表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

第5話 ユイトの罠

「いやぁ、ご迷惑をおかけしました」


いけしゃあしゃあと言うユイトの笑顔を、サナは睨みつけた。

第一発見者だという客人と話をしていたのはユイト。

何の話をしていたかは分からないが、第一発見者の彼は、取り乱していたところをユイトに話を聞いてもらったことで落ち着いたのだと感謝していた。

何かがおかしい。

ミキもその人も、口々にユイトに感謝を述べるのだ。笑顔で。


「つかぬ事をお伺いしますが、あなた方は…何者なんですか?」

「ん?」


サナが淹れたお茶を飲むユイトは笑みを崩すことなく、首をかしげた。


「何と言われましても…しがない旅行者ですよ?」

「…カナタ様はどこにいますか?」


どうやら教えてくれるつもりはないらしい。

サナは諦めて別の話題に切りかえた。

カイトの居場所は部屋に戻ったら教えると言われたのに、それも教えてくれる気配はない。


「いやぁ、やはり、サナさんのお茶はおいしい」

「聞いてますか?お客様は外出禁止になっているんです」

「ええ、そうでしょうね」


ユイトは別に驚きもしていない。

まるで最初から知っていたかのように。


「大丈夫、すぐに帰ってきますよ」

「帰ってくるって…」

『ガラッ』

「ほら」


思わぬところから音が鳴ってサナは顔を上げた。


「今戻った」

「え⁈」


現れたカナタは庭に面する窓を開けて部屋に入ってくる。


「ああ、お帰りなさい。サナさんがお茶をいれてくれてますよ」


驚くサナとは反対に、眉をピクリとも動かさず、席に着く。

何事もなくお茶を飲む姿にサナの思考はついて行けない。


「え、あの、どこから…?というか、どこに行ってたんです?」

「隣の部屋」

「隣の部屋って、え⁈」


つまり、隣の、事件があった蘇芳の間に?


「あの、立ち入り禁止にしたのはあなた方の指示では?」

「私達は別です。関係者ですしね」

「関係者?」


ユイトがケラケラと笑いながら言うが、訳が分からない。

サナは思考を整理しようとするが、とん、と新たな湯飲みが置かれた。


「さて、サナさん、お話をしましょう」


ユイトが急須きゅうすを掴んで、三つ目のお茶を淹れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