表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/293

ボッチ111 ボッチ、上級冒険者について知る

ゴールデンウィーク投稿です。

今回も説明回です。

 


 リオ爺さんによる冒険者の解説は続く。


 精鋭とされるC級冒険者、その更に上のB級冒険者に関しては、都市ですら指折りの実力者。

 小国では最も強いのがB級冒険者である事が殆どというレベルの強者だという。

 その存在は国力すら左右する。


 尚、ランクアップにはB級冒険者以上の実力者による承認が必要。


 求められる活躍は都市、国家の守護。

 都市を崩壊の危機に陥れられるミノタウロスやワイバーンなどのランク7の魔獣を一人で討伐出来る実力を求められる。

 流石に都市と呼べる規模の街では、多くの戦力を有する為、ランク7の魔獣一体で即ち滅亡の危機とはならないが、その上のランク8の魔獣となるとB級冒険者相当の実力者がいないとどうにもならないそうだ。


 B級冒険者は引退していようがなんだろうが引く手数多、国家にスカウトされる事も多いらしい。


「……ランク7のワイバーンって都市を壊滅させられる程の相手だったんですか? 村では簡単に倒していましたけど?」

「あの辺りは強大な魔獣が多いからのう。そのくらい出来んと生活出来んよ」


 説明通りだと村の人達は国家にスカウトされる様な人ばかりの筈だが、当たり前にランク7級が出てくる村に住んでいると何とも思わないらしい。

 B級の価値が村ではD級並みに下落している気がする。

 グリーンフォートしか近場に無いようだし、都市とか国家とか言ってもピンときて無いのかも。


「それでその上のA級冒険者じゃが――」


 特に村の人達の規格外さにリオ爺さんは触れる事なく話は続いた。やはり何とも思わないらしい。


 まあ今は聞こう。


 A級冒険者になるともはや国家の切り札。

 世界でも数えられる程しかいない。

 A級冒険者相当の戦力が居れば中堅国家以上、居なければ小国という分け方もある程、規格外の戦力らしい。


 一人でランク9の魔獣を討伐する事が求められ、パーティではランク10の魔獣を討伐する力を求められる。

 が、A級冒険者パーティというのは、リオ爺さんの知っている限り、同じ時代に多くても両手の数で数えられるくらいしか居ないという。


 ランク10の魔獣とは国家存亡の危機を引き起こす天災。

 ランク9の時点で中堅国家でも総力を上げて対応する相手らしい。


 ランク9以上ともなると都市の、首都の城壁も紙屑同然で意味を殆どなさず、数の力で押し切る事も出来なくなる。

 農民といった普段非戦闘員の徴集兵は何万いても餌にしかならず、C級冒険者クラスの実力者でも正面からぶつかれば数秒が稼げるかどうか。


 ランク10ともなれば、A級冒険者相当の実力者がいない場合、その標的が壊滅していなければ歴史に残る奇跡として語り継がれるレベルらしい。

 対抗戦力がいなければ都市や国家を捨てバラバラの方向に逃げるのが最も有効な手だという。


 ただ、ランク9以上の魔獣が人里に出てくることは世界中見ても一年に数回あるかないか程度だそうだ。

 加えて強大な故に発見し易く、人里に近い個体は監視されている。刺激しないのが基本だが、危険な動きを見せた場合、即座に討伐隊を編成し送る準備が整っているそうだ。



「国家を滅ぼす天災、そんな危険な存在には遭遇したく無いものですね」

「ええ、流石に危険過ぎます」

「何を言っておる。これまで遭遇した魔族はランク9以上じゃったぞ? グリーンフォートの魔族がランク10、それ以外の二体がランク9じゃ」

「「…………へぇ」」


 呆気なく倒した気がするが、魔族は国家が総力を上げても倒せないかも知れない相手だったらしい。


「と言うかアウラ様、知らなかったんですか?」


 魔王軍を倒す為に勇者を送っていたのだから、それくらいは知っておいて欲しい。


「はい、想定以上でした。今代の魔王軍が強大なのは知っていましたが、まさかそこまでとは。

 魔王軍四天王ともなればランク10を超えますが、通常の魔族ならそこまで高くありません。高くてもランク8程度でした」


 1ランクの差だが、話を聞いている限りその1ランクの差は相当大きい。

 全体的にランクが上がっているのなら、相当な脅威だ。


「だったら、偶々戦ったのが幹部だったんじゃ?」

「だと良いのですが、幹部級が三体もいたとは考え難いです。しかもそれぞれ力で制圧しようとはしていませんでした。ランク9の二体に関しては人間に成りすまし潜伏までしています。潜伏させるなら弱い魔族でも十分だった筈です」

