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現実世界にステータスが現れたので、何が何でも最強を目指します  作者: 黄昏時


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第35話 戦える人間

「何で日本語をしゃべれるんだよ!」

「日本語? あぁ、今私が喋っているこれの事か?」

「そうだよ!!」

「それがそれほど重要な事か? 弱いだけじゃなく、頭も回らないなら救いようがないぞ」


 赤崎さんの言葉に、真っ白な人狼のような軽く自身の頭を突きながらそう言う。

 俺はそんな二人の会話を横目に回復に専念する。

 万全の状態でも勝てるか怪しい相手……


 この状態なら確実に後れを取り負ける。

 少しでも回復を……

 俺がそんな事を考えていると、不意に体が軽くなるような感覚を感じた。


 突然の事で周囲を見渡せば、槻岡さんが俺の方を見ながら何かを念じるようなポーズをしていた。

 まさかとは思うが、回復してくれてるのか?


 エフェクトとかが無いから全くわからないが、先程と比べてかなり呼吸が楽になっている。

 俺はそう思いながら槻岡さんに向かって感謝を込めて軽く頭を下げる。


「な! 何だと!!」

「吠えるならそれなりの実力を持ってからにしろ。威勢がいいだけの雑魚に私は興味など無い。せめて私の攻撃をいなしたあやつ程度にはな」


 人狼のような存在はそう言いながらまるで獲物を定めたかのような視線を俺に向けてきた。

 その視線に全身が震えたのを感じる。


 怖い……

 あの人狼が何倍もの大きさに見えるほどに怖い……

 勝てない……

 死ぬ……


 そんな思考が頭を支配し、体が石のように重く動かなくなったような気になる。

 これは……恐怖だ。

 ……クソ!!

 何をビビってるんだ!

 

 恐怖が無駄とは言わないが、恐怖に支配されるのは命取りだ!

 俺はそう自身に言い聞かせながら、無理やり右手で自身の頬を強く叩く。

 そうすれば先程までの恐怖が嘘のように無くなり、凄まじい疲労感を感じた。


「ハァ……ハァ……」

「ほぉ~。やはり良いな、お前。もしかして何か精神系の耐性でも持ってるのか?」


 確信めいたその言葉ドクっと心臓が高鳴るのを感じる。

 まさか……さっきの感覚は。

 ここまで来てようやく俺は確信する。


 先程支配されていた恐怖の正体に。

 あれはあの人狼による攻撃。

 正確な内容はわからないが、精神に直接攻撃してくる何か。


 [精神耐性]を持ってる俺であれなら他の人の場合……そう思って赤崎さん達を見れば、膝から崩れ落ちていた。


「どちらにしてもこの中で私とまともに殺り合えるのはお前だけだったようだし、あれで終わらなくてよかったよ」

「そりゃ……どうも」


 俺はそう言いながらその場に立ち上がる。


「あぁ。どちらにしても私に殺される未来は変わらないが、一つ聞いておきたい。どうしてこうも実力の離れた奴らと行動しているんだ? ここまで実力が離れていれば、連携も何も無いはずだ。まさか友情なんてクソの役にも立たない理由か?」

「……」

「おいおい。沈黙は辞めようぜ。この中から先に一人消える事になるぞ?」


 人狼はそう言いながら鋭い爪を見せつける。


「……試験の一環だ」

「試験? つまりはお前を試してるって事かよ。そりゃ面白い! 俺もソイツに会ってみたいぜ。お前を試せる程の実力者なら俺ともいい勝負を出来るかもしれないしな!」


 人狼は高笑いしながらわざとらしく大袈裟にそう言った。

 コイツ……試してる奴はお前よりも強くないだろうと言いたいんだ。

 実際そこに関しては俺はわからない。


 俺以外のダンジョン攻略者がどれほどの実力なのか正確には把握してないからな。

 それよりも問題なのは、そんな事を遠回しに言えるほどの知能がある事だ。

 クソ……


 まともに戦って勝ってる姿が想像できない。

 俺がそんな事を思いながら人狼を見つめていると、突然人狼に向かって()()()が音もなく飛んでいく。


 ただそれを人狼は一切見ることなくすんでのところで手で矢を掴み止める。


「人が楽しく話してるのに茶々を入れてくるとは……教育がなってないな。小僧」


 人狼は俺から視線を逸らすことなく、矢を放ってきた人物に向かってそう言った。

 矢を放った人物、それは勿論風吹君だ。

 風吹君は膝をつき肩で息をしながら、なんとか顔を上げているという感じだ。


「くおん、さん……一人に任せてばかりはいられない……から」

「ただその根性は認めてやる。まさかここまで早く自力で戻ってくるとは私も思っていなかった。勿論小娘、貴様もだ」


 人狼は続けさまに矢を受け止めた方とは逆の手を自身の後ろにやりながらそう言った。

 すると直後にまるで鉄と鉄がぶつかったかのような甲高い音が鳴り響く。


 そしてその音が鳴った場所から突如として水野が姿を現し、刀で後ろから斬りかかり人狼の爪で受け止められている姿が目に入った。


 どうなってるんだ!!

 今の今まで水野はそこに……!

 俺がそう思って水野が居た場所に視線をやると、水野の姿がまるで蜃気楼かのように揺らめき消えてなくなった。


「小僧の弓は不要だが、小娘。貴様のそのアイテムは有用そうだな」

「それはどうも!!」


 水野はそう言いながら人狼の背中を蹴りながら距離を取り地面に着地する。

 今の人狼の言葉から推察するに、水野が突然現れたり消えたりしたのはアイテムの効果って事か?


「他の奴はまだかかりそうだな。いいだろう。最初は私の初撃いなした挑戦者と一騎打ちを行うつもりだったが、お前達二人も加えてやる。ただせいぜいこやつの足手まといにならない様にしろよ? 小僧と小娘!」


 人狼はそう言いながら握っていた氷の矢をへし折りながら力強く腕振る。

 そうすれば腕を振った風圧が俺の所までやってきて髪がなびく。

 何て力だよ……

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