74終.刀を使いし天才は、最強の冒険者へ一歩近づいた
「ああ、今ので終わったのか」
決闘が終わり、俺はフィールドの中央で呆然と立ち尽くしていた。
それは決闘がはじまってかなりの時間が経っていたときのことだ。
対戦相手であるカロナやハルゴたちも冒険者としてメキメキと成長していたし、それ以外のみんなも非常に強くなっていた。
天才の俺であれど、それほどに強力な9人を1人で相手しきることは無理だった。
9人の対戦相手を前に、俺は苦戦を強いられた。
そこで俺は本気をださねばならなくなった。
魔力制御を自分が扱える限界であるAランクまで引き上げることにした。
刀にAランクの魔力を付与した。
すると、凄まじいエネルギーに満ちた魔素が、刀を覆い、刀が虹色のオーラを帯びはじめた。
威嚇として一振りしよう、そう思った俺はAランクの魔力が付与された魔法刀による斬撃を放ってみた。
人類最強級のAランクの魔力によって、最強のスキルである斬撃を放つのだから、それが強すぎるのは当然だった。
……その結果。
たったの一振り、たったの一振りの斬撃で、9人の勇者の頭上に映るHPバーを、あえなく0にしてしまった。
9人の中でも特に厄介そうなキエさんやスペードル先輩でさえ、俺の攻撃を避けることはできず、魔力の斬撃に飲み込まれ、一瞬にして敗北を喫した。
「俺は勝ったんだ……」
かくして俺は、決闘に勝利した。
それと同時に、俺がアルメナ王国最強の冒険者になったということが証明された。
そうして現在に至っている。
「俺、こんなにも強くなったのだな」
新入生歓迎戦のあと、《ウェルトラ》での素材調達からはじまり《研究発表会》の資金調達まで、俺は更なる高見を目指すために、魔法刀を作るという目標を立て、自分なりにコツコツコツコツと努力してきた。
どうやらその甲斐があったようだ。
魔法刀、作ってよかったよ。
Sランクの魔力を頼らずとも、自分の努力の末に手にいれたこの魔法刀によって勝利を掴めた。
それが俺にとって喜ばしいことであった。
嬉しさのあまり未だに実感がなく呆然としているが、これが揺るぎない事実であるのだ。
「ありがとう、刀……」
俺は刀を突き上げて、そう呟く。
刀、それは俺の考えた最強のユニーク武器。
この武器とともに、俺は最強の冒険者へ一歩近づいた。
その事実を噛み締めた俺は微かな笑みを残し、演習場を静かに去ってゆくのだった。
~あとがき~
これにて2.5章の終了です。
まだまだ回収しきれていない伏線も多々あり申し訳ないのですが、モチベーションを保てなくなったため、ここで一旦完結とさせていただきます。
もしここまで付き合ってくださった方がおられましたら、とても有りがたく存じます。
後章でやる予定だったことについて、下に超簡単なプロットとしてネタバレしておきます。
ありがとうございました。
ネタバレ注意。
・1章 入学編
主人公の名前はメナ=ソウド。(ソウドはソードに由来)
主人公は刀という武器を世界でただ一人思い付いている。
主人公は魔王に匹敵するSランクの魔力をもっている。
序盤は刀をさりげなく自慢しまくる。
決闘などを通して実力を認められ、新歓戦に出るように言われる。
新歓戦で強敵相手に、封印していたSランクの魔法を放つ。
・2章 魔法刀製作編
部活的なものをつくり、仲間とともに学園生活をすごす。
魔法刀素材の調達のためにクエストを受ける。
クエストの中で魔王軍の幹部と知り合う。
クエスト達成、素材をゲット。
クエストから帰り、次は魔法刀製作のための資金稼ぎとして今度は研究発表会にでる。
優勝賞金をゲットし、魔法刀製作の準備が整う。
魔法刀をつくる。
今まで知り合った仲間全員を相手にし、勝利する。
こうして学園最強の冒険者になるという一つの目標が達成される。(←現在ここまで)
・3章 テストと夏休み(と恋愛 未定)編
最強の冒険者になったのだが、その自分の天才さに悩む。もしや前世があるのでは?的な。
バイトしながらそのことを相談する。
バイトし過ぎて期末テストでやらかす。(学生の本分は勉強じゃなくてアルバイトとか言って調子に乗る。社畜自慢)
補習後、貯まった金で新居を買う。
夏休みに突入、色々満喫する。
(この後話が動き出すので、ここらで人物の掘り下げイベントを起こしておきたい。恋愛的な?)
・4章 勇者と前世の記憶編
この辺から本筋にはいる。
夏休み明け、勇者(性別は女)が転校してくる。
勇者と戦う。勇者も斬撃を活かした技を使う。
自分の武器を刀と呼んでいるのを勇者に知られ、お前は私と同じ日本生まれの転生者では?と問い詰められる。
しかし、記憶がないので、それを思い出すために、東の国ニチホンを訪れる。
前世の記憶を思い出す。
日本生まれの冴えない男子だったということが発覚する。(←刀を思い付いている、維新の党、ヒロインを見て「侍」の言葉がでてくる、ポテチ……などが伏線)
加えて、この世界を救うために、異世界転生したことを思い出す。(特異な勇者)
魔王を倒しにいくために国軍加入を決意する。
・5章 国軍と魔界編
この辺からシリアスになりそうだけど、極力楽しい感じに書く。
国軍の生活。スパルタすぎるやろ。
国軍と一悶着、仲直り。
魔界に出発、戦力強化ためにこのタイミングで刀の技術を布教する。
魔界で戦う。
魔王軍の幹部と対峙する。
魔王(当然女性です)に会う。
現魔王ミルリネ=ブレイドが生き別れの姉だと知る。(先代の魔王が母)ソウドとブレイドは対応する名字。ソード、ブレード。
異世界転生先が実は元魔王の息子だったということに気づく。(←Sランクの魔力を生まれつき持っている……などが伏線)
実は王国側が特異な勇者を使って世界を征服しようとしてたことがわかる。
それを阻止すべく、本当の意味で世界を救うべく、魔界の新魔王になる。
・最終章 vsアルメナ王国編
王国へ仲裁にいく。
しかし理事長の能力によって洗脳される。
戦争勃発。
なんだかんだあって理事長倒す。(もちろんとどめは刀)
世界に平和が訪れる。
ヒロインたちと結婚する。
めでたしめでたし。
※これらはあくまでも予定なので、一変二変することもあるも思います。




