表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奪われたものは要りません  作者: みん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/91

35 お父さん①

「私はアデールよ」

「私はティニーです。宜しくお願いします」



『暫くの間は留守にする』と言っていたエルトン様が、5日も経たずにピサンテの家に帰って来た。しかも美女を連れて。


「いやぁ……まさか、こんなにも早くティニーのお父さんと接点のあったエルフが見付かるとは思ってもみなかったよ」


と、1番驚いているのはエルトン様だ。何よりも、このアデールさんは純血のエルフで、そんなアデールさんが人間と接点があって、今回ピサンテ迄来てくれた事に驚きと戸惑いが隠しきれていない。


「確かに、この子からはブライアンと同じ空気を感じるわ。以前見た時はピンク色の髪と瞳だったけど……ひょっとして、何かが変わった?」

「私と会った事があるんですか!?」


こんな美女に会ったなら、絶対に覚えている筈だけど一切記憶に無い。


「覚えてなくても仕方無いわ。あの時の貴女は1歳にもなってなかったし、小さなベッドで寝てたから」


それは、覚えてなくても仕方無い。でも──


「あの、それじゃあ、お父さんはやっぱりエルフの血が入ってたんですか?お父さんとはどんな関係が?お母さんとは───」

「はいはい、ティニー、一旦落ち着こうか」

「あ……すみません………」


ようやく、お父さんを知っている人に会えた事が嬉しくて、ついつい質問攻めしてしまった私を、エルトン様が止めてくれた。


「あの、大したおもてなしはできませんけど、お茶を用意するので、家にお入り下さい」

「ありがとう」


4人とも家の中に入り、私は急いでお茶の準備に取り掛かった。







今では、エルフは何処か遠い国の何処か限られた土地で、人間とは関わる事なく暮らしているけど、数百年前はエルフも人間も同じ土地で暮らしていた。


「人間が嫌いになった訳じゃないのよ。ただ、エルフと人間の寿命が違い過ぎたのよ」


人間の寿命は短い。そのせいか、人間は環境の変化を求めやすく欲も強くなりやすい。その為に『発展』と言う名目で戦争を起こす事もあった。


エルフは寿命が長い。その為か、性格も穏やかで自然を大切にして自然と共に生きる事を好む。争い事は嫌うが、極端な関わり合いはしない。家族となれば、生涯裏切る事は無い。


「エルフと人間は、生き方が違うのよ。どちらかが悪いと言う訳ではないわ。でも、一緒に居る事で亀裂ができてしまったから、エルフは人間との共存は諦めて、新たな土地に移住したのよ」


ただ、人間の国にエルフが来る事もあるし、残ったエルフも居るそうで、混血のエルフが存在するんだそうだ。


「混血のエルフが生まれた場合は、その子がどちらの国で暮らして行くのかは親が決める事が多い。エルトンの場合は人間の国だったって事ね。どちらの国も行き来して─と言うのは難しいから。その分、自分にエルフの血が流れていると、相手がエルフなのかどうかも自然と分かるから、人間の国で暮らしている混血のエルフは結束力は強くなりやすいの」

「アデールは純血のエルフだけど、たまに人間の国に来ては暫くの間滞在をして、また忽然と姿を消してエルフの国に帰る─なんて事をしているんだけど、ちょうどゼロクシアに居たんだ。で、今回の事を話したら、ティニーのお父さんと接点があって……本当に驚いたよ」


そこで一段落つき、4人でお茶を飲みながら雑談をしてから、お父さんに関しての話をする事になった。




お父さんはエルフなのか?


「エルフではないわ。でも、何代も昔に居た可能性がある程度で、純血のエルフで辛うじて『そうかな?』と分かるぐらいで、ブライアン本人も自分にエルフの血があるとは分かってなかったわ。貴女には、エルフの血は流れてないわ」



お母さんは知っていた?


「伝えていないと言っていたわ。それに、私はブライアンの嫁─貴女のお母さんには会った事も無いわ」


お父さんとアデールさんが会う時は、お母さんの居ない時だったそうだ。


「後で説明するけど、()()()()で会わなかった訳じゃないから」

「変な意味???」


ー会わない理由の“変な意味”とは何だろう?ー


兎に角、後で説明してくれるのなら、ここは聞き流しておこう。



お父さんは魔力持ちだった?


「ええ。ブライアンは魔力持ちだったわ。これもまた、本人は気付いてなかったけどね。貴女と()()よ」

「私と同じ………無属性?」

「そう。ブライアンも無属性だったから、自分が魔力持ちだと気付いてなかったのよ。無属性は、9割の確率で5歳以降に発現するの。でも、発現したところで特殊な魔力だから、魔力が発現した事に気付かずに魔力暴走を起こして、最悪死を迎えてしまう。もともと無属性は滅多に居ないと言う事と、気付かれ難いと言う事が重なって文献なんかにも残らず、世間にも知られていないから、無属性は短命で終わる場合が多いのよ」

「まさか……お父さんの病死って………」

「ブライアンは流行り病を拗らせてしまったのよ。魔力暴走ではないわ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ブライアンは何歳だったんだろう?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