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現実世界にステータスが現れたので、何が何でも最強を目指します  作者: 黄昏時


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第49話 学校とリモート

「おはよう、宗太」

「おは、うっ! よう。雄太」


 雄太の言葉に、もどしそうになったのを必死にこらえながらそう答える。

 あれから俺はある程度岩人形を相手に訓練をした後に、ダンジョンを出て家に帰った。


 そのままダンジョン攻略を進めてまた何日もダンジョンに潜っているなんてことは流石にできないからな。 

 これでも俺は学生だ。


 故にこうして学生服を着て雄太と一緒に学校に行こうとしてる。


「何だよ、俺のあいさつにもどしそうになるのは流石に失礼じゃないか?」

「いや、お前にってわけじゃなく……うっ! 悪い、色々試しててな」


 俺は雄太にそう返しながら気持ち悪いのを必死にこらえる。

 俺が今こうも気分が悪いのには理由がある。

 それは[気配感知]と[魔力感知]を同時に使っているからだ。


 別にこの二つを同時に使えば気分が悪くなるというわけではなく、ダンジョンの外だとありえないほど気配が多く、その全てを強制的に感じ取るとなると何とも言い難い不快感があるのだ。


 とはいえこの二つのスキルは所謂トグル式で、ON・OFF切り替え可能だ。

 ただだからと言って今後ダンジョンの外では一切使わないなんてことは無いだろうし、モンスターハウスや防衛ミッションみたいなのに遭遇した場合にOFFにして使わないなどという事もあり得ない。


 なのでこうして無理してでも慣れようとしている。

 

