もしもお兄様が生きておられたら
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「私たちの婚約は恐らく解消されると思うわ」
私は婚約者のフィーロに告げた。
レアンドル伯爵家の一人娘である私シャローナは、栗色の髪に深緑の瞳の特に美人ではないが王立学園入学以来学年トップの成績を保持している才女。婿入り予定の婚約者フィーロはクレメント侯爵家の三男で、ハニーブロンドにサファイアブルーの瞳の美男子、私と並ぶと不釣り合いだと夜会に出席するたびに陰口を叩かれるが、彼に愛されていると知っているから気にしていなかった。
半年後の学園卒業と同時に婚姻の運びとなる予定で準備も進めている。しかし、今、その婚約が解消の危機に瀕している。
「そんなの、受け入れられる訳がないだろ!」
「でも私が跡継ぎから外されれば婿入りはなくなる、あなたは三男で継ぐ爵位がないのよ、だから私なんかに拘らず、早く他を捜したほうがあなたの為よ。大丈夫、フィーロはモテるんだから」
それ以上は言葉が続かなかった、目頭が熱くなり、口を動かすと涙が溢れそうだったから。フィーロはここが学園内の裏庭であることを忘れて私を抱き寄せた。人が来ない場所を選んだとは言え、誰に見られるかわからないのに。
「やはりあの時に見た男児はレアンドル伯爵の子供だったんだな」
「ええ、あっさり認めたわ、そして正式に養子に迎えて伯爵家を継がせるつもりだと言っていたわ」
「今更勝手なことを!」
「ごめんなさい」
「君が謝ることじゃないだろ」
「でも、あなたの三年を無駄にしてしまったわ、私なんかと婚約したばかりに」
「婚約は親同士が決めたもの、父上が知れば激怒するだろうな」
「クレメント侯爵家の怒りを買っても息子に跡を継がせたいのよ」
「あの子は十歳くらいだっただろ、俺たちの縁談が持ち上がった時になぜ言わなかったんだ」
私たちは二日前に、父であるウォーレン・レアンドル伯爵と愛人、その間に生まれた男児の存在を知った。
二日前、私とフィーロは王都の端にある宿場町で開催されている花市に出かけた。久しぶりの遠出に私は胸躍らせていた、遠出と言っても馬車で二時間の場所だったが、フィーロと一緒ならどこでも楽しい。それに煩い母親から逃れられる一日だったから。
母レアンドル伯爵夫人のエミリーナは、一人娘の私に異常なほど厳しかった。
『この国では爵位を継げるのは男性だけです、いずれあなたの夫が婿養子としてレアンドル伯爵になるでしょう。でも伯爵家の血はあなたに流れているのですから、主導権はあなたが握るのです、その為には優秀な成績を修めて卒業しなければなりません』
学園での好成績を要求すると共に、領地経営や伯爵家の事業を学ばせた。
母の口癖は、『あの子さえ生きていてくれれば』だった。
私には、私が生まれる前に生後三カ月で亡くなった兄がいた。母は初めての子供を失い打ちひしがれた。そして、その二年後に産まれた第二子が女児だったことに失望した。先代の伯爵夫人から、『跡取りを産めない役立たず』と責められ、ずいぶん辛い思いをしたらしい。
それ故に母は言う、『亡くした男の子が生きてさえいれば役立たずと言われずに済んだ、シャローナが男であったなら無能扱いされなかった』と、自分が責められた鬱憤を私にぶつけた。そして男児を産めなかった役立たずの嫁ではなく、優秀な女児を産み育てた優れた嫁と言われたい為に私を厳しく教育した。先代が亡くなってもそれは続いた。そんなの私のせいじゃないのにとばっちりよ! 母も、そして追い詰めた祖母も大嫌いだった。
だから邸にいるのが嫌だった。一分でも一秒でも母親のいる邸から離れたかった。それを知るフィーロは頻繁に私を誘い出してくれた。
そうして訪れた花市で偶然、こんな場所にいるはずのない父を見かけた。
