表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

現実のチュートリアルはこんなものその2

やっとこさの自己紹介!!


「まず、俺たちについて説明していく前に自己紹介していくか~」

もう何回目かわからないウィンクかました川田のにぃちゃん。そのウィンクに促されたトンカチのおっちゃんから自己紹介は始まった。

「俺の名前は柏木隆志<かしわぎたかし>出身は宮崎、仕事は建築関係だ。こっちに掻っ攫われたのは36の時だから俺は12年目ってとこだな」

トンカチのおっちゃん…柏木さんって言うんだ。やべ、すでにトンカチのおっちゃんって頭の中で呼んでたから俺の中で定着しかけてる。他の人たちも適当に頭の中で呼んでたからなぁ…名前覚えるの苦手なんだよ、学校でクラス替えの時とか顔と名前一致させるのに結構かかって夏休み寸前までいったんだよな。京介が同じクラスの時は京介が傍であれは誰でこっちは誰でって教えてくれたからよかったんだが三年のクラス替えの時京介が別クラスになって結構本気でへこんだのは内緒だ。ま、クラスの半分は一度同じクラスになったことのあるやつらだったから残り半分覚えるだけっだったしなんとかなったけどな。高校は…あっはっはっはっは。

「なに引きつった顔で笑ってるんだ?俺はさっき名前だけ教えたけど、改めて。名前は川田浩二。出身は大阪で職業は消防のレスキュー隊員な。で、おれは22の時にやられて、こっちで5年目の27歳」

川田のにぃちゃん消防の人だったんだ。へ~チャライ感じなのに仕事は真面目な感じだったんだな。人は見かけによらないってことか?あ、でもロープの扱いはすごかったな。もう少しで川田のにぃちゃんの尻の下敷きになるかと思ったけどあれワザとだったみたいだし。

「はい、次ね~」

川田のにぃちゃんの指定で次は川田のにぃちゃんの正面に座ってた素手のねぇちゃん。

「わ・た・し・は高井明子。大学2年の時に攫われて8年目。計算すんじゃないわよ。」

『わたし』のとこにアクセント付けて言うのは女性だってのを強調する為ですね、わかりました。あと最後のとこ声低くしないで、本気で怖い!

するとポンポンと頭を撫でられた。

「おいおい、子供を脅すな。」

眼鏡サラリーマンだ。やっぱり脅しととってよかったんですね今の。

「俺は岡島賢悟<おかじまけんご>。32の時にこちらに攫われて、7年目になる。職業は弁護士だ」

眼鏡サラリーマン岡島さんって言うのね、ってか弁護士!すっげ~初めて生で見た賢い人。弁護士なんて普通の生活している中学生には出会うことない職業の人だよね。

「私は佐々木サワ<ささきさわ>23歳で攫われて46年目になるわね」

------はい?なんか今とんでもない数字出てきませんでしたかね?えっと?23でこっち?に来て46年ってことは足しで69…

「赤ちゃんちゃんこ過ぎてる?!!」

驚きすぎて椅子蹴倒して立ち上がった。椅子が倒れてすごい大きな落としたのにそれを上回るほどの声で皆に笑われている。

「ひっひぃっ!赤!赤ちゃんちゃんこって!」

素手の高井さん机につっくぷして腹抱えて笑ってる。

「もっ、もう無理!誰か、と、とめっ!」

川田のにぃちゃん椅子にすら座れなくなる程ですか…床に蹲るほどですか。

「だっはっはっはっはっはっは!ごくごくごく。はっはっはっはっは」

トンカチ柏木のおっちゃん笑うか飲むかどっちかにして。いろんなものか飛んでるよ。

「--------っ!!」

もう隣の眼鏡弁護士岡島さんは声も出ないらしい。

「…大丈夫、ちゃんと着たわよ?」

瞬時に静かになる。え?着たの?いやってかそれよりももっと大事なことが…

「意外と似合ってたなサワさん、あっはっはっはっは」

柏木のおっちゃんが相槌打ちながらごくごくと美味しそうに食後に出された飲み物そっちのけで泡の出てる飲み物を未だに飲んでる。この酔っ払い!

「着たんだ…」

「まじで?」

「・・・・・・」

あ、皆知らなかったんだ…

「って、そうじゃなくて!ってなにがそうじゃないかはよくわかんないけど、いやだから、佐々木さん?」

もう頭大混乱!!

「サワでいいわ」

「じゃ、サワさん。ぜんぜん60過ぎじゃないですよ?」

そうなんだ、どんなに年上に見ようとしても…

「頑張っても20代後半ぐらいにしか見えません!!」

そう、そうなんだよ。サワさんもそうだけど柏木のおっちゃんもそんなに歳いってるように見えない。むしろ若い。

―――――ヒュン

急に右耳から音が聞こえた。なんか右ほほが冷たい…

「うわ!サワ姉ちょっとタンマ!」

素手の高井ねぇちゃんが声を上げる。ギギギって音が鳴るように首から右に顔を向けると後ろの壁に氷の矢のようなものが刺さっていた。

再びギギギって顔をサワさんへと向けると、そこには先ほどからと変わらないふんわりとした雰囲気のサワさんが居る。いや、先ほどとほとんど変わらない表情なのに、雰囲気がふんわりじゃなくなっている?!

「…少し教育」

「ごっ!ごめんなさい!!」

間髪居れず俺は謝った。土下座できるスペースあればスライング土下座する勢いで謝った。

「20代前半だから…」

そこですか、サワさん…い、いえ、文句ないです!だからその指の先に浮いてる氷の矢みたいなのしまって!!


あいかわらずのグダグダ。 


名前を覚えられず最後まで会話を続け、居なくなってから「あれって誰やったっけ?」と言ったのは私です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