第2章閑話登場人物紹介《信者&その他》&おまけ
すみません。最後だけ遅くなりました。
今章最後の登場人物紹介です。
・ノーゼル・ブライア
勇者軍実働部隊のトップにして最強の【大将軍】。
メリアヘム大戦時は魔王軍が封印を解こうと邪炎竜ドヴォルギーグの封印を守る勇者軍支部を襲撃したとの情報を受け急行、ボッチ到着の直前付近まで激闘を繰り広げていた。
見かけと言動は本職よりも山賊っぽいが、情に厚く正義の心を持った大将軍。部下達からの信頼も厚い。
ただ強く慕われているだけで無く、多くの勇者軍精鋭を生み出した教育者でもある。ノーゼルが大将軍となってから精鋭と呼べる者が三割は増えたとすら評される。何故か多くの兵がノーゼルの言動まで学んでしまうのは玉に瑕だが、最高にして最強の大将軍として評価されている。
しかし、そんな彼でも寝る間も惜しんだ戦闘に続く災害対策と、長い拘束時間から来る腹痛には絶望を覚え、ボッチに救われた。今では立派な流水教徒。
二つの死の危機(物理的と社会的)を乗り越え流水教の真理を悟り、実力が倍程度に向上した。
・エメフィナ
偶像教のアイドル。新進気鋭の現在売り出し中。フィーデルクス出身の現在17歳。
偶像教司祭シュティファノにプロデュースされている。同じくシュティファノにプロデュースされたアイドルの公演を見て憧れアイドルを目指すようになった。
歌と踊りは勿論、何故か戦闘のレッスンによって既にA級冒険者相当の力を有している。尚、アイドルレッスンからまだ2年目。
鉱山が閉山し寂れてしまった辺境の街の街娘。アイドルに憧れた根源は、活気の無かった街の人々に活気が戻ったから。その初心から主に辺境の街等を中心に活動している。どんな危険地帯もなんその、活気を届けに何処へでも征く。
A級冒険者相当の力を身に着けたのは偶像教のアイドルレッスンと実戦を繰り返し続けてきた結果。
そんな直向きな活動により、辿り着くのも困難な場所でアイドルコンサートを開くにも関わらず、追っかけのファンまで誕生している。ただしその難易度に現在の追っかけファンはオルドレイク一人のみ。
・ジークヮーサー・ヒラミレ・ロード・パリオン・ドゥ・ケペルベック
パリオン王国第四王子。通称、名前を言ってはいけないあの御方。
パリオン王国の王族最強にして、同年代の中でも特に秀でた力を持つ王子。ついでに耳と滑舌も非常に良い。その野望は大きく、かつての大帝国を復活させようと考えている。
その思想は幾つか実行に移しており、危険視した国王から謹慎を言い渡され、彼を慕う臣下達と共に離宮に軟禁されていた。
しかし幽閉されながらも大帝国復活へ向けた工作を行い、パリオン王国の至宝である星剣を手に入れた。そしてクーデターを起こす。
・エトゥピㇼカ・パフィン・ロード・リーペリア・ドゥ・ケペルベック
ケペルベック神国第ニ皇女。通称、名前を言ってはいけないあの御方。
ケペルベック神国の皇族最強にして、同年代の中でも特に秀でた力を持つ皇女。ついでに耳と滑舌も非常に良い。その野望は大きく、かつての大帝国を復活させようと考えている。
その思想は幾つか実行に移しており、危険視した教皇から謹慎を言い渡され、彼を慕う臣下達と共に離宮に軟禁されていた。
しかし幽閉されながらも大帝国復活へ向けた工作を行い、ケペルベック神国の至宝である星槍を手に入れた。そしてクーデターを起こす。
・オルドレイク・レシェット
覆面のS級冒険者。最年少のS級冒険者でもある。
その正体(?)はドルオタ。覆面はS級冒険者として戦い一つでも目立つ事もあるので、せめて自分への関心を減らし、エメフィナへの注目を減らそうと言う目的で身に着けている。
尚、S級と言う力への畏怖から覆面が強調されたりするが、覆面は覆面でも神社などで用いられるタイプに近く、主にマフラーを口元まで巻いている程度である。極端に浮いている格好をしている訳でもない為に、あまり目立ずS級冒険者と知られる事は稀。覆面やら【静寂】の二つ名、誰とも組まない冒険者等、噂が独り歩きして誇張される事が多いが、実物は最も目立たないS級冒険者である。
因みに二つ名はアイドルコンサートの前に騒がしかった魔物を沈黙させ、同時に駆けつけ五月蝿かった冒険者達も力尽くで黙らせた事によりついた。
