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6 思ってもいない怪物の到来

 予定通りサナアキ達は迷宮に入って1キロほどの所まで進んだ。

 迷宮はいわゆる階層が重なってるものではない。

 複雑に絡み合った道が延々と続いてる形になっている。

 この為、迷宮の深さは何階という言い方では表せない。

 主に距離で表されている。



 そんな迷宮の1キロ地点というのは、初心者でもある程度問題のない場所になっている。

 比較的簡単に行って戻れる距離で、弱い怪物がそこそこ出てくる。

 初心者が稼ぐには調度良い。

 腕試しにはもってこいである。



 また、そんな場所だから、組んだばかりの探索者達の調整にも都合が良い。

 隊列の組み方から戦闘のやり方。

 強力な怪物相手に試すわけにもいかないこれらを、弱小の怪物で確かめる。

 そのつもりでサナアキ達はこの1キロ地点までやってきた。

 なのだが。



「思ったよりも多いな」

 驚いたのは、敵の数。

 今までに比べて遭遇する回数が多い。

 だいたい、数匹ずつの怪物共が、次々にあらわれる。

 かといって、怒濤のように押しよせるというのでもない。

 一回の戦闘が終わると、程よい感覚をあけて次がやってくるという調子だ。

 おかげで疲労困憊にならずに済んでいる。



「あの、迷宮ってこんな感じなんですか?」

 探索者登録したばかりの新人が尋ねてくる。

 迷宮初心者の彼ですら疑問を抱く程、怪物の襲撃はサナアキ達にとって都合の良いものだった。

 簡単に倒せるものが、程よくやってくるのだから。

 歩き回って探す事もなく、次々と倒していける。

 はっきり言って楽だ。

 楽してそれなりの魔力結晶を手にする事が出来る。



 それでも戦い続けるので手間はかかる。

 少しずつだが疲れも出てくる。

 そんな時に限って襲撃がない。

 適度に休息をとる事が出来る。



「なんかおかしいな」

 レベル9の経験者が首をかしげる。

 こんな都合良く怪物が襲ってくるなんて初めてだった。

 何がどうなってるんだと思ってしまう。

 ただ、ありがたいのは確かだ。

 この場に留まってるだけで勝手に怪物がやってきてくれるのだ。

 楽に稼ぐ事が出来る。



 ただ、問題もある。

 本来なら、迷宮での動き方などを確かめるつもりだったのだが。

 これが出来なくなってしまっている。

 なにせ、移動すら出来ないのだ。

 隊列の組み方すら確かめる事が出来ない。

 戦闘のやり方、陣形の作り方などは出来るが。

 あと、食事の時の警戒のやり方か。

 これだけは出来た、これだけしか出来なかった。



「これはなあ……」

 襲ってくる怪物を倒しながらサナアキも考えてしまう。

 もっと色々試して、迷宮での動き方を身につけて。

 それからもう少し奥まで進むつもりだったが。

 そうもいかなくなった。



 ただ、稼ぎがあるのは悪くない。

 程よくやってくる怪物のおかげで大量の魔力結晶を手に入れることが出来た。

 一つ100円とか200円にしかならない安物ではあってもだ。

 100個、200個と集まればそれなりの金額になる。

 昼が過ぎた段階でこれだけ集まってる。

 午後も同じように稼げるなら、一日でかなりの金額になる。

「ありがたいけど」

 こんな楽して儲けていいのかとすら思ってしまった。



 そんなサナアキ達のこの日の稼ぎは、魔力結晶50個。

 1個200円として、10万円の稼ぎになる。

 初心者。低レベルの探索者としては異例の成果だ。

「どうなってんだ、これ?」

 積み上がった魔力結晶を前にしたサナアキ達は驚きながら呟いた。





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