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現実世界にステータスが現れたので、何が何でも最強を目指します  作者: 黄昏時


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第20話 邂逅

 話し合いの結果、俺と水野さんが前衛で赤崎さんが中衛、風吹君と槻岡さんが後衛という立ち位置で話はまとまった。

 仮に後ろからの挟撃があった場合は赤崎さんが真っ先に最後尾へと移動し前衛として立ち回ってもらい、水野さんもそちらに向かうという事を事前に決めておいた。


 挟撃は混乱になり命を一番落とす可能性が高いと考え、先にそう言った簡単な決まりを決めておいたのだ。

 因みに槻岡さんの影響で全員が出来る事と職業を一緒に言ったおかげで、他の人の職業もわかっている。


 水野さんと赤崎さんが『戦士』で風吹君が『射手』、そして槻岡さんが『僧侶』といった感じだ。

 俺も職業を伝えはした。


 ただ本当の職業を伝えれば多少面倒な事になりそうだったので、『戦士』と伝えた。

 俺がそういうことをしたという事は、他の人間も同じことを行ってる可能性があるという事。


 確認の手段がない現状、口頭で伝える以外に方法が無いのが問題なのだ。

 それに馬鹿正直に本当の事を教えるメリットがゼロなのも問題ではある。


「それじゃぁ行きましょうか!」


 ある程度話が終わったところで槻岡さんがダンジョンの入り口を指さしながらそう言った。

 この人とはまだ少ししか話してないからあれだが、何というかやる気が空回りしている人を見ているような感じがしてならない。


「そうすね。ちゃっちゃと入って速攻で攻略してやりましょう!」

「おぉ!」


 赤崎さんと槻岡さんはそう言って、ダンジョンの中へと入っていった。

 あの二人本当に決めたことは覚えてるのか?

 この先が思いやられる……


「……俺達も中に入りましょうか」

「はい」

「あ! は、はい」


 俺の言葉に水野さんと風吹君はそれぞれの反応を返し、俺の後に続いてダンジョンの中に入る。


「うっ!」


 ダンジョンに入った直後、体に強い衝撃と凄まじい光を感じ思わず目をつむりながら身構える。

 そしてゆっくりと目を開け見えた光景に俺は思わず言葉を失う。


 眼前に広がるのは何もない真っ白な空間。

 まるで模擬戦を行った時の場所を彷彿とさせるが、あの場所はまだ人工的で壁や床、天井等がはっきりと認識で来た。


 ただここは違う。

 今立っている場所が地面であるかどうかすら曖昧で、まるでこの空間自体が無限に広がっているんじゃないかと錯覚させられる雰囲気だ。


「……待てよ」


 他の人達はどこだ!?

 先に入ったはずの槻岡さんと赤崎さんは勿論、俺とほぼ一緒に入った水野さんと風吹君すら見当たらない!


 俺はこの空間の事も相まって、周囲に人がいないことに動揺してしまう。

 まさか各々別のダンジョン内に飛ばされたのか!!


「やはり人間という生き物は面白い発想に至る」


 俺は声が聞こえたことに安堵するかのように、声の聞こえた方向へと視線をやる。

 するとそこには真っ白な祭服のような服を着た、幼い少年が立っていた。


「ただ残念なことにそれは間違っている、少年」

「……間違っている?」

「そう。間違っている。君達が個別のダンジョンに飛ばされたわけではなく。ただ君だけをこの場所に連れてきた、それだけの話だよ」


 少年は笑顔を浮かべながらそう言った。

 一体何を言ってるんだ?

 俺だけをこの場所に連れてきた?


 それではまるで……


「そう、その通り。僕が君をここに連れてきた」

「!」


 思考が……読まれてる!

 どういうことだよ!

 そんなに表情に出てたとでも言うのかよ!


「いや、表情には出てなかったよ。ただ君が考えた通り思考が読める。それだけさ」


 それだけ?

 思考が読めるのがそれだけだと!?

 思考が読めるのはそんな些事みたいに片付けられるものじゃないぞ!


「そこまで褒める必要はないよ?」


 クソが!

 考えた端から全て読まれるなんて頭の中で思考する意味が無いだろ!


「それは悪いね。とはいえこのまま立ち話もなんだし座ってゆっくり話そうか」

 

 少年がそう言って指パッチンをすると、突如として少年の前に机と椅子が現れた。

 ……どうなってるんだ。

 急に机と椅子が……


「まぁここは僕の空間だからね。ある程度の事は出来るよ」


 少年がそう言いながら軽く手を動かすと机の上にコップが二つ現われ、更にはそのコップにどこからともなく液体が注がれた。


「さぁ、お茶でも飲みながら話をしようよ。()() ()()君」


 呼ばれた名前に驚き、体がビックっと反応するのを感じる。


「何故名前を知ってるのかって? 僕はなんでも知ってるよ?」


 少年は机に肘をつき、手で顔を支えながら不敵な笑みを浮かべる。

 一度冷静になれ、俺。

 正直何故俺の名前を知ってるのか、ここがどこなのかに関しては今それほど重要な事じゃない。


 ダンジョンに入ったはずの俺をこの場に連れて来る事が出来る力を有している。

 今重要なのはその事実だ。

 そんな事が出来る存在、心当たりは一つしかない。

 そして今こうして考えている事も彼には筒抜けなんだろう。

 

「そうだね」


 ……

 ここは大人しく従うのが賢明だろう。

 俺はそう考え、少年の言う通り椅子に腰かける。


「良い判断だ。そして君の考えは概ね正しい」

「つまりは貴方がダンジョンやステータスを世界に追加した存在だという事ですね?」

「正解」


 少年はおどけるようにそう答えた。

 やはりこの人物こそがあの神を自称する存在。

 まさかこうして対面して話をすることになるとは思ってもいなかった。


「自称とは酷いな。僕は世界の法則を改変してるんだ。そんな事君達の言う所の神以外に出来ると思うかい?」

「わかりません。私達には神という存在を判別する手段が無いので」

「正直なのは良いことだ。納得してないのがひしひしと伝わってくる」


 少年はどこか楽しそうに俺にそう言いながらお茶をすする。

 当たり前だ。

 うわべを取り繕って嘘を言ったところで、思考が読まれるんじゃ全くもって意味が無い。


「君の考える通り、私が君達の言う所の神であると証明する手段は無い。何せ世界の法則の改変で信じてもらえないんだからね。ただ正直なところそんな事はどうでもいい。僕がここに君を呼んだのはそんな理由じゃないからね」


 やはり何か目的があって俺をこの場に連れてきたのか。

 果たしてその目的とは一体何なんだ?

 俺には一切心当たりがないぞ!


「気になるよね! いいよ、教えてあげる! 君を呼んだのはね、お詫びの意味を込めて特別に報酬を上げようと思ったからなんだ」


 俺は余りにも予想外の言葉に首をかしげてしまう。

 お詫びの意味を込めての報酬?

 どういうことだ一体。

 一体何に対する詫びだというのだ?

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