元々アイドルと出会う前から冒険者だったが、スタイルとしては強く強大な魔獣を討伐するのでは無く、希少な魔獣の討伐や素材の採集を専門とする冒険者であった。器用で様々な状況下での対応が可能、しかし極めたものが無い、そんな冒険者であった。
しかし、アイドルと出会い、エメフィナが過酷な立地でコンサートを開き、その自主的な手伝いとして快適な環境を整えようと魔獣を片っ端から討伐し続けた事でS級冒険者にまで至った。
エメフィナがアイドル魔法(?)でバフをかけたり回復したりとアイドルとして応援し続けた事も大きく、正しくアイドルによってS級にまで至った冒険者である。
尚、最もスキルレベルの高いスキルは戦闘系スキルでは無く、〈オタ芸〉スキルである。
《おまけ:世界神(世界の垣根を超えて数多の世界から信仰される超越神)》
・レイシャル
数多の世界から信仰される世界神の一柱にして露出教の主神。【露出卿】と呼ばれる太古の大英雄。
服と引き換えに力を得る能力を持っており、それによって羞恥心に耐えながら世界を救った。
実は世界神屈指の常識神。別に露出狂を増やそうとは考えておらず、信仰を受けていつの間にか引けなくなった悲劇の人物。ボッチにも色々と同情して加護を授けた。
・マリアンネ
世界神の一柱にして露出教の教祖にして副主神。【露出教主】や【元狂】と呼ばれる二つ名の通り、露出教の元狂となった人物。副主神でありながら世界神の中でも強大な力を持つ。
教祖ながらも本人は全裸では無く、シーツ一枚を身に纏っている。本人曰く、主神であるレイシャルを立てて一歩引いている為にその様な格好をしているらしい。
露出教を実質的に動かしているのは彼女。各地に司祭を派遣したり、見込みのある者に加護や祝福を与え、日夜信者を増やしている。
レイシャルの初の信者にして妻で、レイシャルは彼女の事を心の底から愛している為に、強く文句が言えないでいる。
教義は包み隠さず解放せよ。その先に真実の愛と平和は待っている。
尚、露出教徒達は露出教信者を日夜増やそうと企んでいるが、基本的に全てを解放し包み隠さず善意に従って行動する善人が多いので、世界の危機などでは助けてくれる事が多い。なので、あまり強く追い出せなかったりする。
・ウォッシュレーテ
世界神の一柱にして流水教の主神。
元々はとある超大世界の女神で、誰も司りたく無かったトイレの神格を押し付けられた苦労系女神。当時、全ての世界においてトイレを司る神が存在しなかった為、全ての世界のトイレに関する究極の一瞬の凝縮された祈りが集中して全世界において屈指の力を有する超位存在、世界神へと至った。
ただ、それで元々の性格が変わることなく、信者も変人揃いで、友人知人もその力を畏れ無い同格の世界神ばかり、つまり変神だらけなのでますます心労が絶えない。だからといって真面目なので真摯に対応する。
外見も苦労系OLの様な女神様。教義は特に無いが、トイレ関係で助けを求められたら手を差し伸べる。
・アシュタルテ
世界神の一柱にして偽善教の主神。
全てを救おうとする世界神にして、かつて実際にそう理想に向かい行動した大英雄。
神に至る前は、死に戻り系の能力を有しており、それを用いて全ての人々を救う為に何度も何度も繰り返し、果には本当に全てを救った。【死んでも治らない馬鹿】と呼ばれる大英雄であった。
教義は我が行いを偽善と認めよう。しかし全ての善が誰かから見た偽善であるのなら、偽善こそが唯一の正義である。故に迷わず行動せよ。一番ゆるいとこのような教義。信者の信仰度合では過激にもなる。
・ゼン・リーゼ=ユートピア
世界神の一柱にして平穏教の主神。【平穏なるニート】と呼ばれる。純粋な人出身の中では最強格の存在。
働かない事を何よりとし、安らかな眠りがある事こそが理想と説く。曰く、理想は気付くだけでそこに在る。
・アキホ
世界神の一柱にして勇者教の名誉主神。他にも色々と名誉主神をしていたりする。【喜劇のヒロイン】と呼ばれる人物。
初代勇者、【喜劇の勇者】達全員の子孫。名誉主神等をよく頼まれる。その手の名誉職の依頼数はゼンの方が遥かに多いが、彼の場合はその在り方から全てお断りしている。
勇者教の教義は、地域信者によってかなり異なる。基本的には勇者を信仰対象とする。アキホは世界宗教では無く勇者の集まりだと思い込んでいる。
おまけ
