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奪われたものは要りません  作者: みん


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44 不自然な木

「あぁ、やっぱりセレーナの作ったご飯は美味しいな」

「1人で作ったの?私より年下なのに……しかも、本当に美味しい!叔父様は、いつも作ってもらってるの?ちゃんとお金は渡してますか?」

「勿論、材料費も労働費もプラスで払っている」

「王太女様、アデールさん、味は大丈夫ですか?」

「「問題ないわ!美味しいわ!!」」

「それなら良かったです」


と、口に合ったようで胸をなでおろす。


「セレーナは、料理には慣れているのね」

「そうですね。お……やに、早くから料理を教えられていたので…。でも、平民なら…皆こんな感じだと思います」


ー王太女様は、私とカイリーさんとの関係は知らなかったよね?ー


と思いながら大公様を見ると、目をパチパチとさせたから、多分それで合っている筈。パチパチと瞬きする大公様は………正直可愛い───と思っている事は絶対に口にしない。


「平民では当たり前なのね……私より年下なのに偉いわね…私なんて、お肉を焼く事もできないと思うわ」

「それは……仕方無いですよね?貴族社会に於いては、料理人と言う職人が居る訳ですし、貴族が料理をすると、その職を奪う事にも……なりますよね?なら、貴族は料理をしない方が、働き手にとっては助かる?嬉しい?んじゃないでしょうか?」

「「「「………」」」」


ーあれ?私、変な事言った……かな?ー


「なるほど。そう言う考えもあるのね!」

「そう言われたらそうだな」


王太女様と大公様が笑っているから、大丈夫かな?


「本当に美味しかったわ。また、滞在中に機会があったら食べたいわ。その前に、ティータイムも楽しみだわ!」


どうやら、王太女様には気に入ってもらえたようで良かった。




ランチ後は、時々質問される王太女様の質問に答えたりしながら普段通りに魔法陣の調査をしたり、セイヨウイラクサの状態確認を進めて行った。

王太女様も魔法に興味があるようで、魔法陣の説明には食い入る様に視線が魔法陣に釘付けになっていた。


その日のティータイムには、シンプルなドーナツを作った。その上に、好みで蜂蜜を掛けて食べれるように用意しておいた。平民としての蜂蜜は贅沢品だけど、大公様がサクッと購入してくれた。そのドーナツも、皆『美味しい』と言って食べてくれた。


そのティータイム後は、ピサンテを歩き回る事になった。名目上は、魔素の淀みがないか?魔獣は現れていないか?だけど、実際は──


転移魔法陣の跡が残っていないか?


魔法を使えば、僅かにでも痕跡は残る。ただ、あれから日が経っているから、その痕跡がまだ残っているかは微妙なところ。王太女様は知らない事だから、本当の事は言えないけど、日が経つにつれて痕跡は失われてしまうから、探さない訳にはいかない。


「魔素も少ない村なのに、どうして魔獣が押し寄せたのか……不思議ね」

「「「「……」」」」


第一王子がそうであったように、王太女様もまた、ナディーヌとは交流があるらしいから、何とも言えない事が心苦しい。ただ、王太女様はナディーヌとは少し距離を置いているらしく、私に対しても嫌悪感は持っていないようで良かった。


「あれは……」


と、足を止めたのはアデールさん。そのアデールさんが向けている視線の先には、真っ二つに裂けて倒れている大きな木があった。その木は、倒れているだけで燃えたような跡は無い。


「あの木の周りは多少なりとも燃えた跡があるのに、あの木だけはその跡が無いのは……おかしくない?」


おかしい。私の家並におかしい。しかも、その木の近くには家もない。もし、この木が()()()()となっていても近くに家がないから、すぐに気付かれる事はなかったと思う。


「今日はもう時間が遅いから、調べるのは明日以降にしよう」


エルトン様はそう言いながら、その木とその周辺に“状態保存”の魔法を掛けた。


ー少しでも、何かしらの痕跡が残っていたら良いけどー


そう思いながら、私達はもと来た道を戻り家に帰った。






******



家に帰ると、王太女様と大公様はそのまま転移の魔法陣でデミトリア邸に転移した。

残ったエルトン様とアデールさんと私の3人で、明日以降の予定を立てる事にした。


()()()()が1カ所だけだとは限らない」


と言う事で、明日もまた村の中を歩き回り、不自然な場所が他にも無いか確かめる事になった。見付けた時は“状態保存”の魔法を掛けて地図に印を付ける。詳しい調査は、村の見回りを終えてから。時間との勝負になる為、大公様に頼んでピサンテに潜んでいるらしい影?の人達にも見回りを頼む事にした。


ーピサンテに、私達以外の人が潜んでいるなんて……知らなかったし気付きもしなかったー


まぁ、村1つが壊滅したのだから、見張り?監視?が居てもおかしくはないのかもしれない。



と、まさか、私を見守る為に派遣されていたなんて、この時の私が知る由もなかった。






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