父のウォーレン・レアンドル伯爵と愛人、恐らく二人の間に生まれた十歳くらいの息子、三人は仲睦まじく幸せそうだった。あんなに穏やかな笑顔を私は向けられた記憶がなかった。私が知らない、父親のもう一つの家族だった。
向こうは私たちに気付かなかったが、それを見た私は繋いでいたフィーロの手をギュッと握った。ショックのあまり言葉が出なかった。縋るようにフィーロを見上げると、彼は私以上に衝撃を受けているようで、茫然とした表情で青ざめていた。
「やっぱりこうなることを予想していたのね、だからあの時、私以上にショックを受けていたのね」
「そうさ、あれがレアンドル伯爵のもう一つの家族だとわかった瞬間、きっと本物の家族を捨てるつもりだと思った」
「卒業する前で良かったわ、今なら文官試験に間に合うから、追い出されても大丈夫なように準備するわ。お母様は実家に戻るでしょうけど、ついていく気はないもの、私は一人で生きていく」
そう、私は物心ついた頃から一人だったようなもの、この三年はフィーロに夢を見せてもらっただけ、元に戻るだけなんだから平気よ。
「なに言ってるんだ、俺がいるだろ」
「ダメよ、あなたは新たな婿入り先を見つけなきゃ、私は大丈夫だから」
父を見かけた翌日、私は父と話をした。
せめて私が卒業するまで母に離縁を言い渡すのは待ってほしい。上級文官の試験に受かり、王宮で働くつもりだと言う私の希望を父は受け入れてくれた。父は私が伯爵家を継ぐことに執着していないことが意外だったようだ。
「それはお母様の希望です、男児を産めなかった役立たずの嫁ではなく、優秀な女児を産み育てた優れた嫁と言われたい為に私を利用しているだけ、お母様があんなふうになったのは、お祖母様にずいぶん酷いことを言われて虐められたせいですよね。それはお父様にも責任があるのではないのですか?」
「そうだな、母上は昔気質の方だったからな、私も跡継ぎはまだかとずいぶん言われた。私が逃げ出したせいでエミリーナを追い詰めてしまったのはわかっているが、これ以上、彼女とは一緒にいられない、私だって平穏な幸せが欲しいんだよ」
勝手な男だと思った。これが自分の父親だとは思いたくなかった。だからこそ、自立してこの家を出ようと思っていた。
あと半年の辛抱だ。
しかし、そうはいかなかった。
あの時、大事な話を学園でしてしまったのは迂闊だった。裏庭だから誰もいないと思っていたのは不注意以外のなにものでもない。聞いていた者がいたのだろう。三日後には、フィーロと私の婚約が解消されたことになっており、フィーロの周囲に令嬢が群がった。
その話は学園内だけではとどまらない。
すぐに社交界へ飛び火する。美男で有名なクレメント侯爵家の三男がフリーになったのだから放っては置かれない。領地は豊かで所有している商会の運営も順調で超裕福なクレメント侯爵家と縁を繋ぎたい家は多いだろう。クレメント侯爵夫妻の耳に入るのも時間の問題、と心配していた矢先、母の耳にも入ってしまったようだ。
その日、母は憤怒の形相で顔を真っ赤にしてお茶会から帰ってきた。
「どういうことなの! あなたとフィーロ様の婚約が解消されると噂になっているのだけど」
食堂にいた私を怒鳴りつけた。
「あの人が愛人に産ませた息子を正式に跡継ぎとしてこの家に迎えると言う噂だけど、あなたは知っているの?! 他人から聞かされるなんて屈辱だわ、愛人との間に生まれた庶子に家を乗っ取られると、バカにされたのよ!」
社交界は足の引っ張り合い、特に普段から他人を見下している母のような人は、付け入る隙を見せればここぞとばかりに攻撃される。
「それは、私のせいなのですか?」
「あなたが優秀なら庶子に家を継がせようなんて考えないでしょ」
「私が女だからでしょ、お父様は息子に継がせたいのでしょ」
パシッ!! 激痛が走る。
平手が飛んだのだ。
なんで私が叩かれなければならないのよ!
