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彼女を失う?
俺は、真っ暗な部屋で、ベッドに横になって考えていた。
明日はまた、向こうの世界の素子がやってくる。
どうしたらいいんだ?
このまま二人と関係を続けていくのか?
そもそも、俺は一体どっちの世界の素子が好きなんだろう?
俺の頭に恐ろしい考えが浮かんだ。
それに…、この素子の世界の入れ替わりがいつまで続くかもわからないんだ。
本当に好きな方があっちの世界に行ってしまったきりになったらどうする?
次の日。
俺は向こうの世界の素子を必死に抱きしめた。
…君を失うのが怖い。
…私も
君が…好きだ!
素子が思わず聞いた。
…こっちの世界の彼女より?
俺は答えた。
…ああ。
次の日。
こっちの世界の素子が口を開いた。
「ねえねえ」
「…どうしたの?」
「私のこと、嫌い?」
「どうしてそんなこと聞くんだい?」
素子が伏し目がちに答えた。
「私、向こうのあなたより、こっちのあなたが好き!」
俺たちは抱きしめあった。
素子が小さな声で言った。
「キスして…」
俺たちは唇を寄せた。




