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2 【幸運】の運試し

 低レベルで成長の上限が来た。

 そして手に入れたのが【幸運】という能力。

 正直、がっかりしたのは確かだ。

 どんな効果があるか分からないものだからだ。

 悪いものではないだろうが。



 だが、サナアキは前向きになる事にした。

 目立つような大きな効果はないかもしれない。

 だが、決して悪いものではない。

「これから確かめていけば良いか」

 多分に自分を慰めるように思い込む。



 ただ、とりあえず効果は確認しよう。

 そう思って、目に入ったクジを引く事にした。

 当たればその場で現金が手に入るというものだ。

 金額はそう大きくはないが、一週間は飯に困る事はない。

【幸運】の効果を確かめるために、早速ためしてみる。



「さて、どうかな」

 200円でクジを一枚買う。

 あたれば5万円。

 さて、どうかなと思って、シールの部分をめくる。

 そこに当たりがあれば、現金に交換される。

 結果は、

「……当たった」

 見事に5万円。

 その場で手に入れることが出来た。



「なるほど」

 これが【幸運】の効果かどうかはまだ分からない。

 だが、幸先は良い。

 ならばやる事は一つ。

「調子にのってやろう」

 続けてサナアキはこの場で買えるクジを買った。

 数字を合わせる事で、最大何億円という金が入るものだ。

 当選日まで数日ほど待つ事になるが、当たれば大きい。

「どうなるかな」

 さすがに、と思いつつも、もしかしたらという期待もある。

 その日を楽しみに待ちながら、今はアパートに戻る。



 戻りながらも今後の事について考えていく。

 とりあえず、当たった5万円で今日明日の事は考えなくても良くなった。

 今までは割とギリギリの生活を余儀なくされていたのだが。

 今日明日は財布に残ってる金額を考えずに暮らしていける。



 今のサナアキは迷宮で怪物と戦って稼いでいる。

 怪物を倒して手に入る魔力結晶。

 これを売却する事で日々の糧を手にしている。

 とはいえ、低レベルのサナアキが手に入れられるのは最低級の魔力結晶のみ。

 売っても、一つ100円になるかどうかでしかない。



 もちろん、相手も最低最下級の怪物だ。

 さほど危険もなく戦える。

 それでも、命がけの戦闘を強いられる。

 下手したら死ぬ。

 死ななくても再起不能になるかもしれない。

 そんな危険の果てに手に張るのが100円。

 何十匹も倒して、ようやく一日の生活費になるかどうかだ。



 サナアキもそんな日々を強いられてる者達の一人だ。

 5万円という金額は、とてつもなく大きい。

 一日1万円として、5日は生活が出来る。

 しかも、迷宮に潜りもせずに。

 こんなにありがたい事はない。



 とはいえ、迷宮に行く事はやめない。

 手元にある金を使い切ったらそこまでだ。

 いくら【幸運】があるとはいえ、今後も同じように稼げるとは限らない。

 毎日の活動は継続せねばならない。

 もっとも、

「レベルはもう上がらないか……」

 事実を前に、少しだけ落ち込んでしまう。



 今まではレベルを上げる事で道が開けると思った。

 だが、それも今日で終わった。

 明日からはどれだけ頑張ってもこれ以上強くなれない。

 そう思うと未来への希望を抱けなくなる。



 だからこそ求めてしまう。

 代わりに手に入れた【幸運】が道を切り開いてくれる事を。





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