「あの人に愛人がいるのは知っていたわよ、でも、まさか平民が産んだ子供を由緒正しいレアンドル伯爵家に入れようと考えるなんて思ってもなかったわ。あなたさえ跡継ぎに相応しければこんなことにならなかったのよ。私が苦労してあなたを指導したのに、あなたの努力が足りないからこんなことになるのよ!」
「それは違うな」
いつの間にか父が戻っていたようだ。
「シャローナに罪はない、男児を産めなかったお前が悪いのだろ」
それは絶対言ってはいけない言葉なのに!
そうでなくてもお母様の心は壊れる寸前、いいえ、もう壊れているのかも知れない、だからお父様はお母様から逃げて私に押し付けていたのでしょ。
「チャンスはあった。しかしシャローナが生まれてから、彼女が女児だったことにショックを受け、次も女児だったらと言う恐怖から、お前は私を拒んだではないか」
そういう事情があったのか……。でも、だからと言って浮気はいけない。この夫婦、どっちもどっちよ。
「ミネアは立派な男の子を生んでくれた、彼女は今は平民だが没落した子爵家の娘で元は貴族だった、だからエドモンドは貴族の血筋だ、我がレアンドル伯爵家を継ぐ資格は十分にある」
母は震えていた。怒りを溜めているのがわかった。
私はその場から立ち去りたかった、後は夫婦で話し合ってほしい。もう関わり合いたくなかった。
父にとって私と母は疾うの昔に家族ではなくなっている。もう邪魔な存在でしかないのだ。だから私はこの家から静かに出て行く決意をしているのだ。
母だって愛人の存在は知っていたのだから、諦めるしかないのだが、出来ないでしょうね。母は私以上に貴族令嬢、その矜持が平民の愛人に負けることを許さない。
では、どうする?
そう思った時、私の体が恐怖に硬直した。
母の扇は短剣が仕込まれている特注品だ、私にも同じものを持たせて、『貴族令嬢の尊厳を汚されるようなことが発生したら、その前に自ら命を絶ちなさい』と教えられた。
それは別の意味だったのだろうが、母は今、尊厳を汚された。
扇から短剣を抜く。そして、自分の首筋、頸動脈の位置は把握している、刃先を当て……ない?
母は握った短剣で父の頸動脈を切り裂いた。
一瞬の躊躇いもなかったため、父は避けることが出来なかった。切り裂かれた首筋から血が噴き出す。母はそれをモロに浴びながら悪魔のような笑みを浮かべた。そして血塗られた顔を私に向けた。
逃げなければ!
