第3章登場人物紹介《デルクス大陸住人編》
祝日等ではありませんが、登場人物紹介なので投稿します。
紹介基準は活躍度ではなく、名が一度でも出た人物を紹介しています。
・ビクトール・ザイン・ノア・アーヴノア
デルクス艦隊提督。デルクス大陸総督府総督代理でもあり、デルクス大陸における最高権力者。
最高権力者ではあるが、普段は海上でデルクス艦隊を率い、デルクス大陸近海の魔獣を討伐し航路の安全を保っている。
冒険者であったのならば確実にS級まで到達していた実力者であり、五大列強オスケノア王国の最高戦力でもある。
海上であれば彼に敵う者はいないというのが彼に対する世界の評価。
指揮官、教育者としても優秀であり、多くの部下や協定を結んでいる勇者軍の構成員から慕われている老将。
海そのものを操る力を持っているとされ、実際に海そのものを動かす事ができる。
これは旧神の生き残り【失われし海の旧神】ミシェーナの身を賭した加護による。
十二の頃、デルクス大陸へと向かう航海中、荒れ狂う波に呑み込まれしまい、忘れ去られたミシェーナの海底神殿に流される。
少年は神殿に遺された女神像に助けを祈った。そこに現れたのが少年の祈りにより辛うじて目覚める力を回復させた滅びかけの女神ミシェーナ。
彼女は少年を保護し、約五年の月日を海底神殿で過ごす。
二人の間いには、いつからか愛が芽生えていた。数千年間孤独に過ごした忘れ去られし女神と彼女に助けられその美しさに惹かれた少年。
しかし、女神は少年の幸せを願った。人としての幸せを。
そして少年から向けられる愛が祈りとなり最低限力を取り戻した少年の漂流から五年後に、女神は己の存在を賭して少年を海上へと送った。
その力の残滓、女神の残滓が彼の力の正体。
その後も彼は一途に彼女を愛しており、独身を貫いている。
海兵となったのもこの海が誰もが行き来できる平和な海となり、彼女への信仰が戻るようにする為。
一途で誠実な人物であり、報酬の大半を独身の自分には使い切れないからと寄付する慈善事業家でもある。
・【失われし海の旧神】ミシェーナ
数少ない旧神の生き残り。正確には残滓に近い状態であったが、偶然ビクトールが流れ着いた事により、活動可能な程度まで復活する。
しかし、ビクトールを海底から海上へ送り届けた事により力を使い果たし、また眠りに着いていた。
かつてデルクス大陸が滅びた時、生き残りの人類を新天地へと送り届けた【穏やかな海の女神】。
神話も名も遺っておらず人類からは忘れ去られているが、当時助けられた人々が女神から名を貰い子に授ける事が多くあり、由来は失われたがミシェーナという名はフィーデルクス世界において多い名の一つとなっている。
その信仰とは呼べないが確かな記憶の残滓が力となり、完全には滅びずに眠っていた。
現在では、ビクトールが慈善活動の一環として設立した孤児院をミシェーナの教会として設立していたり、艦船の船首をミシェーナの神像にしていたりと、本人にはそのつもりは無かったが結果として布教活動になった為に活動可能な程度まで再び復活している。
・ルーベルト・アシュロン
デルクス大陸で活動するS級冒険者。
ヴィルディアーノ戦や世界総力戦でもS級冒険者として他と一線を画する力を発揮していたが、ボッチからは認識されていない。
・ルイス・シャーリア
リオ爺さんの村に住まう青年。歳はボッチの一つ上。ごく普通の村人と主張しており、村人達もそう認識しているがC級冒険者になれる程度の実力を既に有している。冒険者になるのならばかなり将来有望なルーキー。
リオ爺さんから魔術を教わっており、日常から戦闘まで幅広く使い熟している。既に魔法を教える学院に特待生として入学出来るレベル。しかし村人達も普通に使っているので何とも思っていない。
害獣退治の為にと弓と槍も習っており、それも実は我流等の寄せ集めではなくどこかの長老が伝えた某列強国の聖騎士団に伝わる弓術、槍術であった為、貴族しか入団出来ない騎士団にも特別枠で入団出来る程の力を持っている。しかし、これも村人達の殆どが出来る為、普通の事だと思っている。
家業は農家であり、本人も一人前の農家を目指している。
ボッチからはS級冒険者であるルーベルトとは比較にならないほど認識されている。
・ライアス・ノルド
グリーンフォートの街で活動するC級冒険者。グリーンフォート生まれグリーンフォート育ち。C級冒険者の中でも上位の力を持つが本人も周囲の人々も知らない。
トロールの侵攻時にはパーティーメンバーを庇い、上半身と下半身が泣き別れする寸前くらいの大怪我を負った。と言うよりもほぼ死んだがボッチの回復魔法で助けられる。
ボッチからはS級冒険者であるルーベルトより遥かに認識されている。
尚、庇ったパーティーメンバーと婚約した。命の恩人に是非とも司式してもらいたいと思っている。
・サミア・レーヴィル
グリーンフォートの街で活動するB級冒険者。グリーンフォート生まれグリーンフォート育ち。
トロール侵攻時には顔の半分に大火傷を負うが、ボッチの回復魔法で完治した。
ボッチからはS級冒険者であるルーベルトよりも遥かに認識されている。
尚、恋人のマルコと正式に婚約した。傷を治し絆を深めてくれた聖職者に是非とも司式して欲しいと思っている。
・マルコ・エマノル
グリーンフォートの街の冒険者ギルド支部の職員。元C級冒険者。グリーンフォート生まれグリーンフォート育ち。