《特別解説委員による出張用語解説》
特別解説員アーク氏&コセルシア氏
Q:「世界神について」
アーク氏:「変人」
コセルシア氏:「変態です」
付き添いのゼン氏:「…………目の前にいるんだぞ?」
Q:「はい、ありがとうございました」
異議ありゼン氏:「こら待て」
アーク氏:「じゃあ、世界神ってどんなお仕事?」
ゼン氏:「寝ているだけで賽銭が貰える素晴らしいお仕事だ」
アーク氏:「…………」
PART2
Q:「世界神とは?」
アーク氏:「数多の世界から信仰される超越神だよ」
コセルシア氏:「極端な信仰である例が殆どです。世界神を信仰する宗教を世界宗教と呼びます」
アーク氏:「極端だから、他に神がいないから、そして極端故に祈りが強いから、祈りが束ねられて世界神になるらしいよ。だから教義とかも極端なんだって」
コセルシア氏:「有名どころでは露出教や流水教、後は絶対正義教や必要悪教などがあります」
Q:「加護について」
アーク氏:「応援しているよって証」
コセルシア氏:「都会風に言えば、お気に入り登録のようなものです」
ゼン氏:「間違っては、いない、のか?」
アーク氏:「レベルが上がりやすくなったり、色々な効果があるよ」
コセルシア氏:「世界神の加護には特別な効果もあるそうです」
Q:「龍脈について」
アーク氏:「自然界の魔力が通って湧き出る道だよ」
コセルシア氏:「世界の血管の様なものですね」
ゼン氏:「小規模なものであるなら兎も角、世界の魔力が還り湧き出る場所であるから、無くなれば世界の危機に繋がる」
Q:「龍脈による世界の危機への対処法は?」
アーク氏:「“世界降ろし”すれば良いんじゃない?」
コセルシア氏:「いっその事、創り治してはどうでしょう?」
ゼン氏:「……無茶を言うな」
アーク氏:「じゃあパパならどうするの?」
父親としての威厳を見せたいゼン氏:「龍脈の消失そのものが即ち世界の滅びでは無い。魔力の循環が無くなり、生物は自然界からの魔力回復出来ず、自分で生み出すしか無くなる。自然に還らず使われ改変された魔力は汚染されやすく、それが魔物の活性化に繋がる。人類が弱体化し、魔物が強化される。その流れの果てが世界の滅びだ。魔物を討伐し続け、龍脈が新たに収束する時間を稼げれば危機は回避出来る。余力のある内に、魔物が増える前に倒しておく事が大切だな」
アーク氏:「へー、もぐもぐむしゃむしゃ。あっ、仙桃食べる?」
ゼン氏:「……聞いてたか?」
Q:「仙桃について」
アーク氏:「美味しいよね」
コセルシア氏:「美味しいです」
流されるゼン氏:「おっ、これは美味いな」
Q:「……仙桃の効果について」
アーク氏:「効果? そう言えば食べれば仙人になれるって迷信があったような? でも美味しいだけだよ? さっきから何とも無いし」
コセルシア氏:「そう言えば、不老不死とか自然を操る仙術を身に着けられたりとか出来るそうですね」
仕事を色々な意味でしないゼン氏:「俺達にとってはただの果物だな」
Q:「…………」
Q:「仙人について」
アーク氏:「流行に流されない人達だね」
コセルシア氏:「そうなのですか?」
アーク氏:「うん、都会では老いとか寿命とかが流行っているらしいけど、仙人は流行に乗っからないんだって」
コセルシア氏:「それ、流行なのですか?」
流石に仕事するゼン氏:「断固として違う」
PART3
Q:「仙人について」
アーク氏:「真なる勇者よりも珍しくて、一つの世界にいない事の方が多いくらい珍しい種族だよ」
コセルシア氏:「仙人に至るには、自然のエネルギーと一体化出来るようになる必要があります」
アーク氏:「近道は、自然の魔力が詰まった仙桃みたいなものを食べる事だね」
コセルシア氏:「ただし、それだけの力を秘めたものが育つには、莫大な自然エネルギーの収束が必要です。莫大な自然エネルギーは環境に力を与えるため過酷であり、エネルギーが収束する為に閉ざされた環境、そのような条件が揃うところに永い年月をかけ生えます。しかし自然とは拡散し平らになろうとするもの。過酷な環境ほど地形を破壊し平らになろうとしますので、エネルギーが収束するほど閉ざされた環境は通常維持されません。その為、生える環境の時点で非常に希少です」
