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奪われたものは要りません  作者: みん


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13 魔力測定

辺境伯邸にやって来てから10日程して、ようやく体調も安定したと言う事で、私の魔力測定をする事になった。


「魔導師のエルトンです」

「ティニーです。宜しくお願いします」


魔力測定をしてくれるのは、この辺境地に住む魔導師のエルトン様。辺境地での魔獣討伐の際にも、魔道士達を引き連れて参加するような凄い人なんだそうだ。見た目は優しそうなおじさん。

この魔力測定に同席するのは、オリビアさんと、ルチア様と、ルチア様の旦那様のエリック様。このエリック様も、魔力や魔法に関しては凄い実力者なんだそうだ。ピサンテでマトモに魔法を使える人は居なかったけど、貴族では魔力持ちが当たり前のように居る。


ーあれ?ピサンテにも、魔力持ちが居なかった?ー


「では、早速魔力測定を行います。そのまま気を楽にして、この水晶玉に手を置いてくれるかな?」

「は…はい!」


頭をよぎった疑問は一瞬でかき消され、その後もその疑問が再びよぎる事はなかった。



水晶玉は無色透明で2つあり、左右の手をそれぞれの水晶玉に乗せる。魔力測定は、生まれてから1年以内に受ける決まりがあり、それはピサンテでも行われていた。私も受けた結果が“魔力無し”だった。何となく、この水晶玉に何かを吸い取られている様な感覚はあるけど、結果は同じだろう。

暫くすると、右手を置いている水晶玉が淡い水色になった。左手を置いている水晶玉の色は、特に変化は無い。


「これは………」

「私は初めて見たわ」

「珍しいな!!」

「なるほど……」


4人ともが、それぞれ驚きの表情を浮かべた。


「あの……私、魔力無しだと思うんですけど、何かおかしな事でもあったんですか?」

「ああ、違うよ。おかしな事はないよ。ただ、ティニーは“魔力無し”ではないようだ」

「え?でも………」


今迄“魔力無し”と言われていたし、魔法が使えた事もない。お母さんにも『魔力があったら…』と、言われた事があったのも覚えている。


「うーん………高熱を出した後、髪と瞳の色が変わったと聞いたけど、それは本当かな?」

「はい。本当です!嘘じゃありません!」

「うんうん。疑ってる訳じゃないからね?多分だけど、その時に魔力が発現したんだと思う」


魔導師エルトン様の推測として、魔力が発現した事で、体に負荷が掛かって高熱を出した。若しくは、魔力が発現した後、魔力が上手く体内を流れずに体に馴染まず、魔力が部分的に溜まり続けて魔力暴走を起こしたか。


「どちらにせよ、また別の理由にしろ、魔力が後天的に発現した場合、髪の色や瞳の色が変わる事があるんだ。どちらともとなると珍しいけど、属性が属性だから、今迄の“普通の変化”と違っててもおかしくはないかな」


ーちょっと何を言っているのか、正直分からないー


「えっと……ひょっとして、私にも魔力があるって事ですか?生まれた時は無かったけど、あの高熱を出した頃に発現したって事ですか?」

「おそらくね。あ、もう手を離して良いよ」

「私が……魔力持ち………」


ー私が魔力持ちと知ったら、お母さんは私を迎えに来てくれる?ー


水晶玉から手を離して、私はその両手を見つめる。手を見つめただけでは、魔力があるのか無いのかも分からない。体に起こった変化すら気付いてなかったし、今でも違いが分からない。


「魔力は持っているだけでは使えないし、特に後天的に発現した場合は魔力の扱い方を学ばないと、危険になる事がある。だから、魔法の指導者を付けた方が良いんだけど……私が付いても良いかな?」

「えっ!?エルトン様がですか!?」


“魔導師”と呼ばれて、辺境伯様と一緒に魔獣討伐に行くような偉い人が!?


「嫌なら仕方無いが…」

「え!?あ?いえ!嫌なわけありませんけど、私……お金は少ししか持ってないし、エルトン様のような偉い人にお願いできるような身分でもないので……」

「お金の事は気にしなくても良いわよ。私が払うわよ。それに、身分は関係無いわよ。魔力の扱い方を学ばないと命に関わるのだから、ティニーが嫌だと言ってもエルトンに付いてもらうわ」


と、ルチア様が問答無用で、エルトン様に指導者として付く事を許可してしまった。


「それに、これはエルトンにとっても得しかないから大丈夫よ」

「とく?」


こんな平民の子供に付いて、何の得があるのか?親にも捨てられたような子なのに。


「そうそう、まだティニーの魔力に関して説明していなかったね」


2つの水晶玉には、それぞれ異なる物を測定する機能があるらしい。

右手の水晶玉は、魔力の有無。色んな色が表われるけど、色が薄い程魔力は弱く、濃い程強くなる。


「だから、ティニーは魔力持ちだけど、魔力は弱いと言う事だね」



左手の水晶玉は、属性を表す色が現れるらしい。火属性なら赤、水属性なら青、木属性なら緑等々。殆どの場合で、左右同じ系統の色が現れるらしい。


「でも、私の左の方は色が変化してなかったですよね?」

「そうだね。ティニーの属性の場合は変化しないんだ。ティニーの属性は“無属性”だからね」






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