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洋子と俺
朝、素子がいない。
洋子が近づいてきた。
「話があるの…」
放課後のベンチ。
「素子、私を消そうとしたの」
「昨日、そう言ってた」
私を呼び出して、素子は言ったわ。
『お前を消してやる!』
でも私は消えなかった。
私は霞みたいになりかけた。本当に消えてしまうかと思ったわ。
でもその時、素子に乗り移ったの。私は気を失った。
気がついて、鏡を見たら、私、洋子だった。素子はどこにもいなかった。
「…それが昨日起こったこと」
「素子は消えたのか?」
「そう」
洋子は俺にキスした。
「もう素子のこと気にせず、私と付き合える。ねえ、キスして…」
俺は素子のことが気がかりだった。だが、洋子を見ていると、いつにも増して魅力的だった。
俺は吸い込まれるように洋子とキスした。




