顔合わせ?
久々の更新です。
待ってくれてた人いらっしゃったらおまたせしました!
玖実はあたたかい、と感じた。
(森の中に入って…?どうしたんだっけ)
ピリリとした痛みに顔をしかめながら玖実は閉じていた目蓋を開いた。
「‥…だれ?」
まず目に入ったのは自分を支える丸太のような太い腕。
次にまとっている布の上からでもわかる逞しい体躯。
ゆっくりと視線をあげていくと自分を見つめる優しい目。
(きれいな目だなあ)
しばらくぽけっとしたままそのきれいな赤色を見つめる。赤鬼としては、起きた女の子がだまって見つめてくるので動くこともできずこちらも見つめ返す。
そのうちに、変な所でも打ったのかと心配になり、体調はどうかと聞こうとした矢先に、ぽつりと女の子が言った。
「おじちゃんの目、きれいな赤色だね。」
「おじちゃんではない。」
思わず返してしまった言葉にはっとして、俺が言いたいのはこんな言葉じゃなくて、と言葉を紡ごうとした矢先にまた女の子が尋ねる
「じゃあお名前教えて?」
「俺は、…」
名乗ろうとした時にふと昔の風習を思い出したが、まあいいかと思い続けて名乗る。
「紅だ。」
「こう?…じゃあこーちゃんね!」
「なにがじゃあなのか分からないが、お前体は大丈夫か?どこか痛いところはないか?」
「お前じゃないもん!!玖実だよ!!ちょっと頭が痛いけど大丈夫です!」
「くみか。そうか、ならいい。そろそろ家に帰らなきゃじゃないのか」
もう夕焼け時だぞと紅は空を見る。玖実もそれにならって空を見上げた。
空はきれいな茜色に染まり、木々の間から見える家々に明かりが灯り始めているのが見えた。
「お母さんに怒られる…!」
「だろうな。送っていってやるからしっかりつかまってろ。」
そういうと紅は肩にひょいと玖実を乗せる。スッと座ってた枝の上に立つと、玖実がぎゅっとしがみつく。それに目元を緩ませると落とさないようにしっかり押さえ、枝を蹴る。
ひゅるひゅると耳元で風が歌うのをききながら、玖実は自分を抱える男の頭にしがみつく。ふと、硬いものが指に触れる。
「…む?」
つるつるとした硬い突起状の物。それは、お父さんたちがよく言っている、ある者たちの特徴…
「ねえ!こーちゃんって鬼さん!?」
風に負けじと大きな声で尋ねる。紅は暴れて落ちないようにと掴む力を強めた。
「そうだ!鬼は怖いか?」
「玖実ね!!鬼さんって怖い人たちだと思ってたの!!でもこーちゃんは怖くないよ!!!」
「っそうか!!あと少しだからちゃんと掴まってろよ!!」
「うん!」
紅はゆるむ口元を必死に引き締めながら集落への道を急いだ。
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