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孤高の世界最強~ボッチすぎて【世界最強】(称号だけ)を手に入れた俺は余計ボッチを極める~  作者: ナザイ
第3章 ボッチと世界最強

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閑話 魔祖5 神の力

ヴィルディアーノ視点です。

 


 《【聖地アルブナーム】が解放されました。

 解放者を確認。

 解放者と認定。

 試練は展開中。

 到達者と認定。

 資格を付与します。

 権限レベルを判定します。

 現在の最高権限者が空席です。

 資格者に最高権限の付与を試みます。

 第一要件:解放者であることを確認。

 第二要件:到達者であることを確認。

 第三要件:フィーデルクスの存在であることを確認。

【聖地の解放者】ヴィルディアーノ・フォン・ルーク・ロマノフィエに最高権限を付与します。


 何を望みますか?》


 ステータスの声に似て非なる問い掛けに、分かりきった答えを返す。


 我が望むもの、それは力。

 この世界すらも創り変える圧倒的な力だ!!


『”第一昇神――偽りの神(アルコーン)――“!!』


 《願いを承認。

 資格者に神に等しき力を与えます》 


 これが神の力、いや神に等しいだけの力。

 今なら万物を下せる、そんな全能感が膨大な力と共に湧き上がる。

 実際、力のみで地形も好きに変えられるだろう。


 だが、こんなものでは全く足りない。

 たかが神如きの力では、この世界は変えられない。

 この世界を根本から創り変えるには、理想郷を築くにはこの程度の力では不可能だ。


 《願いを確認。

 覚悟はありますか?》


 覚悟など、数千年前から出来ている。

 聖地は私の器が不足していると判断したようだが、至ってみせよう。


『”第二昇神――傲慢なる神(ヤルダバオト)――“!!』


 この私すらも押し潰されそうな圧倒的な力が降りてくる。

 この身を破壊せんとする強大な力を強引に抑え込む。

 強化した不老不死の再生力を以てしても、再生が追い付かず血肉が破壊されるが、何とか抑え込む事に成功した。


 今の私は、肉体を持つ神、完全なる神に等しい。

 保有するエネルギーは大身の神と同等ながら、古の龍並みの肉体を持つ至高の存在。

 再生力によりバランスを保っている事から、十全な力は発揮出来ないが、邪魔者を排除するのなら、人類を滅ぼすのならばこれで十分。


「“白輪槍(コロナランス)”」

「“神雷槍(ケラウノス)”」

「“深淵滅槍(アポリオンスコルピオ)”」


 例え今では伝説となった勇者、神をも凌駕したシェルトベインであろうと私は倒せまい。

 如何に強大であろうと人の術たる魔術など、今の私に傷一つ付けられまい。


『ぐがぁぁあああーーーー!!!』


 完全なる神の肉体に、その魂にまでダメージを与えるだと……!?

 対神城塞滅却魔法を、圧縮したのか!? あの荒れ狂う破壊術式を、破壊に逆らい束ねたと言うのか!?


 まだ、私は誰よりも優れた存在に成れないのか!?

 穢れた世界よ、私は創造主に相応しく無いとでも言うのか!?


『こ、これでも貴様らに届かんのか……!! 我は認めん!! 我こそが絶対強者!! 我こそが新世界の創造主となるのだ!!』


 聖地に願う。

 更なる力を。


「“白輪槍(コロナランス)”」「“神雷槍(ケラウノス)”」「“深淵滅槍(アポリオンスコルピオ)”」


 《願いを確認。

 器に空きがありません。

 器の強度が著しく低下しています。

 覚悟はありますか?》


 当たり前だ。

 この身などいらん!! 私も必要無い!! 必要なのは力!! 新たな世界だ!!

 滅びる前に成し遂げてやる!!


 だから力を寄越せ!!


