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現実世界にステータスが現れたので、何が何でも最強を目指します  作者: 黄昏時


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第51話 訪問

「ここで合ってるよな?」


 俺はスマホに表示された地図と水野さんから渡された住所を見比べながらそう呟く。

 今俺の目の前には木製の門のような扉があり、更には敷地の周囲を真っ白の塀で覆われているまるで時代劇に出てきそうな家がある。


「久遠さん?」


 俺がそんな大きな門の前でどうしようかと考えていると、突然後ろから聞いた事のある声が聞こえてきた。

 俺はその声に後ろを振り返ると、そこには人狼のダンジョンで一緒だった水野が持ってが立っていた。


「やっぱり。父から話は聞いてます。どうぞ中に入ってください」


 水野はそう言って大きな門の隣にあった小さい扉を開け、中に入るように促してくれる。

 水野さんの連絡先も聞いてないし、インターホンらしきものも無いからどうしようか困ってたのだが、助かった。


 というかそっちから入るのか。

 確かにこんな大きな門を態々毎回開け閉めしてたら一苦労だもんな。

 俺はそんな事を思いながらも、水野に感謝の言葉を述べながら中に入る。


「父は武道場で待ってるので案内しますね」

「ありがとう。そう言えば怪我はどんな感じだった?」

「骨が何本か折れてましたが、日常生活を送れるぐらいには回復してます。流石に激しい運動をすれば痛みますがね」


 水野は笑顔でそう答える。

 やはり折れてたのか……

 病院では命に別状はないと聞いてはいたが、連絡先等を知ってるわけじゃなかったからその後確認できてなかったんだよな。


「それよりもどうして父の稽古を受けようと思ったんですか?」

「うん? あぁ、えっと、なんていうか、そう言ったことを習った事が今までなかったからこの機会に教えてもらおうと思ってかな?」

「何でちょっと疑問形何ですか?」


 そう言って笑う水野に向かって俺も笑って誤魔化す。

 ついつい誤魔化す感じになってしまったが、今の感じだとまだあの技とやらを聞いてない感じだよな。


 故意に言ってない可能性も考えられるから、変に俺から言うわけにはいかないよな……

 と俺がそんな事を考えていると、目の前にそれらしき建物が見えてきた。


「父さん! 久遠さん連れて来たよ!」

「おう! 案内してくれ!!」


 入り口を開けて言った水野の言葉に、中から野太い水野さんのそんな言葉が帰ってくる。

 それに対して水野は「だそうです」と言って一緒に中に入るよう促してくる。


 水野に案内されついていくと、中には綺麗に背筋を伸ばし正座している水野さんが居た。


「やぁ久遠君よく来てくれた。とりあえず座りたまえ」

「……失礼します」


 俺は気を遣いながらそういって水野さんの正面に同じように正座する。


「そんなに硬くなる必要はない、楽に足を崩してくれて構わない」

「それではお言葉に甘えて」


 俺はそう言って足を崩してその場で胡坐をかく。

 正直こういった場所には初めてくるから決まりとかが全くわからないんだよな。


「冬花、悪いが母さんにお茶を持ってきてくれるように伝えてくれるか?」

「わかった。久遠さんもゆっくりしていってくださいね?」

「ごめん、ありがとう」


 俺は水野の言葉に申し訳なさそうにそう答える。

 そして水野の足音が聞こえなくなったのを見計らって水野さんに話を切り出す。


「……娘さんにはまだ伝えてない感じなんですか?

「うん? 何か聞かれたのか?」

「いえ、ただ雰囲気的にそうなのかなと思いまして」

「確かに知らんだろうが、それは別に故意に教えてないわけじゃない。聞かれてないから教えてないだけだ」


 聞かれてないからって……

 いや、無理だろ。

 それを使ってるところを直に見るぐらいしか気づける余地はないんだから、気付く方が凄いだろ。


「まぁ仮に気付いて教えてほしいと言ってきたとしても、当分は教えるつもりは無い」

「怪我のせいですか?」

「それもあるが、冬花にはまだこの力は早い」

「何も習った事のない俺は問題ないって事ですか?」

「確かに君は武術のぶの字も知らない素人ではある。だが事魔物との戦いに関しては君の右に出る者は居ないぐらいの才能を見せている。それに現代の武術はほとんどが実戦を見据えたモノではなく、見せる技に過ぎない」


 水野さんはどこか残念そうにそう呟く。

 水野さんが言わんとすることはわからなくもない。

 水野さんが言いたいのは一種のスポーツとして扱われている武術の事だろう。


 それらは競技であり、競技であるからこそ厳格なルールの下行われる。

 競技であるが故にどちらかが死ぬまで戦うなんてことも、急に武器を取り出したり雨の降りしきる強風の中ぬかるんだ足場で戦うなんてことも無いだろう。


 ただ事ダンジョンにおいては話が違う。

 相手は同じ土俵に乗ってくれる相手でもなければ、そもそも話が通じない上にこちらを殺すつもりで攻撃してくる。


 学んだ事が無意味だと言いたいわけじゃない。

 学んだことを応用し、より実戦的なものへと適用できなければならないというだけの話だ。


 現にそう言ったことが出来ている配信者は多少居るわけだしな。


「それに配信を見ただけだが、私から見れば君はとてつもない原石だ」

「俺がですか?」

「そうだ! もっと自信を持つべきだ! よっし! 長々とこれ以上話してても意味が無い。とりあえず一度試合をしよう。そうすれば見えてくるものもあるはずだ」


 水野さんはそう言いながら両膝を叩き立ち上がる。


「ま、待ってください! 俺試合のルールとかわかりませんよ?」

「そんなの気にするな! ただ相手に参ったと言わせればいいんだ。強いて言うなれば目潰し等の今後の生活に関わるような攻撃は禁止としておこう」


 水野さんはそう言いながら木刀を一本俺に向かって投げてくる。

 俺はそれを立ち上がりながら上手くキャッチする。


「さぁ始めよう。ひどい打ち身や最悪骨折の覚悟は出来てる!」


 水野さんはそう言って木刀を俺に対して構える。

 いや! 俺は出来てねぇよ!!

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