第9話 「ニンメイの気配察知スキルでできること」
大人としては恥ずかしすぎるステータス。
だが彼女も個人情報を開示してくれたのだから、こちらも共有しなければ。
「大したことないけど、僕のステータスだ」
「…………と……とても努力されたんですね!」
「精一杯の慰めをありがとう」
目を泳がせるニンメイちゃん。
鍛えたのだが、この年の肉体労働者にしては若干低い。
これで転職などとは、とてもできないだろう。
いろいろ資格は取っているけど、雑然としていて統一感もない。
これでは認められないのも無理はないな。
それは置いておいて。
研究した結果、あることが分かったのだ。
「僕の職業は恐らく、自身の家と認識された建造物の中で、超強化されるもの。一度確認してみようか。アース」
土魔法を唱えて、組み上げてゆく。
レベルアップのおかげで、早くできるようになった。
5分ほどで積み上がり、僕は内部に入る。
「ステータスを出す。見てほしい」
「これは! ステータスが凄すぎますっ!」
うつぶせになって、ステータスウィンドウを見るニンメイちゃん。
不可抗力だが、非常に顔が近い。
とても肌が白く、睫毛が長くて、いい匂いがする。
おじさんには毒だ。
何とか平静を装って、語り続ける。
「これは借家ではだめだし、自分が建設したものにしか反応しないのかもしれない。だから僕の家ではカウントされなかったのだろう。自分の魔法で建設した小屋なら大丈夫なようだ」
今まで調べてきた。
そこで分かったのが、これらの事。
実家にいた時も適用されなかったし、自分の家という事が大事なのだろう。
それは手作業で建設することまで含められるのかは不明だが、とりあえず魔法で作ればカウントされるみたいだ。
「詳しくはいずれ調べてみようと思う。協力してくれないか」
「もちろんです! マノワールさんは凄いです!」
「いやいや」
とても元気いっぱいに、ニンメイちゃんは褒め称えてくる。
気恥ずかしい。
「まずはお金を稼いで、生活を安定させるところから始めよう」
「はい! よろしくお願いします!」
「作戦はある。どうか僕についてきてくれないか」
「は、はひ……♡」
何かモジモジしている。
どうしたんだろう。
トイレかな?
それとも冒険の準備に不安があるのだろうか。
もういい年なんだから、せめて紳士的に気遣わないといけない、
「必要そうなものがあるなら今から買いに行こう。ちょっとお手洗いに行ったり、依頼表を見てくる。10分後にここに集合しよう」
「わかりました!」
その間にギルド内の掲示を見繕い、目ぼしいものを選定していく。
所用を済ませる。
そして待ち合わせの時間になると、僕は受付に赴いた。
最近知ったが冒険者に評判である、美人受付嬢のオーエラさんだ。
仕事がとてもできる彼女が窓口でよかった。
「こんにちはオーエラさん。それではこの依頼をお願いします」
「わかりました。マノワールさんなら簡単な依頼だと思いますが、お気をつけて」
「はい。ありがとうございます」
「お帰りをお待ちしておりますね」
話す度に思う事だけど、いい人だな。
俺みたいなオッサンにも、礼儀正しく対応してくれるのだから。
「あの受付嬢のお姉さん、仲良かったですね。もしかして……」
「ん? 凄いいい人でさ。僕なんかにも目をかけてくれてるんだよ」
「そうなんですね。すごく綺麗で、狙ってるんじゃ……ゴニョゴニョ」
「どうかしたのかい」
「い、いえ!」
何か言っているようだが、聞き取れない。
この子も人見知りなところがあるからな。
初対面の人でも話せるは話せるけど、どうにも固いんだよね。
仏頂面とまではいわないけれども、表情も乏しい方だし。
まぁ彼女の真面目ないいところでは、あるんだけれども。
年長者として、仲を取り持ってあげなければ。
「でもわたし、足手纏いですよね」
「そんなこと思ってないよ」
「でもわたし、戦闘で何も役立てるものがなくて……このままじゃマノワールさんにおんぶにだっこで」
メイド服のスカートの裾を掴んで、俯くニンメイちゃん。
力不足で頼りきりであると自虐している。
「それは違う。君の力が必要なんだ」
「あう……ポっ♡」
真剣に見つめる。
何故か頬を赤らめている。
さっきのセリフ、そこまで気持ち悪かったかな。
すこしショックを受けつつも、平静を取り繕う。
「君の気配察知スキル、それがあるからだ」
「はい。お役に立てそうなスキルは、それくらいしか」
「それこそが僕に必要なスキルなんだ。」
励ましじゃない。
本当に今の俺たちに有用なスキルだ。
「それに解体作業もやってくれるとのことだし、本当に助かっているよ。そして気配察知スキルは、君の身の安全も図れる」
僕がやりたいこと。
それは―――――――
「試したいことというのは動けない僕のところまで、魔物を連れてきて欲しいんだ」
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