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素子
朝の高校。素子がいない。
「風邪だってさ」
誰かが言った。
放課後、帰り道に、女子高生が道の横にいて、誰かを待っていた。
素子だった。
しばらく歩いて、ベンチ。
「私、両方の記憶をもってる」
素子がつぶやいた。
「あなたっていい加減ね。両方の私にいい顔して…」
素子が微笑んだ。
「…でも、好き」
俺たちはキスした。
「ねえ?」
「何?」
「私、バラバラ日替わりの方がいい?それともこの方がいい?」
俺は黙っていた。
「フフフ、じゃあ、私が決めるね。明日、楽しみにしてて…」
素子が微笑んだ。