「……それならそれで深くは聞かないけど、やっぱり有名配信者様は苦労が多いって事か? なぁ狐さん?」

「おい!」

「ハハハ、冗談だってw」


 雄太はからかう様にそう言いながら俺から逃げるように走り出す。

 クソ……気分が悪いと走るのも一苦労だ。

 俺はそんな事を思いながら口を軽く押さえ、前を走る雄太を追いかける。


ーーーーー


「ねぇ!! あの配信で狼の人と戦ってたのって久遠君だよね!!」

「狐の仮面をつけて配信してたのも久遠君でしょ!?」

「おい宗太! どうやってそんなに強くなったのか教えてくれよ!!」

「久遠君! サイン頂戴!!」


 学校に着くなり俺は周囲を学年問わず色々な生徒に囲まれている。

 最悪だ……

 それでなくても慣れるためにスキルを発動してて気分が悪いのに、こんなに人に囲まれて大声を出されると余計もどしそうになる。


「おいお前ら!! 早く教室へ行け!! 周りの迷惑になってるだろ!! 校門前で止まるな!!」

「何してるの! 止まらず早く行きなさい!!」


 ホント最悪だよ……

 一応学校にも登校する旨は事前に連絡はしておいたが、特に何も言われなかったので普通に登校したのだがまさかこうなるとは……


 学校側も流石にここまでになるとは思ってなかったんだろう。

 実際俺もそうだ。

 確かに少しは人が集まるかな? と自意識過剰気味にそう思っていたが、まさかここまで集まって囲まれるとは思ってなかったよ……


 確かに配信を見ている人自体は相当居たしマスコミ等に悩まされたりもしたが、それは大人達の話で、年の近い人達はそうでもないだろうと思っている節があった。

 何せクラスの男子が魔物と戦っているからと言ってその映像を最優先で見るか? と言われれば少し微妙な気がしたからだ。


 だが実際はどうやら違ったらしい。

 見てなければこれ程の人だかりは出来ないだろうし、直接声をかけられることも無いだろう。


 気分が悪くて上手く頭も回らないし……

 ホント最悪だよ……

 と俺がそんな事を思いながら気分が悪いのと今の気持ちがもろに出ている顔を手で隠すようにしていると、不意に隣に立つ雄太が俺の横腹を肘で突く。


 こんな時になんだよ! と苛立ちながらチラッと見れば、雄太は親指を立てて上に上がるようにと合図を送ってくる。

 そして口パクで「屋上に行ってろ、上手くやるから」と言ってきた。


 俺はそれに対して軽くうなずき、上手く回らない頭を無理やり回し校門近くのデカい木に向かって軽く力を込めて跳躍する。

 そしてその木を経由して人の少ない場所に跳び、そこから校舎に向かって飛ぶ。


 勿論流石に一度の跳躍で四階建ての校舎の屋上まで飛ぶのは不可能なので、二階の窓枠を足場にして更に上に跳躍し屋上へと上がる。


「「「うぉぉぉぉぉぉ」」」


 と何故か歓声のようなものが聞こえてきたのだが、俺は気にせず屋上で大の字に寝転がる。

 ヤベェ……全く頭が回らない。


 本当に実践の時じゃなくてよかった。

 いい訓練にはなってるな。

 気のせいかもしれないが、少しずつましになってきてる気がするしな。


 にしても本当にこれでよかったのか?

 逆効果だったんじゃないか? って気がするぞ……雄太。

 俺はそんな事を思いながら、眩しい朝日を避けるように腕で目を覆う。


ーーーーー


「うっ……うん?」


 俺は重い瞼を開けながら周囲を見て疑問に思う。

 何で俺学校の屋上で寝てるんだっけ?


「やっと起きたか? ほれ、水」


 そんな声に視線をやれば、そこには雄太が腰かけながら俺に向かってペットボトルの水を差しだしている所だった。

 俺はそれを受け取りながら上体を起こす。


「あれから頑張って説得してやったんだ! 感謝しろよ?」

「何が?」

「もしかして寝ぼけてるのか? まぁいい。とりあえず当面は特別にリモート授業で良いように先生達を説得しといた。ただ先生達が上手くやって今日みたいな事が起きない様になればまた登校しなきゃならないけどな」


 うん?

 ある程度目は覚めてきたが、どういうことだ?

 てっきり生徒の方に話をつけるのだと思っていたのだが、まさか教師の方を説得して学校に来なくても良いようにしたのか?


 これは正直予想外だ。

 もしかしてそっちの方向に話を持っていくために俺を屋上へと行かせたのか?


「とはいえどこからか圧力もかかってたみたいだし、割とすんなり話は進んだ。とりあえず今日はこのまま帰っていいそうだ。俺はこの後も昼飯を食って授業があるからそろそろ教室に戻らないといけないけどな」


 雄太はそう言いながら軽く笑みを浮かべ立ち上がり、服についた砂を払う。


「悪い、助かった」

「何言ってんだよ、気にすんなって! その代わり、お前がもっと出世したら俺の面倒も見てくれよ!」


 雄太は冗談めかしながら笑顔でそう言ってきた。

 流石に親に行かせてもらったのに留年するわけにはいかなかったからな。

 リモートならある程度時間的余裕もできそうだし、本当に助かった。


「じゃぁ俺はそろそろ戻るわ」

「ありがとうな」

「ホント気にすんなって」


 雄太はそう言って軽く手を振りながら屋上を後にする。

 そう言えば[気配感知]と[魔力感知]OFFにしてなかったけど、気持ち悪さは無いな。


 やっと慣れたって事か?

 俺はそんな事を思いながら立ち上がり、屋上から不意に校門の方に視線をやる。

 すると何故か校門で仁王立ちしている一人の男性が目に入る。


 その男性は腰に木刀を差し、何故か浴衣を着ているガタイのしっかりとした男性。

 そんな男性が目を瞑りながら仁王立ちで立っているかと思うと、突然目をカっと見開き俺の方を見つめる。


「……目が合ってるよな?」


 俺がそんな事を呟くと同時に、まるで男性はその言葉が聞こえたかのように俺に対して手招きをする。

 何だよ一体!!

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