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現実世界にステータスが現れたので、何が何でも最強を目指します  作者: 黄昏時


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第64話 不気味な真紅のリザードマン

「いい……まりょく」


 真紅のリザードマンはそう呟いたかと思うと、まるで消えたかと錯覚するほどの速度で一瞬で距離を詰めてきた。

 そして足を鞭のようにしならせながら俺に向かって蹴りを放ってくる。


 俺はその蹴りに対して若干反応が遅れながらも、どうにか剣をクロスし受けるように構える。

 だが構えた剣はリザードマンの蹴りに耐えられず、蹴りが当たった場所から綺麗に真っ二つに折れ、更には剣を持っていた腕に凄まじい衝撃が加わる。


「クッソ……」


 嘘だろ!

 [魔力操作]での強化が切れてたとは言え、鉄の塊なんだぞ!

 そんな事を思いながら受けた衝撃で痺れる両手に持つ折れた剣をその場に捨て、体の前で両腕をクロスし今まで戦ったリザードマンを真似るように全身の魔力を両腕に集中させる。


 そうすれば足を振り抜いた勢いで体を回転させ、後ろ蹴りのような形で俺の腹部に向かって放たれた真紅のリザードマンの蹴りをどうにかクロスした腕で受ける。

 蹴りを受けたと同時に俺の体はあまりの威力に浮き上がり、そのまま後方の壁まで飛ばされる。


「カッ!」


 背中に伝わるあまりの衝撃に思わずそんな言葉にならない声が漏れるが、俺は気に留めず痛みを必死に堪えながらその場で地面にかがみ込む。

 その直後俺が壁にぶつかった場所には真紅のリザードマンの右拳が突き刺さっていた。


「わるく、ない。たべ、ごたえが、ある」


 リザードマンはゆっくりと視線を俺の居る下に落としながらそう言って拳を壁から引き抜き、直後右足で俺を蹴り上げる。

 休む暇もなしかよ!!


 俺はそう心の中で叫びながら両手に魔力を集中させ、蹴り上げられた足を手で受け止めながらタイミングを合わせて飛び上がる。

 そうすれば俺の体はいとも簡単に天井目掛けて打ち上げられる。


 ただ俺は打ち上げられた瞬間に手に集めていた魔力を背中に移動させ、背中から集めた魔力を[魔力放出]で放ち打ち上げられた勢いをある程度相殺する。

 こっちは咄嗟のことで急造でリザードマンの真似事をして対応し、しかもそこから応用までしてやっとって感じなのに、下に居るアイツはえらく余裕そうだな!


 まぁ俺は[魔力操作]で眼を強化する事でどうにか動きを追い、追加で[魔力操作]と[身体強化]でどうにか対応してるって感じだから格上なのは間違いない。

 それに今まで戦ったリザードマン同様体全体に魔力を纏っていることから、同じように普通の攻撃は簡単に弾かれるだろうことは容易に想像できる。


 かといって今まで戦ったリザードマンと同じ対処法で倒せるかと聞かれれば、微妙な気がする。

 速度が普通のリザードマンと段違いなのに、体の硬さは同じだと考えるのは余りに楽観的すぎるだろう。


 そう思っていると突然真紅のリザードマンの頭上に魔力が集まるのを感じ取る。

 集まった魔力は発火しサッカーボール大の火の玉が五つ現れたかと思うと、それが俺に向かって飛んでくる。


 空中だから避けられないってか?

 生憎だが俺は空中でも移動できる手段を持ってるんだよ!

 俺はそう思いながら即座に指輪から右手に盾を出し、その盾に向かって[風魔法]をぶつける。


 そうすれば風魔法の威力に押されるように空中では考えられない速度で左方向に移動する。


「クッ……」


 やっぱりこの移動手段は体にかかる負荷をある程度覚悟して使わないとダメだな……

 そう思いながらリザードマンを見ると無表情で口を軽く開け、顔を軽く傾けながら俺の事を見ている。


 魔法を避けられたってのにこれと言って反応は無しかよ……

 それが逆に不気味で怖いと感じながら、俺は地面に着地する。


「おも、しろい、まほうの、つかいかた、を……する」

「お前に褒められても全然嬉しくないが、そりゃどうも」

「こんな、かんじか?」


 リザードマンがそう言ったかと思うと左腕に突如魔力が集まり、リザードマンが軽く腕を振ると、その左腕が烈火のごとく燃え上がる。


「ハッァ……ふざけやがって」


 何がこんな感じか? だよ。

 それはどこからどう見ても俺がさっきやったのとは別物だろ!

 見た感じ自分の魔法でダメージを喰らってる気配もないし……


 自分の魔法を体に纏うってなんだよ……

 こんな奴どうやって倒せって言うんだよ……

 クソが!


 全く勝てるイメージが湧かない……

 しかもさっきまでと違いまともに受ける事すら出来なくなった。

 とりあえず全ての攻撃を何とか避けて勝機を見つけるしかない!!


 俺はそう思いながら自身の肉体が耐えられるギリギリまでMPを使って[魔力操作]で自身を強化する。

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