『”第三昇神――不完全な創造主(デミウルゴス)――“!!』


 一瞬、世界が内側に収まる幻影を見た。


『うぉおぐがぁあーーー!!!!』


 もはや、完全に収まっていない全とも言える力。

 先程まで受けた傷よりも遥かに大きいダメージを、存在の根源にまで轟く深傷を負い続ける。

 だが、その力は全能に等しき力を私に齎した。


『ぐっ、き、貴様ら、異世界の女神に勇者だと!? しかも世界最強!? ……通りで強大な訳だ。だが、我は諦めん!! そして貴様らさえ倒せば我は名実共にこの世界の支配者!! 全てを手にするのは我だ!!』


 万物を生み万物を知る創造主の力は、邪魔者達の正体も炙り出した。


 女は異世界の女神。

 世界に穴すら開け、絶大なる救世の力をこの世に送る超常の存在。

 今の私の力を以てしても測りきれぬ規格外。


 青年は勇者。

 真なる勇者。ただ異世界の勇者という訳では無い。存在そのものが勇者と呼べば良いのだろうか。

 神や人間、自然、そのどれとも異なり、かつ似た超常の力を感じる。

 やはり、私の力を以てしても測れない。


 老人は今代の【世界最強】。

 私の力でも測れる。だが、決して侮れる存在では無い。

 何らな、最も私に近しいとすら言える。


 まず人から逸脱している。単に圧倒的な力を有しているだけでは無い。

 私と同じ不老不死だ。しかしその根源は私の吸血鬼の秘法とは全く違う。

 他の命を自らのものとするのでは無く、半ば自らを環境と成す事で常にある、私の術式よりも完璧な不老不死。

 聖地に触れる前の私並みの、もしくはそれ以上の力を有している。


「“白輪槍(コロナランス)”」「“神雷槍(ケラウノス)”」「“深淵滅槍(アポリオンスコルピオ)”」

『ぐぎぃあががぁがあーーー!!!!』


 女神や勇者であれば、これ程の力が有るのも納得だ。

 しかし、創造主に等しき力を手に入れても、敵わぬのか……。

 相手は世界の抑止力とでも呼べる世界の頂点に立つ存在達。


 世界を再構築するには、今の世界を乗り越えよと言う事か。


 聖地よ!!

 全ての力を私に!!


 《願いを確認。

 器の耐久限界を超えます。

 覚悟はありますか?》


 当然だ。

 もはや、私に理想郷での居場所は無い。生き残る必要性は皆無。


 私は、やはり天才では無かった。理想郷に相応しい完璧な存在等では無かった。創造主に等しき力、才能を手に入れても勇者達に敵わなかった。

 この力を手にしたのが、私でない誰かであったのなら、結果は違っていた筈。


 結局、私は天才には成れなかったのだ。


 だが、悲願が変わる事は無い!!

 この身を対価に、この世界を、相応しき力が相応しき者の元へゆく世界に、誰もが才を伸ばし報われる世界に創り変えてみせる!!


『がぁ、わ、我は、創造主に、なるのだ……!! ”最終昇神――真なる神(アイオーン)――“!!』



次話も閑話が続きます。

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設定集
〈モブ達の物語〉あるいは〈真性の英雄譚〉もしくは〈世界解説〉
【ユートピアの記憶】シリーズ共通の設定集です。一部登場人物紹介も存在します。

本編
〈田舎者の嫁探し〉あるいは〈超越者の創世〉~種族的に嫁が見つからなかったので産んでもらいます~
【ユートピアの記憶】シリーズ全作における本編です。他世界の物語を観測し、その舞台は全世界に及びます。基本的に本編以外の物語の主人公は本編におけるモブです。ボッチは本編のアンミール学園で裸体美術部(合法的に女性の裸を見ようとする部活)の部員です。

兄弟作
クリスマス転生~俺のチートは〈リア充爆発〉でした~
ボッチと同じ部活の部長が主人公です。

本作
孤高の世界最強~ボッチすぎて【世界最強】(称号だけ)を手に入れた俺は余計ボッチを極める~
本作です。

兄弟作
不屈の勇者の奴隷帝国〜知らずの内に呪い返しで召喚国全体を奴隷化していた勇者は、自在に人を動かすカリスマであると自称する〜
ボッチと同じ部活に属する皇帝が主人公です。

兄弟作(短編)
魔女の魔女狩り〜異端者による異端審問は大虐殺〜
ボッチと同じ学園の風紀委員(ボッチ達の敵対組織)の一人が主人公です。

英雄譚(短編)
怠惰な召喚士〜従魔がテイムできないからと冤罪を着せられ婚約破棄された私は騎士と追放先で無双する。恋愛? ざまぁ? いえ、英雄譚です〜
シリーズにおける史実、英雄になった人物が主人公の英雄譚《ライトサーガ》です。

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