「つまり、ランク9でも魔王軍にとっては変えの効く駒に過ぎなかったと?」

「ええ、その可能性があります」


 警戒のし過ぎな気もするが、今度仮に遭遇した場合、ランク10以上だと想定しておいた対応した方が良いだろう。

 ランク8と想定していたら致命的な結果を招くかも知れない。


「因みに、魔王のランクってどのくらい何ですか?」

「ランク13と言われておるのう」


 この質問に答えてくれたのはリオ爺さんだった。


「しかし便宜上じゃな」

「便宜上?」

「魔王のステータスを鑑定出来た者は歴史上おらん。しかし時のS級冒険者達を束ねたパーティでも及ばず、勇者を含め世界の総力でやっと倒せた。S級冒険者パーティはランク12の魔獣を倒せるとされておるからランク12以上、便宜上ランク13とされておるんじゃ。

 ただS級というのは最高ランク、それ以上評価出来ない等級じゃ。S級が戦うランク11の魔獣も鑑定出来た例は非常に少ない。実際S級冒険者がどれ程の力を有しているかなど、本人にも分からん。物差しがどこにも無いのじゃよ。確かなのは、魔王が人類最大の脅威という事だけじゃな」


 全然活動していないとはいえ、元S級冒険者であるリオ爺さんがそう言うのならそうなのだろう。


「そもそも、これまで説明した冒険者の等級、それに求められる力も理想じゃ。お手本のようなその等級の冒険者ならこんな力を持っているというな。実際は同じ等級でも幅は広い。目安とされているのはその等級の上限じゃ。

 実際はその一つ下の魔獣を相手にする、それしか相手に出来ない冒険者の方が多い。

 何より、数値的な基準となる魔獣のランクも、同ランクであれば同じ強さという訳では無い。例えばランク7のワイバーンとミノタウロスでは討伐に求められる力は違う。同じランクを倒したからと言って、同じ強さを持つ訳では無い。偶々相性が良かっただけかも知れんし、相性が悪いにも関わらずねじ伏せる実力が有ったのかも知れんのじゃ。

 特に上級冒険者が相手にする魔獣ほど、絶対数自体が少ない。つまり、高位の魔獣を倒したと言う実績は数が積めないのじゃ。よって少ない材料から判断される事になる」


 冒険者の等級も魔獣のランクも実際はかなりあやふやらしい。


 尚、一応S級冒険者に求められる力を聞いてみたが、A級にも対応出来ない脅威全てに打ち勝つ事らしい。

 S級が人類最高戦力なのだから、S級冒険者にもどうにも出来ない脅威が現れたら神頼みでもするしか無い。

 その神頼みの結果の一つが勇者だという。


 そしてS級冒険者にしか対抗できないランク11以上の魔獣に関しては、世界存亡の危機レベルだという。

 ただこのレベルの魔獣になると鑑定が通じず、ランクを鑑定出来た例は非常に少なく、記録に残るランク11というのは殆どが推測らしい。

 実在する事は確かだが、実は強いランク10の可能性もあり測りきれない強大な脅威をランク11と呼ぶそうだ。


 何と、ランク11以上の魔獣に関しては降臨した神を倒してしまった例すらあるらしい。

 もはや亜神と呼べる別格の強さのようだ。


 そして話にちらりと出たが、魔王軍四天王はランク11級。

 ランクは基本的に種族としての格を示しており、知能を持つ魔族は人間と同じく技や術まで使いランク以上の強さを有する為、やはり正確なランクは不明だが強さ自体は確実にランク11レベルらしい。


 恐ろしい話だ。


 魔王軍四天王にも、ランク11にも絶対に遭遇したくないものだ。


 話を聞いただけだが疲れた。

 早く仕事を終え、ペット達に会いたい。



次話もゴールデンウィーク中に投稿したいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
設定集
〈モブ達の物語〉あるいは〈真性の英雄譚〉もしくは〈世界解説〉
【ユートピアの記憶】シリーズ共通の設定集です。一部登場人物紹介も存在します。

本編
〈田舎者の嫁探し〉あるいは〈超越者の創世〉~種族的に嫁が見つからなかったので産んでもらいます~
【ユートピアの記憶】シリーズ全作における本編です。他世界の物語を観測し、その舞台は全世界に及びます。基本的に本編以外の物語の主人公は本編におけるモブです。ボッチは本編のアンミール学園で裸体美術部(合法的に女性の裸を見ようとする部活)の部員です。

兄弟作
クリスマス転生~俺のチートは〈リア充爆発〉でした~
ボッチと同じ部活の部長が主人公です。

本作
孤高の世界最強~ボッチすぎて【世界最強】(称号だけ)を手に入れた俺は余計ボッチを極める~
本作です。

兄弟作
不屈の勇者の奴隷帝国〜知らずの内に呪い返しで召喚国全体を奴隷化していた勇者は、自在に人を動かすカリスマであると自称する〜
ボッチと同じ部活に属する皇帝が主人公です。

兄弟作(短編)
魔女の魔女狩り〜異端者による異端審問は大虐殺〜
ボッチと同じ学園の風紀委員(ボッチ達の敵対組織)の一人が主人公です。

英雄譚(短編)
怠惰な召喚士〜従魔がテイムできないからと冤罪を着せられ婚約破棄された私は騎士と追放先で無双する。恋愛? ざまぁ? いえ、英雄譚です〜
シリーズにおける史実、英雄になった人物が主人公の英雄譚《ライトサーガ》です。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