元々は当時から恋人だったサミアとパーティーを組んでいたが、実力不足を感じ冒険者を引退。サミアを支える為に冒険者ギルド職員になった。実力不足を感じたとは言っても過酷な立地の影響が大きく、世間一般においては優秀と評価されるだけの戦闘力を有する。トロール侵攻時にも参戦していた。
ボッチからはS級冒険者であるルーベルトよりも遥かに認識されている。
尚、恋人のサミアと正式に婚約した。恋人を助けてくれた恩人に是非とも司式して欲しいと思っている。
・シリウス・ザイン・テオドール
グリーンフォートの街の代官。代々グリーンフォートの街を治めるテオドール家の家長であり、グリーンフォート生まれグリーンフォート育ち。デルクス大陸の街の代官は過酷な環境から街を守る騎士が派遣された事が始まりであり、現在もその役割が求められる為に、彼も行政官というよりも騎士。
B級冒険者相当の実力者であるが、最低でも対処にC級冒険者パーティーが必要とされるトロールの上位種の軍勢には対処しきれず窮地に陥っていた。
尚、B級冒険者相当の実力者、それも上位に位置する実力者であるが、街が被害を受け危険な状態であり連絡にも時間がかかる立地にいた事から、デルクス大陸中の戦力が招集された際には呼ばれなかった。そもそもグリーンフォートからは誰もデルクス艦隊に合流していない。
その為、まだ何が起きていたのかも知らない。
・カシアス・ノックス
グリーンフォートの街の冒険者ギルドマスター。グリーンフォート生まれグリーンフォート育ちで、B級冒険者にまで至り引退後に冒険者ギルドマスターとなった。
冒険者は引退しつつも周りに危険な魔獣が多い為に普通に活動しており、実はA級冒険者相当の実力者になっている。しかし耐久力と再生力の強いトロール上位種の軍勢には劣勢に立たされ、部下達を庇い重症を負う。
尚、魔族単体であればリオ爺さん抜きでも街の力で討伐出来ていたりする。魔王軍の想定以上にグリーンフォートの街の人々は精強であり、そんな人々から信頼を勝ち取り動かしている。
ボッチからはS級冒険者ルーベルトとは比較するのも烏滸がましいほど認識されている。
・フィリーエ・マヌエヌ
グリーンフォートの街の婦人会会長。グリーンフォート生まれグリーンフォート育ち。色々な意味でグリーンフォート最強。
優しいが頼りない夫のケツを蹴飛ば――支える為に冒険者でも無いのに魔獣討伐を手伝い続け、いつしか婦人会までもをそこらの騎士団を軽く蹴散らせる女傑団体に育て上げた。
冒険者であった両親を早くに亡くしており、某長老や冒険者達に気にかけられながら街で育てられた。その結果、桁違いの実力を持つに至った。世界の女性の実力者を並べると五本の指に入る実力がある。つまり、そういう事。
【緑城の聖母】と陰では男性陣に呼ばれている。二つ名としてステータスにまで現れており、笑みを絶やさずに日夜二つ名を付けた犯人を捜索している。
トロール侵攻時にはポーションを始めとした補給を手伝うと言いながら、誰よりもトロールを挽き肉にしていた。ボッチ達が来なくとも物量により大きな被害が発生していたが、最終的には勝てていた。
五人の娘と末に息子が一人おり、上の娘達は既に夫を尻に敷いている。
ボッチからはS級冒険者ルーベルトとは比較するのも烏滸がましいほど認識されている。
・クライド・ウォーカー
ルーベルタウンの冒険者ギルドマスター。元A級冒険者。ルーベルタウンは要衝である為、デルクス大陸の中でも屈指の実力で五指に入ると評価されている。尚、実際はボッチと女神を除いても五指には入らない。
高く評価されているだけの実力が、冒険者ギルドマスターとしても発揮されており、明らかに怪しい圧倒的強者が現れても表に出さず冷静に対処することが出来る。
今回はその能力によりボッチ達を大戦の中に突き落としたが、人類的にはあの海域でボッチ達が沈まなければヴィルディアーノの野望により深刻な被害を受けていたので、結果的にはとんでもない数の人々を救う行いをしている。
ボッチ達はしっかりその存在を記憶に刻み込んでいる。
・リーセル・ザイン・クァントール
提督補佐官。デルクス大陸の総督代理には大陸を守る力が求められており、実質デルクス艦隊の提督が本業であるために派遣される文官。デルクス大陸における宰相的な立ち位置。
ビクトールに最低限着いて行ける実力、C級冒険者相当の実力と政務能力を合わせ持つ優秀な人物。元々は極一般的な文官であったが、始め配属された街が文官不足で徹夜が当たり前、このままでは過労死すると退職するのではなく何を思ったのか体力づくりを始め、そこに通りかかったビクトールが筋が良いと半ば拉致し、後から政務能力があると知られ連れ回されている内にいつの間にか今の立場まで成り上がった。
当然、ボッチからは認識されていない。
・ガルダイン・ザイン・ルア・オルガスタ
デルクス艦隊副提督。ビクトールの腹心の部下にして親友。ビクトールの同期であり、長年同じ部隊に所属していたライバルでもある。
総督代理を何人も輩出してきたオルガスタ侯爵家の現当主。A級冒険者相当、それも上位の実力があり若き頃から未来の総督代理間違い無しと言われ、実際そうなりかけたがライバルであったビクトールの実力を誰よりも認め、彼を推薦して自分は辞退し副提督となる。
副提督であるが、S級という規格外の実力者であるビクトールを除けば歴代の提督よりも優れた実力を持つ。デルクス大陸においてビクトール、ルーベルトに次ぐ実力者とされる。が、某街と村の影響で実際はそうではない。
当然、ボッチからは認識されていない。
次話は《デルクス大陸魔族編》を予定しております。




