空のひとみ:番外編 時雨と虹の出会い
「・・・では、委員・係はこのようになります」
はっとして目覚めるといつのまにか黒板には
たくさんの名前とともに残酷な現実が記されていた。
「これで決定してもいいですかー?」
『はぁーい!!!』
動物嫌いな俺が飼育委員だなんて。
「あら、おはよう遠山くん(居眠りしてるお前が悪い)」
中の悪い幼馴染はご自慢のスマイルで
訳分かんねぇことほざいてんし
(俺が動物嫌いだって知ってるくせに)
「飼育でいいよね?(だって余ったんだもん)」
「・・・・・」
「聞いたよ。遠山くんって動物好きなんでしょ?」
(アイツが喋ったな、嘘を)
「動物に優しいなんて、やっぱりかっこいいー!」
(元々俺はかっこいいし)
「流石よね」
俺動物嫌いなんだけど
触ることも出来ないんだけど
クラスの美人トップ2,3,4に言われたら
いまさら言えねぇじゃんか、こんなこと
「あぁ!俺動物大好きなんだ!!!」←ヤケ
『キャーッ!!』
「あ、いたいた。遠山くん、オレ綾雨っていいます」
「?」
「飼育委員で同じの」
「ああ、よろしく」
「よろしく。ほんっと動物っていいよね、ふわふわで可愛くってさ」
(あー、早く地球終わんねぇかな。コイツ犬っぽいし)
「ね、今から飼育小屋に行かない?」
「わあ、可愛いぃ~」
「・・・」
「ねえ、遠山くん。もしかしてウサギ苦手?」
「・・・動物全般」
「動物全般?」
「正直綾雨も犬っぽいからあんまし近よれねぇ」
その証拠に半径一メートルに見えない壁があった。
「ふーん、オレが犬っぽいなら・・・」
「!!」
「オレで動物嫌い克服してよ、・・・な?」
「綾雨・・・」
俺が一方的に嫌ってんのにいい奴。
「でも、仕事はしっかりやれよなっ!流石に一人はムリ!!」
「・・・・・」
「けっこう大変なんだかんな、動物の世話って意外に」
「・・・おうっ!」
その一ヵ月後
遠山時雨は綾雨虹の協力の下
犬好きとなる。というより虹好き。