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現実世界にステータスが現れたので、何が何でも最強を目指します  作者: 黄昏時


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第60話 濃霧

「これは……霧か?」


 俺はダンジョンに入ったと同時に咄嗟にそう呟く。

 ダンジョンの中はかなり濃い霧が広がっており、ほとんど先が見えないような状況だ。

 

 おまけに地面はぬかるんでおり、空気もジメジメとしており不快感を感じるほどだ。

 どうにか見える範囲の内にはまるでマングローブかのような植物まで生えている。


 正直ダンジョンに入ったと同時に周囲を魔物に囲まれており激戦になると予想してたのだが、違ったみたいだ。

 となるとあの無尽蔵に出てきていた魔物達はこの入り口を通って出てきていたわけではないということか……


 とはいえこれは考えたところで答えが出る問題ではない。

 とりあえずは後発隊が来る可能性がある以上、中の情報は早めに共有しておくべきだよな。


 俺はそう考えながら配信画面を開く。

 タイトルは一先ずわかりやすいようにダンジョンブレイク内の情報共有とかにして、とにかく配信を開始する。


≪☆待ってたぞ!≫

≪☆頼みました狐さん!!≫

≪攻略してくれたら絶対に投げ銭します!! だからお願いします!!≫


 配信開始してすぐさまそんなコメントが送られてきた。


「コメントありがとうございます。早速で申し訳ないのですが、視聴者の方々に一つお願いがあります。このダンジョン内の環境や出てくる魔物の特性に関してできるだけ外の人達や後から来る人に伝えてもらえますか?」


≪お安い御用!≫

≪任せて!≫

≪☆それぐらいなら私達は全然大丈夫だけど逆に狐さんはいいの? 他の人にタダで情報が回るってことになるけど?≫


「構いません」


 俺は送られてきたコメントに対して即座にそう答える。

 正直情報としての価値を考えると凄まじく有益なものになるだろう。

 ただ今はそんな個人の利益云々を言っていられるほど余裕がある状況じゃない。


 一歩間違えれば日本が壊滅的打撃を受ける可能性だってあるんだ。

 勿論その打撃の中に俺や俺の家族の命も含まれている……

 そんな中で自身の利益だけを考えるなんてことは流石にできない。


≪☆狐さんがそう言うなら協力します≫


「ありがとうございます」


 俺は送られてきたコメントにそう答えながら視界が悪い中ぬかるんだ地面を前へと進む。


ーーー


 ある程度進んだところで俺は立ち止まり、周囲を見渡す


≪にしても視界が悪い中良く進めるよな?≫

≪うん? 急に止まったけどどうしたんだ?≫

≪いや待て……何か音が聞こえないか?≫


 そのコメントの通り、ピチャピチャとまるで重い何かがぬかるんだ地面を飛び跳ねているかのような音が一定の間隔で聞こえ、()()と共に近づいてくる。

 しかもそれが一つや二つではなく無数に、だ。


 その気配の一つが俺の正面……霧で見えない場所に止まる。

 直後霧の中から突然、長い()のようなものが俺に向かって物凄い速度で伸びてきた。


 それを俺は体自体を横にして避けようとしたのだが、ぬかるんだ地面に足を取られワンテンポ遅れたため即座に上半身を捻り躱す。

 クッソ……思ったよりもこのぬかるんだ地面に足を取られる。

 しかも咄嗟に力を入れれば入れる程強い力で引っ張られるような感覚だ。


 俺は心の中でそう思いながら右手に持つ剣に魔力を纏わせ、更に念のため[風魔法]を付与してから俺を通り過ぎてなお伸びているそれに向かって振り下ろす。

 そうすれば剣は抵抗感を一切感じることなく伸びているそれを両断した。


 両断されたそれは半分はそのまま地面に落ち、もう半分は伸びてきた場所へと一瞬にして戻る。


≪は?≫

≪☆なんだよ今の?≫

≪てか今の絶対魔物の攻撃だろ! 何で正確に場所がわかるんだよ! 相手からも見えてないだろ絶対!≫


 確かに相手からも目視は出来ていないはずだ。

 眼で見る以外の何らかの感覚で俺の位置を察知しているという事。

 とはいえ外で戦た魔物達は[魔力感知]や[気配感知]を持っている感じではなかった。


 となるとそれ以外の俺の知らない何かという事だろう。

 一先ず攻撃手段と先程の音からダンジョンの外で戦ったカエルの魔物だろうと目星をつけているが、断言はできない。


 というかコレ、[気配感知]とか相手の位置を把握するスキルが無いとかなり辛くないか?

 だって今既に俺の正面を弓なりに半包囲されてるが、霧で全く見えない位置を保っているから気付けないぞ。


 そう思っていると、今度は半包囲された全ての方向から同時に舌が伸びてきた。

 それに対して俺は飛んで避けようと考えるが、即座に先程ぬかるんだ地面に足を取られたのを思い出す。


「ハァ……」


 仕方ない。

 俺はため息交じりにそう考え右手に持つ剣に更に魔力を込め、左手に持つ剣にも同じだけの魔力を纏わせる。


 そしてその剣をそれぞれ逆サイドに構え、向かってくる舌に向かって大きく振り抜く。

 そうすれば俺に向かって伸びていた舌は先端から凄まじい速度で切り刻まれていく。


 今俺がやったのは剣に纏わせていた魔力を[魔力放出]で斬撃にして飛ばし、更にその斬撃に[属性付与]で[風魔法]を付与したのだ。

 そして飛ばした魔力は俺が意図して消すか、あるいは込められた魔力が消えるまでは飛び続ける。


 念のため魔力を追加で込めておいたが、[気配感知]で感知していた敵の気配が完全に消えたのを見るにあの斬撃は敵まで到達してくれたみたいだな。

 とはいえあの攻撃の感じだと原型はほぼとどめていないだろうな……


≪☆ちょと待て!! 何が起きたんだ! わかる奴教えてくれ!!≫

≪わかるかんなもん! 何で剣を振っただけで切り刻まれてるんだよ!≫


 やはり見えないんだな。

 実際俺も見えはしないしな。

 けど仮に[属性付与]で[火魔法]とかを付与すれば視覚的に見えはする。


 だが態々敵からも視認できるような攻撃にする必要は全くもってない。

 俺はそう思いながら早く攻略を進めるために歩を進める。

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