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奪われたものは要りません  作者: みん


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68 面会

少し固まったジェラール様の意識が戻るのを待ってから3人で家に戻り、久し振りにお茶を飲みながら、私が倒れてからの話を聞いた。


私の描いた魔法陣が発動して、カイリーさんに攻撃を食らわせていたとは思いもしなかった。アレは子供騙しのようなもので、攻撃魔法とは言えないものだった。


「既に弱ってたカイリーには、十分過ぎる攻撃魔法だったわよ……ふふっ………」

「そうだな………ふっ……」

「笑いたければ思いっきり笑って下さい。我慢されると余計に恥ずかしいので……」


カイリーさんは、その攻撃を食らって意識を失ったままで、後は時間の問題なんだそうだ。ジェイミーは、完全に失明して、全身を襲う痛みで頻繁に意識を失ったりしているらしい。


「そのジェイミーが、明後日にパルティアーズ公爵とアリシア公女と面会するらしい」


ジェイミーが偽者だと判明した後も、公爵様はジェイミーを除籍してはいないそうだ。国王に言い切った手前、除籍する事が()()()()だけなんだろうけど。


「その面会が終わった後、私とジェイミーと公女様の3人で話す事は可能ですか?」

「セレーナが望むなら、可能だと思う」

「それなら、お願いできますか?どうしても2人に話したい事と、したい事があるんです」


私が名前を取り戻せたらしよう─と思っていた事だ。それをしたら、もう二度と2人と関わりたくはない。


「兄上に直接お願いしておこう」

「ありがとうございます」


国王様に──とは恐れ多い事だけど、素直に甘えておく。早く済ませておく事に越した事はない。



「それにしても……セレーナは一体何歳なんだ?その……かなり容姿が変わって……」

「これが本来の姿なのよ。だから『子供の成長は早い』って言ったでしょう?」

「いや、それはまた意味が違うだろう……」

「私の本当の年齢は────」




と、それから3人でのティータイムは夕食迄続いた。







**ロクサーヌ視点**



今日は、ジェイミーとパルティアーズ公爵との面会日。急遽、その面会に私も同席する事にした。パルティアーズ公爵が、ジェイミーに手を出さないように牽制する為でもある。それと、パルティアーズ公爵が、どう言う対応をするかの確認をする為に。


その面会が終わったら、セレーナとジェイミーとアリシア様の3人での面会。セレーナは一体何を話すのかは分からないけど、ここで区切りをつけるつもりなのかもしれない。


そのセレーナは、気を失って数日寝込んで、目を覚ましたばかりなのに大丈夫なのかしら?『色々と驚く事がある』と、叔父様が言っていた事も気になるけど、それは後のお楽しみ。





「お前が偽者だとしても除籍はしない。ただ、王都の邸ではなく、領地の邸に住んでもらう。療養生活だ」


パルティアーズ公爵が、鉄格子の向こう側のベッドに横たわっているジェイミーに、淡々とこれからの事を話して行く。


「お前は、そのまま“ナディーヌ”を名乗り、母親はアリシアで、カイリーは育ての親とする事。決して、偽者だとバレないようにする事。バレた時は……いや、兎に角、これからは目立つ様な行動は取らないように」


確かに嘘をついていたジェイミーが悪いのだけど、いくらでも再確認をするタイミングはあったのに、信じ切った自分にも非があると分かっていないのか?よく私の目の前で、そんな事をのうのうと語れるものだなと感心する。

同席しているアリシア様は、ジェイミーをただただ見つめているだけで、その目には何の感情も無いように見える。そんな姿を見ると、母親としてはカイリーの方が“良き母親”だと言えるのかもしれない。


「おか……さ……は……?」


ジェイミーが、苦しそうに訊いて来たのは母親の事。


「どちらのだ?アリシアならここに居るが、カイリーの事なら……もう時間の問題だ」

「───っ!」


その事実を知って、ジェイミーが更に涙を溢れさせた。いくら罪人とは言え、そこまでハッキリと伝えなくても良かったのでは?どうやら、パルティアーズ公爵は、ジェイミーを完全に()()()()()為に来たようだ。


「兎に角、お前の移動は国王陛下から許可が出てからになる。命が助かっただけでも有り難く思っておくんだ」


それだけ言うと、公爵は牢屋に背を向けた。


「王太女殿下、私はこれで失礼します。連絡、お待ちしています」

「3日以内に連絡ができると思うわ」

「承知しました」

「それと、申し訳無いけど、アリシア様には話があるから、パルティアーズ公爵は少し待っていてくれるかしら?女官に部屋に案内をさせるわ」

「承知しました」


公爵は、チラリとアリシア様を見てから、外に待機していた女官と共に地下牢から出て行った。


「私に話とは?」

「事前に伝えていなかったけど、アリシア様とジェイミーと話がしたいとお願いされてたの」

「私とナ……ジェイミーに?誰が──」


「お久し振りです。少しだけ、時間をいただけますか?」


そう言いながら入って来たのは、アデールと……銀髪の女性だった。



ーえ?誰なの?ー





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