表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心の蹄跡  作者: ria
21/22

21章 奇跡の戴冠へ

ゲートが開き、年末グランプリが幕を開けた。ドーブルハントはスタートで少し出遅れたが、諸星の手綱と気迫でリズムを取り戻す。前方にはライバル馬、そしてノワールスターに乗った諸星の兄が迫る。

 諸星は田中の声を心に思い浮かべる。

「諦めるな、信じろ……お前とドーブルはできる」

 その声が心を温め、力を与える。



直線に入ると、ドーブルは全力で加速する。ノワールスターが外から並びかけ、諸星の兄も必死に手綱を操作する。互いの馬が接近し、肩をぶつけるような勢いでせめぎ合う。

 諸星は冷静に、ドーブルの呼吸と動きを感じ取りながら手綱を操る。

 『行け、ドーブル!諸星!』

どこかから田中の声が聞こえた気がした。

 ドーブルは前脚をさらに伸ばし、最後の一歩でノワールスターをわずかに抜き去る。観客席は歓声に包まれ、ゴール前の空気は一瞬で止まったかのような緊張感に満ちた。


ゴール後、諸星は肩で息をしながらドーブルの首を抱きしめる。振り返ると、ノワールスターに乗った兄が馬上から静かに笑った。

 「お前ら二人には負けたよ……」

 諸星は息を整えながら微笑む。 「いや、三人だよ……田中さんも、一緒だ」

 涙が頬を伝う。田中の声と手紙が、ここまで導いてくれたことを実感する瞬間だった。ドーブルも鼻先を寄せ、諸星の胸の鼓動を感じ取る。

 悲しみもあったが、二人と一頭の絆は確かで、これからも田中の想いを背負いながら前へ進むことを誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