アーク氏:「自然のエネルギーが幾らあっても、仙桃みたいな形に収束するとも限らないし、これも無い世界の方が多いよ。アマンスフィー世界群にも元々は存在しないみたいだね」
コセルシア氏:「その事も踏まえると、仙人へと至る難易度は魔王を討伐するよりも遥かに難しいでしょう」
アーク氏:「だけど、職業仙人にならもう少し難易度が下がるよ。このジョブは仙術を使う、もしくは使えるぐらいの自然の魔力に慣れたらジョブチェンジ出来るからね。この場合、一番の近道は先達の仙人に学ぶ事だよ。仙人なら、普通じゃ集まらない自然の魔力を集められるから、近くにいれば自然の魔力を感知できる能力も身に着け易いからね」
コセルシア氏:「職業として仙人に成れたのであれば、種族としてより簡単に仙人へと至る方法があります。仙人のレベルをカンストさせれば、それだけで真の仙人へと至る事が可能です」
Q:「職業について」
アーク氏:「一言で言えば型かな」
コセルシア氏:「その型に経験値を流し込む事で、最終的にその職業になると言うイメージですね」
アーク氏:「それこそ仙人であれば経験値を集めることで最終的に種族としても仙人になるよ」
Q:「職業を身に着けるには?」
アーク氏:「各種ギルドや神殿に行くと、ジョブチェンジの水晶っていうのを使わせてくれるらしいよ。スキルの獲得みたいに自動での転職は基本的にできなくて、道具か特殊技能が必要になるんだって」
コセルシア氏:「転職する職業の種類は適性のあるものしか選択出来ません。それぞれの職業毎に転職条件が存在します。身に着けられる職業は一人につき一つです。転職後、元の職業の効果は無くなる訳ではありませんが、レベルを上げる事が出来なくなります。例外は極少数です」
アーク氏:「異世界勇者の強い理由の一つは、複数の職業を同時に高めて早く成長する事が出来るからだよ。職業が一人一つなのは型に入れる経験値が、異なる職業だと違うから危ないから何だけど、異世界人の器は基本的に次元の壁を越えられるほど強靭だから問題無いんだよね」
コセルシア氏:「職業レベルの上げ易さはその職業への適性と幾つの職業を経験しているかで左右されます。同じ型でも中に何を入れるかで、作られるものが変わる様に、料理人を剣豪に変えるのと、剣士を剣豪に変えるのとでは全く違った量と質、種類のエネルギーが必要です。その為、基本的に同種の職、上位職へと転職してゆくのが王道と言われています。もしくは剣士の後に魔術士になったのなら、その後はその複合職である魔法剣士なるなど、良い組みせとそうでないものが存在します」
アーク氏:「ギルドとかでしか転職出来ないのは、職業が内側の湧いてくる力じゃなくて、外側にある型、つまりサービスだからだよ。
だから理論上やろうと思えば全く適性の無い職業にも転職出来るけど、その場合も料理人が剣豪になるが如く大量の経験値が必要になるから、ギルドでのシステムでは適性の無い職業を省いているんだ。
でも反対に本当に高い適性を持つ職業は幾らあっても問題ないから、つまり高い適性はその人の存在と殆ど変わらないから、ものによっては称号やスキルに仕組まれていて、もしくは加護経由の贈り物として第2ジョブが授けられる事もあるよ。ボッチ君の場合はこれだね。
勇者が勇者にジョブチェンジしたところで、適性とか必要なエネルギーが変わる訳じゃないから、不都合が無いんだよ。だからサービスで勝手に職業が付け足されるんだ」
Q:「ボッチの強さについて」
アーク氏:「少なくともただの勇者じゃなくてチートな勇者の域に既にいるよ。ここまで至った日数も含めて考えると、チートを与えても至れない天才の域だね。奇跡かな」
コセルシア氏:「仙人に至った事で寿命と言う制限が消え、これから成長する可能性も無限に秘めています」
アーク氏:「これからにも期待だね」
Q:「最後に一言」
アーク氏:「出来ればそろそろ多くの出逢いを求めて欲しいかな」
コセルシア氏:「まず普通に人里へ向かわない所から難有りです」
アーク氏:「何にしろ、応援しているよ。最後に月並みになるけど」
アーク氏&コセルシア氏:「願わくば、最高の君であらん事を」
新章は、年末年始を予定しています。
最後に、今章もお読みいただき、ありがとうございました。気が付けばPVも20万を越え、感無量です。次章もよろしくお願いいたします。




