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Sランク魔力持ちの天才冒険者、刀というユニーク武器とともに学園最強を目指す   作者: メナ=ソウド
第2章 魔法刀製作:西の町ウェルトラ編
32/74

32.研究党を設立した

バグが出たので念のためもう一度投稿しなおしました。

 翌日の放課後、1年H組の教室にて。

王様の助言よって研究党の設立を決意した俺はハルゴとカロナとシホを呼び出し、その旨の提案をした。

俺は研究党設立のための専用の用紙を見せながら3人に説明する。


「みんなに集まってもらったのは他でもない。一緒に研究党を立ち上げたいと思うんだ!」


「ほ、ホントにいー、メナっち!?」

「ええ……!?」

「ええええ!?」


案の序3人は驚いている。

まあそうだよな。

友達がいきなり研究党を作りたいなんて申したらビックリするよね。

でも魔法刀を作るのには必要なプロセスなのだ。


「どうしてなの、メナっち?」

「どうしてメナ君?」

「僕も気になる」


「そのー、もっと強くなりたいと思わないか? ……ゲフン、諸君らは更なる高みを目指したいとは思わないのか?」


俺はどや顔で問い返す。


「私は賛成よ。カロナちゃんのお姉さんに負けたばかりだからね。フォーカードとしてもっと強くなりたい! ということでよろしくメナっちー」


にこやかや笑顔で賛成したシホは俺に抱きつく。

なんというか、この女子はとてもフレンドリーだな。


「ちょ、ちょっとシホさん何やってるのよ、ハレンチよ! メナ君から離れなさい!」


それを鬼の形相でとめるカロナ。

かなり取り乱してらっしゃる。

シホとカロナはお互いいがみ合っている。

二人は初対面のはずなのにさっきからこんな感じだ。

この二人は表面上、仲が悪いようだ。


「え~? このくらい良いじゃん、カロナっち」

「ダメよ、校内では多少は慎みなさい、シホさん」

「ブ~ブ~」

「ふ、二人とも……お、落ち着いて」


はあ、研究党の話以前にこの二人の修羅場感がやっかいだ。

話があさっての方向に行ってしまう。


なんかハルゴも困惑しているようだ。

ダメだ、ハルゴじゃ仲介には荷が重過ぎるか。

なんだか俺たち男性陣の肩身が狭いような気がする。

先が思いやられるぜ、トホホ。


本当はクロも誘いたかったのだが、彼はすでに別の研究党に加入しているから誘えなかったし。

ちくしょう、やつのイケメンオーラならこの状況をなんとかできたかもしれないのに。


俺はこの面倒な状況に半ばあきれつつ声をかけた。


「あのー、そろそろ本題に戻ってもいいか?」


「うんアタシは全然オーケーだよ」

「わ、私も」


とっくみ合ってたカロナとシホだったが、すぐに聞く姿勢にシフトチェンジする。


「よし、じゃあ続けようか。シホからオーケーはもらったが、カロナとハルゴはどうだ?」


「私は全然大丈夫!」

「僕も」


残りの二人もオーケーみたいだ。

これで3人ともの許可を得た。


「よし、じゃあ作ろうぜ、研究党!」

「「「おお!」」」


俺たちは手を合わせた。


というわけでさっそく行動にうつす。

研究党を立ち上げるのに必要な手続きをしよう。

俺は話を続けた。


「早速だけどみんなに頼みたい仕事がある。まずはカロナとハルゴだ」


「はい」

「僕か……」


「二人にはこれからスウィンガ先生を探してきて欲しいんだ。先生に顧問を任せようと思ってな。H組の君たちなら話を通しやすいだろう。もし先生が承知してくれたらこの教室まで連れてきて欲しい。いいかい?」


「任せて!」

「承知」


ハルゴとカロナは敬礼で答える。


「サンキュ。じゃあ次にシホだな。君にはここで俺と一緒にここで研究党の名前を考えて欲しい。どうだ?」

「やったー、オーケーだよ、メナっち」


3人とも俺の要求をのんでくれたようだ。

こころなしかシホがカロナに対してどや顔をかましているようにもみえるが、気のせいだろう。

そしてカロナが悔しそうにしているようにみえるが、それも気のせいだろう。


“パンパン”


