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奪われたものは要りません  作者: みん


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72/91

72 そう言う事です

*ジェラール視点*



デミトリア邸からピサンテに転移しても、セレーナが目を覚ます事はなかった。そのままセレーナの部屋に入り、ベッドに寝かせてから、改めてセレーナの顔を見る。


ー5年でこれ程変わるとはー


名前の通り、月の女神を表すような銀髪。今は見えないが、瞳は綺麗な水色だった。意味は違うが子供の成長は早い。次の誕生日で19歳。貴族なら婚約者が居てもおかしくはないし、そろそろ結婚と言ってもおかしくない。

セレーナは平民で恋人すら居ないから、今すぐ結婚とはならないが、恋人はいつできてもおかしくない。


“可愛らしい子”から“奇麗な女性”になった。

料理が得意で作る物は全部美味しい。

いつも他人を思い遣る優しい子。


もう、理想の嫁でしかない。

ただ、セレーナは世間に疎い。このまま放っておくと、碌でもない男に捕まりかねない。エルトンや俺よりも弱い男にも任せられない。それに、“普通の家庭”すら知らないだろうセレーナには、温かい家庭を築いてもらいたい。勿論、恋愛結婚がベストだ。少し贅沢を言えば、幸せになるセレーナを見守っていきたい。


「これは、やっぱり親心だな……」

「馬鹿なの?」

「ロクサーヌ!?またか!?」

「叔父様って、恋愛経験は豊富な方でしたよね?」

「恋愛と言えるかどうかは微妙なところだが──って、どうして王太女がこんな時間にここに居るんだ?」


魔法陣を繋げているから、いつでも来れるのは来れる。ブライアンの張っている結界を通り抜けれるロクサーヌだから、敵意は皆無で、受け入れられていると言う証拠でもある。


「今日は色々あったから、寝る前にセレーナの様子をみて挨拶でもしようとデミトリアに行ったら、叔父様とピサンテに行ったと聞いて来たんです。そうしたら、また叔父様が馬鹿な事を口にしていたから……つい本音が溢れました」

「本音………私は、何かお前を怒らせるような事をしたのか?」


ー“怒る”と言うよりは“呆れ”だろうか?ー


「セレーナって、歳を取り戻して、より可愛く…奇麗になりましたよね?」

「そうだな」


「セレーナの手料理は美味しいから、独り占めしたくなりますよね?」

「その気持ちは分からなくはないが、楽しそうに人の為に料理をしているセレーナを止めるような事はしたくないな」


「叔父様とエルトンよりも強い男が居ると、本気で思ってますか?」

「まぁ……絶対に居るとは言えないな」


「そんな男にセレーナの幸せを託して、自分は見守るだけで済むんですか?」

「託して……見守るだけ………」


チラッと、寝ているセレーナを見る。

13歳だったセレーナだった時は、隣にどんな男が並ぶのかと考えた事もあった。

今のセレーナには……どんな男が並ぼうとも……


「気に食わないな………」

「でしょうね………叔父様、気付いてますか?“理想の嫁”と思っている時点で、()()()()()なんですよ」

「…………」


ストンッ──と腑に落ちた。


13歳のセレーナは、歳が離れていたから客観的に見れていただけで、もうすぐ19歳だと分かった今、客観的に見れなくなってしまった。


「私としては、叔父様が好きな人と結婚する事に反対はありませんけど、大公と平民では、色々問題があるのも確かです」

「問題か………」


正直、身分なんてどうにでもできる自信はある。ドロドロの貴族社会を過ごして来たのは伊達じゃない。そもそも、俺は“大公”や“王族”に一切の執着が無い。お金も持っている。だから、問題があるとすれば、それは──“セレーナの気持ち”だけだろう。


セレーナに幸せになって欲しい──と言うのは本当の事だ。セレーナと一緒に幸せになる事が一番だが、俺以外の誰かと幸せになれると言うなら、俺は──


ー無理だなー


「どうやら、私は狭量らしい……」

「独占欲とも言いますね……ふふっ……」


姪っ子に、恋愛事で笑われる日が来るとは。

兎に角、これからどうするか──とは言え、セレーナが俺に対して“安心感”を覚えているのは確かだ。なら、それを壊さないように、今迄通り甘やかしていけば良い。


「叔父様、腹黒と溺愛は紙一重ですから。気を付けて下さいね」


楽しそうに笑うロクサーヌ。これから暫くの間は、この可愛い姪っ子にいじられそうだが、嫌な気はしない。







****??****



“ナディーヌ”


火属性の魔力持ちで、可愛らしい顔立ちの娘だった。少しの違和感はあったものの、亡き妻の願いだった事もあり、私は娘と孫を公爵家に受け入れた。

それが、まさかの偽者だったとは。()()()()()だけであれば、今迄通り公爵家で過ごさせるつもりではあったが、ピサンテを壊滅させた女の娘となると、話は違って来る。直ぐにでも消す事を考えたが、国王陛下と王太女がソレを許す筈も見逃す筈も無い。だから、母娘揃って領地に追いやる事しかできなかったが──


城から帰る途中で見掛けた銀髪の女の子。ブライアンに似ていたのは──偶然ではないだろう。私が地下牢から出た後の事は極秘とされ、何があったかは分からないが、本物のナディーヌが現れた可能性が高い。もし、アレが本物のナディーヌなら──


「ガストン。今日、王城に居た銀髪の女の子を調べてくれ」

「承知しました」



偽者を始末できるだろう







(*?*としてますが、誰視点かバレバレ……ですねw)





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