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奪われたものは要りません  作者: みん


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58/91

58 保留


『お前がナディーヌと名乗る事は二度とない。ジェイミーと入れ替わったと知られれば、お前の存在も消えるだろう』


『おやすみなさいナディーヌ』




あの日、意識を失う前にカイリーさんが私に言った言葉を思い出した。あの時に、私の目を介して呪術を掛けたんだ。


「さようなら……ナディーヌ」


「「そうはさせない(わ)!」」

「そこまでだ」

「なっ!?」


カイリーさんが私に向かって手を掲げた瞬間、ジェラール様とエルトン様とアデールさんが現れた。


()()には指一本触れさせない」

と言いながら、私をカイリーさんから庇うように目の前に立つジェラール様。


「これで綺麗に解呪できるわ」

とニッコリ微笑むアデールさん。


「訊きたい事は全て聞けたから、お前はもう終わりだと思っておくと良い」

と言いながら、カイリーさんに拘束具をはめるエルトン様。


「どうしてお前達が──まさか……アラール王子の()()()()()()で、私が行動するように仕向けたの!?」


「「「…………」」」

「それは……お前に説明する義務はない」

「くっ………アラール!!ゔ───っ」


()()()()のはジェラール様だけど、アラール王子の失言はわざとじゃない──なんて事を、親切にカイリーさんに説明なんてしない。


カイリーさんの手足にはめられた拘束具には、魔法封じが掛けられていて、魔法を使おうとすれば魔力は吸収されて、電流のようなモノが流れるようになっている。魔法を使おうとしたカイリーさんは、そのせいで電流を受けた痛みでその場に蹲っている。


「本当に、よくペラペラと自白してくれたわね。お陰で予定していたよりも手間が省けたわ」


カイリーさんは、私が相変わらずの独りぼっちだと思っていたんだろう。助けすら来ないと。そんな思い込みのお陰で、全てを話したんだろう。それに、3人の気配は全く無かった。影さんもだけど、一体何処に隠れていたんだろう?


「カイリー、お前はこのまま王城に連れて行く。娘のジェイミーは──」

「あの子は、今回の事もピサンテの壊滅に関しても全く関与してないわ!私がした事も知らないわ!何より、あの子はパルティアーズ公爵の血を引く子よ。親子鑑定で証明されているわ!」


ピサンテの人達を殺して壊滅させたカイリーさんでも、実の娘は大切で本当に愛しているようだ。


「そんなにも大切な娘なら、何故その娘を巻き込んでまでこんな事をした?」

「あの子は……アリシア=パルティアーズとブライアンとの子よ」

「はぁ…兎に角、私はカイリーを王城に連れて行くよ。後の事はアデールとジェラールに任せるよ」


そう言って、エルトン様はカイリーさんと一緒に魔法陣で転移した。


「セレーナ、大丈夫?どこも怪我はしてない?」

「大丈夫です。ありがとうございます」


アデールさんが、私に怪我がないかどうか確かめるように体をポンポンとする間、ジェラール様が魔道具のランプの確認をする。あの侵入者を報せる魔道具のランプには、もう一つの機能がある。


「うん。これもちゃんと機能していたみたいだ。記録が残っている」


録画機能だ。かなりの高価な魔道具で、起動させてから30分の記録ができる。映像も記録ができるから、これは立派な証拠となる。()()()()とは違って、私は意識をして『カイリーさん』と名前を入れて会話をした。映像でも十分だろうけど、名前を記録させる事で更に言い逃れができないように。本当に、カイリーさんには色々と勉強になったのは確かだ。


「後は親子鑑定の事だけね。まぁ、目の呪術を完璧に解呪したら、公女も気付くかもしれないけど」


気付いたところで、それなりに2人は似ているし、なんと言っても魔力持ち。世間体もあるから、今更『違いました』と言って切り捨てるとは考え難い。


国王(兄上)にも、再鑑定を拒否して入籍させたんだから、偽者だと言われたところでどうしようもないだろうな」


ジェイミーは加害者でもあり、被害者でもある─と言ったところか。自分勝手な親のせいで、子供が振り回される。


「アデールさん、解呪は少しだけ待ってもらえますか?」

「それは良いけど……」

「最後にジェイミーと会っておきたいんです」

「分かったわ」


そこに、公女様にも同席してもらおう。

そして、それで最後にする。






******



それからの王都では、ピサンテの惨劇の話で大騒ぎになった。筆頭公爵家であるパルティアーズ公爵家の孫娘の養母のカイリー夫人が、ピサンテ壊滅に関わっていたのだから、大騒ぎにならない訳がない。極秘にしていても、少しでも誰かがうっかり漏らしてしまえば、話が広がるのは一瞬だ。




『今回は、私はうっかり漏らしたりなんてしていない!』

『当たり前でしょう!もしアラールが漏らしたりしていたら、その頭をかち割ってお花見をしていたわ!でも、今回もアラールもただでは済ませないわよ!』

『はい………』


アラール王子の言葉に、ロクサーヌ様がブチ切れていた──と、ジェラール様から聞いたのは、カイリーさんを捕らえてから1週間後の事だった。







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ジェイミーもいじめていたのに…。
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