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洋子とキス
放課後。
あらためて、洋子って美人だなと思った。
「どうしたの?」
俺が見つめているのに気がついて、洋子がつぶやいた。
「キレイだから」
「当たり前でしょ。そういうふうに作ったんだから」
俺はふと思い出した。
「ところで、涼子ってどうなったんだ?」
洋子ができたあとに出てきた洋子の人格。
「それがわからないの。消えたはずないんだけど、どこにもいないのよね」
「ところで、素子は洋子でいるのと、素子でいるのと、どっちがいいんだ?」
「洋子はキレイだから気分がいいけど、もとの私は素子だから、やっぱり素子かな?」
「戻る気はないのかい?」
「もういいわよ。面倒くさいから」
洋子がこっちを見た。
「それよりキスしよ」
俺たちはキスした。




