第2章閑話登場人物紹介《侵入者》
『閑話 侵入者1』で名前の出て来た変人達の紹
介です。
20240512:題名を付け足しました。
《超越者》
・シュティファノ・フォン・エリメス
【照明公子】の二つ名で知られたとある世界の英雄。現在は偶像教の司祭、プロデューサーとして活動している。眩いが故に姿の見えない裏方。
元々は代々王族の側仕えをしているエリメス家の嫡男として王太子の補佐をしていた。
しかし、彼は優秀過ぎた。国一番どころか世界一とすら讃えられる容姿に宮廷魔術師長をも超える光属性魔法の腕前、加えて優れた頭脳。
彼は本物の天才であった。
故に全てが狂う。
彼が美し過ぎるが為に、王太子の婚約者を選ぶパーティーは成功せず、婚約者の居る者から果ては既婚者までもが彼に心を向け、国の行く末に関わる関係性に亀裂を加えてしまった。
軍部や冒険者の活躍も彼の魔術が披露されればそれに呑み込まれ忘れられ、隣国の魔術師や軍人の腕前までもが軽んじられる様になってしまった。
軍部や他国は彼の排除を試みる。
彼はそれを退けた。
しかし事件はそこで終わらない。
彼に心を寄せていた高貴な女性達が大激怒し、徹底的な調査及び事件に関わった全てを排除しようと動いた。
それは他国にいる者達も対象であり、瞬く間に同時多発的に武力衝突が発生し未曾有の大戦争に発展した。
責任を感じた彼は姿を隠し、得意の光属性魔法を駆使して彼の暗殺を企んでいた元凶達を暗殺した。
その中には彼の仕えていた王太子も含まれていた。
戦争はそれによって終結したが、戦争の原因となった事と仕えていた主を暗殺した事を悔い姿を消した。
そんな中で、アイドルと出会う。
アイドルは彼を特別扱いしなかった。いや、彼だけを特別扱いしなかった。
ファン達も彼に見向きもし無い。
初めてのことであった。
そうして偶像教にのめり込む様になる。
いつしか偶像教の司祭となった彼は、望まれた者を自分より遥かに輝く偶像へ育て上げようと決意し、現在に至る。
彼が主人公の英雄譚の題名は【ルーメンハイド〜輝ける天才は光を求める〜】である。
・ルノワール・ヴォン・ルソワール
【変態紳士】の二つ名で知られたとある世界の英雄。現在は露出教の司祭として活動している。蝶ネクタイ以外は何も身に纏っていない変態。
かつては怪盗紳士として名を馳せていた。
不正により富を築いた者からのみ宝を奪い、それを貧しき者に分け与えていた義賊。
暴君の王冠や王笏までも盗む事に成功した大泥棒であり、盗んだ心も数知れず。
変装の達人であり、医術も柔術も本職並みの腕前を持ち、あらゆる人物に成りすまし、盗みをはたらいていたが、ある時から偽物が続出。
様々な事件が発生し、無辜の民にまで被害が出るようになった。
そこで遂に彼は正体を明かして活動する様になる。
その正体は没落し家を奪われた元名門貴族の嫡男。
元々腐敗を成敗し、民を救おうと活動していた彼は堂々と腐敗権力者の財を奪うと宣言した。
悪人が強力な武器を持っていてはいけないとそれを盗み保管していた彼はそれを身に纏い、発見されても逃げ切れる怪盗となる。
何時しか忍び込む事もしなくなり、姿を現したまま宝を奪う義賊となった。
そしていつの間にか、堂々の度が極限まで高まり全裸になった。
そこまで到った経緯と思考回路は彼と露出教以外には理解出来ない謎である。
曰く、清廉潔白さを示し道標となる為だと言う。
全裸になって以降は瞬く間に露出教にスカウトされ意気投合、宝のみならず衣服の一切合財盗む正面突破系変態紳士となった。
彼が主人公の英雄譚の題名は【紳士と変態は紙一重〜正々堂々、清廉潔白、それ即ち全裸である〜】である。
・ラガラス
【最後に立つ】の二つ名で知られたとある世界の英雄。現在は平穏教の司祭として活動している。最後まで唯一人立っていた英雄。
とある世界の英雄。
強大な世界の脅威に立ち向かい続け、遂には勝利した大英雄。
しかし、世界の脅威に勝利した時、彼の他には誰も立っていなかった。
誰も、生き残って居なかった。
勝利するも世界を救う事は叶わなかった。
全てを失った彼は、せめてこの力を役立てようと、同じく滅びに向かう世界を救う旅に出た。
失うものの無い彼は捨て身も当然の激しい戦いを繰り広げ、また世界を滅ぼす脅威の討伐に成功した。
しかし、また間に合わなかった。
全ての敵を倒した後には、何も残っては居なかった。
それでも助けられるものが有ると信じ、旅を続けた。
だが、滅びに瀕した世界を周っていた事もあり、どの世界でも全てを倒した後には誰も生き残ってはいなかった。
最後に残るのは自分のみ。
それでも遂に、多くの脅威を倒し実力を高め続けた結果、一つの世界を救う事に成功する。
しかし、そこで事件が起きた。
救ってから間もなく、人類同士が争い世界が滅びたのだ。極限の戦いで培った強大な戦力のぶつかり合いは制御出来ずに全てを滅ぼした。
遂に彼は折れる。
滅びは運命だと、考えるようになった。
同時に、滅びが定められた運命だとしたら、そこに到るまでに通る道こそが大切なのでは無いか。
滅びるまでの間に幸福を築く事こそが重要だったのでは無いかと。
滅びが確かであるのなら、無謀な戦いに駆り立てる事は正しいのか。
それに命を、人生を捧げる事は正しいのか。
最後の時間を戦いでは無く、家族と、友との時間に使った方が良かったのではないか。
同時に、最後の戦いに挑んだ仲間達の姿を思い出し、負け、散ったとしてもそれは本当に不幸だったのかと思い悩んだ。
そして、平穏教と出会いニートになった。
今は安らかに眠る事、休む事を至上としている。
彼の辿り着いた答えは、その道筋は彼にしか分からない。
曰く、どんな絶望の中でも、どんなに厳つい戦士も、老若男女誰もが寝顔だけは穏やかであったから、平穏教の司祭になったらしい。
尚、フィーデルクス世界を含むアマンスフィー世界群を管理していたアルバシスよりも強大な力を持っている。
現在、アマンスフィー世界群に存在する全ての存在の中で最も強大な力を持つ。
ただ、純粋な元戦士なのでアルバシスの様な世界の管理等は出来ない。
彼が主人公の英雄譚の題名は【最強大英雄は世界を救わない〜世界の終わりに一人だけ残った大英雄は、世界ではなく人を救いたい〜】である。
長々と書きましたが、本作においてはただの変人達です。多分、大して触れないからここで書いておこうと言うスタンスでお送りしています。
次話も登場人物紹介です。