でも足が動かない。
侍女やメイドは張り裂けんばかりの悲鳴を上げながら一目散に部屋から出て行った。父を救助しよう、私を護ろうなんて殊勝な奴はいない。こんな時刻の邸内に護衛騎士はいない。もう宿舎に引き揚げているだろう。
取り残された私は母と対峙していた。母の目は虚ろで正気を失っている。母はもう壊れていた、今までだってギリギリだった、私に厳しくすることで、私を立派な伯爵家の跡取りにすることで、母は自分を肯定していたのだ。女児しか産めなくても伯爵家の役に立てたと。
その思いを父が踏みにじった。
母が短剣を振り上げた。身構えたので父のように一撃で殺されることはないだろうけど、狂気の人間には敵わない、深手を負う覚悟をしたが……。
痛みは襲ってこなかった。
目を開けると大きな背中、それがフィーロのモノだとすぐにわかった。私の危機に駆けつけてくれたのだ。
母の短剣はフィーロの手刀で叩き落され、その衝撃で母も床に倒れていた。
そしてその後は、逃げた侍女が連れて戻った騎士たちに、母は拘束された。
父は亡くなり、母は獄中で自殺した。
夫人が浮気した夫を殺害したレアンドル伯爵家の醜聞。
社交界はしばらくその話題で大いに盛り上がった。
私は学園を休み続けた。卒業資格を既に取得していたので、そのまま卒業できるのは不幸中の幸いだが、予定していた文官試験は受けられなかった。
レアンドル伯爵家の後始末はフィーロのお父様クレメント侯爵が全ての処理を迅速に済ませてくれた。残された私にはレアンドル伯爵家のすべてを相続する権利があるから、フィーロが婿入りし、新レアンドル伯爵になればレアンドル伯爵家はクレメント侯爵の思いのまま、乗っ取ったも同然なのだからそりゃ張り切るだろう。
レアンドル伯爵家の事業は全てクレメント侯爵家の事業と統合されることになるだろう。
「悪いな、父上が強欲で」
「いえ、私一人じゃどうしようもなかったんだから、おじ様に引き受けてもらえてよかったわ、ゆくゆくはあなたにも分けてもらえそうだし」
「なんだかなぁ」
フィーロは最初の予定通りに婿入りすることになって良かったものか複雑な心境だそうだ。
私は幸運だったと思っている。
だって、フィーロと結婚できるんだもの。
しばらくは醜聞に塗れるだろうけど、喪が明けて結婚する一年後には、人々の記憶も薄れているだろう。
「もしもお兄様が生きておられたら、こんな悲劇は起きなかったのかしら」
すべては兄の死から始まった。もしもお兄様が立派に成長してレアンドル伯爵家の後継ぎになっていたなら、父は浮気などしなかっただろうか? 母が心を壊されることもなかったのだろうか?
「どうだろうな、浮気する男はどんな状況でもすると思うぞ。それに跡継ぎがいたら俺と君との縁談はなかった、俺たちの出会いもなかったかも知れないんだぞ」
「それは嫌だわ」
フィーロは私の肩を抱き寄せた。
その後、愛人のミネアはエドモンドこそがレアンドル伯爵家の跡取りだと邸に押しかけたらしいが、私が応対することはなかった。クレメント侯爵が追い払ってくれたらしい。その後二人がどうなったかは知らない。
* * * * *
母上が茶会から戻って、あの話を聞いた時、俺フィーロ・クレメントは背筋が凍り付いた。
「シャローナ嬢からなにか聞いてる? レアンドル伯爵が愛人との間に生まれた息子を跡取りにするという噂なのよ。そうなればあなたの婿入りは無くなるし、婚約も考え直さなければならないでしょ」
「なんだその話は! 聞いてないぞ」
父上が驚きの声を上げた。
「私も今日、初めて聞いたのよ、当のレアンドル伯爵夫人も知らなかったみたいで青ざめていらしたわ」
「夫人が知らないのなら、デマではないのか?」
「でも、レアンドル伯爵に愛人がいるのは昔から有名だったし」
「そうなのか?」
「ええ、でもまさか、平民の愛人が生んだ息子を伯爵家に入れるとは思いませんでしたわ、跡取りがいないならまだしも、シャローナ嬢という優秀なご令嬢がいらっしゃるのに」
その時、俺は言い知れぬ不安に苛まれた。
レアンドル伯爵夫人が予定より早く知ってしまった! 自分たちが卒業するまで養子の件は伏せておく約束だったのに、噂が広まって伯爵夫人の耳に入ってしまった。