「じゃあ任務開始!」


俺が手を叩くと、ハルゴとカロナは教室を出て行った。

廊下を走ることが響いた。

先生に注意されないことを祈っておこう。



 さて、俺たちもやることをやらねば。

教室に残った俺とシホはイスに座り、党の名前を考える。

そして二人がいなくなった途端、隣に座るシホは無駄に体を寄せてきた。


シホはやたらと太ももや二の腕を柔らかい両手ねボディタッチをし、俺の動揺を誘う。

だが俺は気合いで平静を保ちつつ、その両手を払いのける。


「あのー、名前考えるだけだぞ。誰もくっつけなどと言っていないのだが。そういうのはもっと手順をだな……」

「ごめんね、ちょっと教室寒いから」


あ。

どうやら俺の勘違いだったようだ。

この子はただ寒いから寄ってきただけだ。

てっきりハレンチな理由で擦り寄ってきたのかと思ってしまった。

早とちりしてしまった自分が恥ずかしい。


「な、なるほど、そういうことか。なんか勝手に勘違いしてすまなかった。そうだよな、教室に誰も残っていないから寒いよね。とくに今日は寒波がきついし、春なのに」


「そうだよね。くっつかないと寒いよ」

「そうだな」


俺はドキドキしながら彼女の体を預かった。

彼女の肌の感触と(ほの)かな香りが五感に届くと、よりいっそう緊張感が増してゆく。

だがそのようなものにうつつを抜かしている場合ではない。

密着状態で体を温めつつ俺たちは党の名前を考える。


「よし、というわけで名前考えるぞ」

「おお」


シホは元気よく手を上げた。


「で、どんな名前にするの? 何か候補は、メナっち?」

「うん、3つくらいある。己を新しく改革していくという意味の【維新の党】。そしてカタカナでそれっぽい感じの【ソウドプロジェクト】、これはちょっと恥ずかしいかな。で、最後が高み、つまり勇者を目指すという意味で【勇者党(ゆうしゃとう)】。この3つだ」


「この3つから選べばいいのね」

「ああ。別にこれ以外でも良いけどな」


俺たちは頭をひねって党名を考えた。


    ・

    ・

    ・


 約30分後、党名が決まった。

名前は【勇者党】に決定した。


ふう。

その間いろいろ考えさせられたものだ。

2番目の候補である【ソウドプロジェクト】は速攻で候補から落ちたが、維新の党と勇者党のどちらかでずいぶんと悩まされた。

なぜか【維新の党】という名前に親しみを覚えていた俺はなかなかこの候補を捨てられずに居た。

だが、シホが勇者の方がカッコいいと申してきた。

長い論議の末しかたなく俺が折れ、これから俺たちの研究党の名前は【勇者党】という名前になった。


そんなわけで俺は研究党設立申請書の党名の欄に勇者党と一筆した。



 そしてその名前が決まると同時に教室の扉がガラッと開く。

ハルゴとカロナがスウィンガ先生を連れてやってきたようだ。

先生を探すのに寒い中校内を走り回ったのか、二人とも疲れきっている。

二人から白い吐息が漏れている。


「ありがとう、二人とも」


俺は一礼し、二人に感謝する。


「はあ……はあ……メナ君、戻ってきたよ」

「任務……完了……ふう」


「話は二人から聞いたぜ、ソウド君。このスウィンガ=クロム先生が研究党の顧問になってやろうじゃないか」


先生は親指を立てて快諾の意思を示してくれる。

先生はすごくノリノリでいる。

ありがたい。


「ありがとうございます。スウィンガ先生。ではこちらの記入欄に先生のサインをください」

「オーケー、承知した」


“カキカキ”


先生はペンを握ると達筆で用紙に名前を書いた。


「よし、これで大丈夫だな。設立目的とか活動内容などの他の記入事項にもミスはないようだしな。あとはこれを生徒会長さんに届けてれば設立完了だよ。そのときに党の部屋も支給されるから楽しみにしてるんだな」


「了解です。では出しにいってきます。みんな、行こうか!」

「「おお」」


このあとセイラさんに用紙を提出し厳戒な審査に通ると、党の設立が完了した。

こうして俺たちは研究党を発足させた。

専用の部屋ももらい、みんなはますます今後の学園生活にやる気をだした。



2話の展開を若干変えました。

作品の大筋には影響ないので気にせずに頂けたら嬉しいです。

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