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プロローグ
初代から見て直系三人目の曾孫。
少女がこの世に生まれ落ちた日、ただ魔女が近くを通りがかったという理由だけで、──つまり、気まぐれで魔女に呪いをかけられてしまった。
「その娘は一生笑うことはないだろう」
魔女はそう言い残して村を去った。
だが、それは最悪の悲劇にはならなかった。
一つ、魔女は悪名でもいいからとにかく名をあげたいだけの、魔女としては下の存在であったこと。
一つ、赤子は初代の血を濃く受け継ぎ、呪いへの耐性があったこと。
呪いは感情を殺す予定だったのだが、顔面の表情筋までしか作用しなかった。
そして、初代指導のもと、十歳の時に自力で解呪した。
それまで感情についてこなかった表情筋がすぐに動くかといえば、そこまで都合はよくはいかなかった。
そんな、ぎりぎり笑えなくもないが、うまく笑うことができない女の子の話である。




