級冒険者が必要とされる。

竜騎士はワイバーンに乗るとされているが、竜騎士が手懐けているのはレッサーワイバーンという騎乗用に品種改良され、ランク5まで力を退化させた種。

本来のワイバーンはレッサーワイバーンと同じワイバーンだと勘違いし壊滅した街が簡単に壊滅する程の力を有しており、一度人里に現れれば国の上層部に連絡がゆく脅威。戦力が揃っていなくては都市に分類される街が壊滅する事もある。

飛行能力に秀でている為に城壁等は意味を成さず、行動範囲も広いため現実的に現れる脅威として各国で警戒されている。竜騎士を目指す者が卵を盗みに行き、刺激した事により街が襲撃される事件が世界で十年に一度は発生している。広く知られている有名な脅威でもある。

不幸中の幸いは、ランク7の中では防御力が低い事であり、B級冒険者がいなくとも攻城兵器で辛うじてダメージを与える事が可能。何とか地上に落す事が出来ればC級冒険者達でも何とかなる。ランク7の中では数の力が通用する魔獣とされる。

その素材は軽く柔軟であり、ランク7の中では防御力に劣っていても十分に強力なので高値で取引されている。傷等の状態次第では売却益で家を建てる事も可能。




・デスワイバーン

ランク7の魔獣。ワイバーンのアンデット。魔王軍四天王バールガンの手により生み出さた。

自らの死因を敵に振りまく能力を持ち、活動停止時には死因を倍増させて放つ能力を有する。今章で登場した個体は全て疫病で死亡した個体である為、疫病を振りまく能力を有していた。

生前よりも動きは鈍くなっているが、疫病で死した個体の場合、外観はワイバーンと殆ど変わりなく識別は困難。通常のワイバーンと偽装する能力も備わっており、通常のワイバーンとして討伐すると凄まじい疫病が振りまかれる事となる。

しかしアンデッド化しワイバーンとしては弱体化したとはいえ、ランク6相当の身体能力を有するので、討伐しなければ討伐しないで甚大な被害が発生する魔獣兵器となっている。




・トロール

ランク5の魔獣。四メートル程の巨大な体躯を有する人型の魔獣であり、鈍重であるが怪力で高い再生力を有する。討伐にはC級冒険者が必要。

その怪力は非常に危険であり、中流層が住む石造りの民家を直進したのみで破壊した記録がある。二メートル程の厚さがある城壁も突破された例が多く、魔術的な守りを伴わない一般的な構造物ではトロールを防ぐ事は出来ない。

皮膚は自らの怪力で傷付かない頑丈さを有し、弓術スキルを持たない一般人の放つ矢では傷一つ付かない。また驚異的な再生能力を持ち、片腕が斬り落とされても一日で生えてくる。再生能力のみならず生命力も旺盛で有り、小さなダメージを重ね倒すのは困難を極める。

これら特性の為、戦闘職にない一般人に対して大きな脅威となる魔獣。一般人の力では数を集めても討伐する事は難しい。抗戦は勿論、立て籠もり等も推奨されない。一般人が遭遇した場合、C級冒険者以上の戦力がいる地まで逃げる必要がある。C級冒険者が居なければ五千人規模の街であっても甚大な被害が予想される。

街に到達した場合、各ギルドでは緊急依頼が張り出され、D級冒険者以上の総力をもって対処する事になる。戦力が足りない場合は近隣の街への援軍要請も行われる。

有名な話としては、“トロールディザスター”と呼ばれるものがある。トロールの怪力だけ見て、オーク数匹分の脅威でしかないと判断した都市が、たった一体のトロールにより壊滅させられたという話であり、この事から“トロールの天才”、もしくは“トロールの才”という言葉が鈍重などの欠点が有っても飛び抜けた才能があれば侮れないと言う意味の諺として使われている。

その素材は主に薬の原料とされており、傷の回復に大きな効果をもたらす事が可能なため、ランク5の魔獣の素材の中でも高値で取引される。少なくとも、一般的な中流家庭が贅沢をしなければ一月暮らせる額は確実にする。




・トロールウォーリア

ランク6の魔獣。トロールの上位種。再生力、筋力共にトロールよりも上であり、武術も身に着けている。討伐にはC級冒険者パーティーが必要とされる。

トロールより更に数の力が通じ難い魔獣魔獣であり、C級冒険者の人数が足りなければ近隣の援軍のみならず国軍が動く必要も出て来る。

素材の価値はトロールよりも上。使い道は変わらず効力は上である。


次話は魔術図鑑になります。

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設定集
〈モブ達の物語〉あるいは〈真性の英雄譚〉もしくは〈世界解説〉
【ユートピアの記憶】シリーズ共通の設定集です。一部登場人物紹介も存在します。

本編
〈田舎者の嫁探し〉あるいは〈超越者の創世〉~種族的に嫁が見つからなかったので産んでもらいます~
【ユートピアの記憶】シリーズ全作における本編です。他世界の物語を観測し、その舞台は全世界に及びます。基本的に本編以外の物語の主人公は本編におけるモブです。ボッチは本編のアンミール学園で裸体美術部(合法的に女性の裸を見ようとする部活)の部員です。

兄弟作
クリスマス転生~俺のチートは〈リア充爆発〉でした~
ボッチと同じ部活の部長が主人公です。

本作
孤高の世界最強~ボッチすぎて【世界最強】(称号だけ)を手に入れた俺は余計ボッチを極める~
本作です。

兄弟作
不屈の勇者の奴隷帝国〜知らずの内に呪い返しで召喚国全体を奴隷化していた勇者は、自在に人を動かすカリスマであると自称する〜
ボッチと同じ部活に属する皇帝が主人公です。

兄弟作(短編)
魔女の魔女狩り〜異端者による異端審問は大虐殺〜
ボッチと同じ学園の風紀委員(ボッチ達の敵対組織)の一人が主人公です。

英雄譚(短編)
怠惰な召喚士〜従魔がテイムできないからと冤罪を着せられ婚約破棄された私は騎士と追放先で無双する。恋愛? ざまぁ? いえ、英雄譚です〜
シリーズにおける史実、英雄になった人物が主人公の英雄譚《ライトサーガ》です。

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