俺は居ても立っても居られずにレアンドル伯爵邸に向かった。
間に合った。
伯爵夫人がシャローナに刃物を突き立てようとしていた瞬間、二人の間に割って入ることが出来たのだ。
間一髪でレアンドル伯爵夫人の刃物を叩き落とした。その勢いで夫人も弾き飛んだ。
夫人が倒れたその横には首から血を流しているレアンドル伯爵が横たわっていた。頸動脈から流れ出た血で絨毯は赤く染まっていた。もう助からないだろう。
ちょうどそこへ侍女の知らせで伯爵家の護衛騎士たちが駆けつけ、惨状を見て息を呑みながらも夫人を拘束した。
「怪我はないか?」
俺はシャローナに振り向いた。
真っ青で震えている、無理もないだろう、目の前で母親が父親を殺したんだから、ショックは計り知れない。
「フィーロ……」
俺の顔を見て安心したのか、彼女はそのまま意識を失った。
後のことは家令に任せてシャローナを自室に運んだ。彼女の部屋は何度も入ったことがある。あまり女の子らしくない飾り気のない部屋だ。そこにもシャローナがこの家でどんな扱いをされていたのかが窺える。
本当に間に合ってよかった。数分遅れていればあの刃物で傷つけられていた。父親のように命を奪われていたかも知れない。夫人の目は狂気に満ちていた。
今世では愛する人を失わずに済んだ。
そう、俺には前世の記憶がある。あの日に思い出したのだ。
花市でレアンドル伯爵がもう一つの家族と幸せそうに過ごしているのを見た瞬間、俺の頭の中に前世の記憶が雪崩れ込んだ。シャローナは俺がショックを受けて茫然としていると思ったようだが、そうではなかった。
甦った前世の記憶の中の俺は黒目黒髪の少年、年齢は今と同じくらいだろう。自由恋愛が普通の世界で婚約者という肩書ではなく、交際している彼女がいた。俺は彼女を愛していた。
彼女の家庭もシャローナと同じく複雑で、彼女の父親には浮気相手との間に息子がいて二重生活を送っていた。彼女の父親は浮気相手の家族を選んだ。離婚を突き付けられた彼女の母親は、夫の目の前で娘を包丁で刺し殺して自殺した。
前世の俺は最愛の人を奪われた。
彼女の父親は葬儀で偽りの涙を流したが、俺にはわかった。妻を無理心中するまで追い詰めたのに、反省などしていない、逆に邪魔な奴らがいなくなったとほくそ笑んでいる。
許せなかった。
俺は父親と愛人を恨み、その息子共々包丁で切り刻んで殺害した。
そして死刑になった。
シャローナが前世の彼女の生まれ変わりなのかはわからない、シャローナが前世を思い出したようなそぶりはなかったし、もし、思い出していれば、もっと恐れるはずだ。また母親に殺されるかもしれないと警戒したはずだ。
前世と同じことが起きるとは限らないが、レアンドル伯爵夫人は危うい存在だと感じていた。状況が似ているし、夫人の精神は既にかなり壊れていたと思われる。その上で夫人が夫の浮気を知れば――恐らく知っているだろうが、まさか平民との間に出来た庶子を跡継ぎにしようとするとは思っていないだろう。そんなことになれば彼女の貴族夫人としての誇りは踏みにじられる。
だから母上から、レアンドル伯爵夫人がお茶会で噂を耳にしたことを聞いた時、言い知れぬ不安に襲われたのだ。
俺はレアンドル伯爵家に駆けつけた。こんな時間に先触れもなく押しかけるなんて非常識だと追い返されるかもしれない。でもシャローナの無事を確かめずにはいられなかった。
結果、正解だった。
邸に着くとすぐに異変がわかった。
けたたましい女性の悲鳴。
俺は門を乗り越え、廊下の窓を割って邸に侵入した。
侍女とメイドが逃げてきた先には食堂がある。俺は真っ直ぐそこへ向かった。
そして間一髪で夫人の凶行を止めることが出来たという訳だ。
止めたとは言い難いか、伯爵は既に殺されていたのだから……。
前世の俺は愛する人を護れなかった。そして復讐することで自らの未来も手放してしまった。
しかし今世は違う、俺は愛する人を護れた。そしてこれからも彼女を護って愛する人と未来を紡いでいくことが出来る。
せいぜい長生きするさ。
おしまい
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