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現実世界にステータスが現れたので、何が何でも最強を目指します  作者: 黄昏時


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第22話 変化

「うっ!」


 まるで地面にたたきつけらえれたかのような衝撃に思わず声が漏れる。

 周囲を見渡せば先程までの真っ白の空間ではなく、だだっ広い草原に立っていた。

 周りには呆然と周囲を見渡す三人と、俺と同じように何かを探すように周囲をキョロキョロと見ている槻岡さんが居た。

 

 クソ!!

 まだ聞きたい事があったのに!

 それになんだよあの最後の言葉!


 捨て台詞みたいに言いやがって!

 俺らからしたら今最も重要な事だぞ!


「皆さん! 一度ダンジョンを出て再度仕切り直しましょう!」

「? 何言ってるんすか? 今入ったばっかじゃないすか?」

「それはそうなんですけど……そう! 上司への連絡を忘れてまして! 本当に申し訳ないんですけど、一度出て連絡させて貰えませんか? 皆さんもその間ダンジョンの外で待機していてほしいんです! 本当にすみません」


 槻岡さんは赤崎さんの言葉にそう言って頭を下げ、必死にお願いしてきた。

 このタイミングとまるで取って付けたかのような理由……

 恐らく槻岡さんも俺と同じようにあの空間に連れてかれたんだろう。


 そして俺と同じようにダンジョンがより難しくなったという話を聞いた。

 故に一度攻略を辞めて状況をある程度見てから行うべきだと判断したんだ。

 だが先程までの彼女の印象ではそんな事を一瞬で判断し、行動に移せるような人間には到底思えなかった。


 これは猫を被っていたという事だろう。

 現に少年の言葉を鵜呑みにするなら、あの空間に行けるのは経験値の取得制限に引っかかった人間だけ。


 ただの僧侶が到達できるとは到底思えない。

 俺も人の事は言えないが、彼女もまた普通の僧侶じゃないのだろう。


「そこまで言うなら別にいいすけど……そのダンジョンの入り口ってどこっすか?」

「ありが……え?」


 赤崎さんにそう言われて後ろを振り返れば、入って来たはずの空間のゆがみのようなものは見当たらず、同じようにだだっ広い草原が広がっているだけだった。

 まさか!!


 俺はそう思いながら後ろに軽く手を伸ばしてみるがそこにはダンジョンに入る瞬間の飲み込まれるようなか感覚は全くなかった。

 俺は赤崎さんの言葉が正しいという意図を伝えるために、槻岡さんに向かって軽くうなずく。


「くっ!」


 それを見た槻岡さんはそんな声を漏らしながら唇を嚙む。

 明らかにこっちが本当の槻岡さんって感じがするな。


「皆さん。ここからは私の指示に従ってください。私が何としてでも皆さんを無事に帰して見せますので」

「どうしたんすか急に? さっきまでとなんか雰囲気が全然違うっすよ? それにそんなに深刻になることないっすよ。俺達も一応ダンジョンには潜った事あるんだし」


 そんな赤崎さんの言葉に槻岡さんは少し顔をゆがめる。

 まぁそうだろうな。

 後ろにいる二人を見ても、この状況についていけず混乱している表情だ?


 あの少年の言葉を聞いていない以上、何が起きているのか三人はわかっていないのだから仕方ない。

 とはいえ俺としてもこの状況はあまり好ましくない。


 あの少年が面白半分であのような捨て台詞を言うとは到底思えない。

 ならばあの少年の言った通り、本当に本気を出さなければ簡単に死んでしまうようなダンジョンに変わってしまったのだろう。


 そんな状況で他の人を守りながら戦えるほど俺は戦いなれてないし、余裕があるとも思えない。

 だから出来る事なら俺一人で挑戦したかったのだが、それは不可能の様だ。


「……悠長に話してる余裕は無いみたいです」


 俺は槻岡さんの遥か後ろからこちらに向かってくる何かを見つけそう呟く。

 槻岡さんは即座に後ろを振り返り、戦い慣れした様子で構えをとる。

 ……接近された場合の心配はなさそうだな。


 俺が槻岡さんを見てそんな事を考えていると、近づいてきていた存在を目視できるところまで来た。

 こちらに向かってくるのは体長2メートル以上はありそうな角の生えた真っ白な狼のような生き物が三匹。


 正直今後の事を考えれば槻岡さんがどの程度戦えるのか把握しておきたいという気持ちもあるが、それよりも素手でアイツらを相手にして怪我をし、戦線を離脱される方が困る。


 この先どうなるかはわからないが、回復役が居なくて困るなんて場面には遭遇したくないからな。

 俺はそう思いながら手に持っていた普通の剣を指輪に仕舞い、代わりに指輪から[猛火の剣]を取り出す。


「赤崎さんと水野さんはそれぞれ左右の奴を頼みます! 俺は真ん中の奴を相手するので! 風吹君は後ろから援護を! 槻岡さんは風吹君を守りながら」


 俺はそう叫びながら槻岡さんの脇を抜け、こちらに向かってくる狼に向かって走り出した。

 それに対して赤崎さんと水野さんは一瞬反応が遅れながらも、俺に続く形で前に出る。


 狼は接近してきた俺に対して鋭い牙で噛みつくようにして飛びかかってきた。

 俺はそれを盾で受け、力で跳ね返す。

 飛ばされた狼はきれいに一回転しながら着地を決め、俺を睨みつける。


「お前、中々の重量だな」


 俺はそんな狼を見つめながら盾を持つ手を軽く振りながらそう呟く。

 同時に左右をチラッと見れば、二人共接敵した瞬間だった。

 それぞれ赤崎さんは槍の間合いを活かし狼との距離を上手く保ちながら攻撃を繰り返し、水野さんは上手く狼からの攻撃を受けることなく回避に専念しながら反撃のタイミングを見計らっている感じだ。


 あの感じなら二人共大丈夫そうだな。

 俺はそう思いながら自身の戦いに専念するため、正面の狼に視線を戻す。

 そして俺の事を睨みつける狼との間合いを詰め、右手に持つ剣で斬りつける。


 ただ俺の斬りつけを狼は自身の額の角で受け止めた。

 そして次の瞬間大きく口を開けたかと思うと、まるで大気中の()()が口の周りに集まるような感覚を感じ取った。


 俺はそれに対して何やら嫌な予感がして、咄嗟に角に当たっていた剣を上に力強く斬り上げ、狼の顔を強制的に斜め上に向ける。

 そして俺自身は咄嗟に横に飛び距離をとった。


 直後狼の口のあたりから透明な拳大程の氷の塊が勢いよく飛んでいった。

 俺はその光景を見て驚愕する。

 今までこんなことは無かった。


 ただあれはどう見ても……


「魔法」


 俺はそう呟きながら飛んでいった氷と狼とを交互に見つめる。

 そう、あれは魔法だ。

 検証しながら色々やってた俺にはわかる。


 ただ今までボス以外で魔法を使ってきた魔物は居なかった。

 まさかここからはこういった事が当たり前になるという事なのか!?

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