表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/241

第7話 「ニンメイへの責任」




「あーイライラする! あの人たちマノワールさんの仕事のこと何もわかっちゃいない! マノワールさんがどれだけの仕事をやっていると思ってるんですか! 裏方仕事は全部押し付けて! あんな会社潰れるに決まってますよ! 経営のケの字も理解していない!」


 殺気だっているニンメイちゃん。

 この子まで勢いで辞めてしまうとは。


 身長もまだこんなに小さい。

 こんな女の子まで僕のせいで失職してしまった。




 でも親方は何を考えているんだ。

 それだけは何が何でも許せなかったから、彼女の言葉を否定できなかった。






「まぁまぁ」


「去年なんて、赤字決算で終わった時、マノワールさんに理不尽に詰め寄っていたのを覚えてないんですか! ショワジ親方がお得意様だからって、サービスしすぎたせいですよ!!!」


 確かにあれは苦労した。

 方々に頭を下げて、何とか交渉を詰めて、ギリギリで利益をひねり出したのだ、


 


「他の人もわたしを口説くばかりで、手伝いなんてしてくれなかったくせに。わたしとマノワールさんが事務作業していても、ニヤニヤしてバカにしながら手伝ってくれなかったんですよ!!! マノワールさんは忙しい中でも、わたしを丁寧に指導していてくれたのに!」


「そんな悪口を言ってはいけないよ。悪口ばかり言う人になってしまう」


「うぅ。すみません。でも言う時は言わないと、マノワールさんは前みたいに騙されちゃいますよ」


「ごめんね……僕なんかのために怒って、こんなことまで……」


 本当に申し訳ないと思う。

 僕はもうやっていけなかっただろうけど、この子は違う。


 なんでこんなことをしたのか、

 あの職場が嫌だったのもあると思うけど、もう少し準備してから辞めるべきだったはずだ。

 軽はずみにしていい事ではない。






「でも僕みたいなうだつの上がらないやつと、一緒に辞めることなかったじゃないか。」


「マノワールさんは凄い方です! わたし見てましたよ! 今日だって凄い仕事ぶりだったじゃないですか! マノワールさんなら凄いことをできるって思ってるんです!」


「少しは成長したかもだけど、そんな大したことじゃないよ」


「常に謙遜するところが、マノワールさんのいいところです」


 いつも僕のことを持ち上げてくる。

 僕をダシにして彼女は辞めたのかもだけど、でも着いて来てくれるのは慕ってくれるからと思っていいのかな。




「買い被りだけど……でも多少はやれるはずだ」


「いえ! 心機一転頑張りましょう! ダメでも私が養ってあげます♪ マノワールさんみたいなすごい人なら、仕事が見つからないなんてこと、絶対ないでしょうがね! よく他社からも、引き抜きで勧誘されていたじゃないですか」


 あれはリップサービスだろう。

 俺みたいなやつは替えが効く歯車だ

 探せば掃いて捨てる程いるだろう。


 そんなことよりも、この子の人生を捻じ曲げてしまったんだ。

 責任を持たなければ。






「君のことを責任を持たないといけない。絶対に次の職を探そう」



「なっ!? なななななななな」



 なんだか顔を真っ赤にさせているニンメイちゃん。

 熱でもあるのだろうか?




「よっ……よろひくお願いしまひゅ……♡」


「うん。よろしく」


 彼女は優秀だ。

 俺も少しはできるようになった。

 二人で力を合わせれば、きっと転職できるはずだ。










面白い、または続きが読みたいと思った方は、


広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価


またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[一言] 想像しただけで過酷過ぎるぜマノワールさん(;゜Д゜) 二人して辞めてよかったよ、うん(;゜Д゜)
[良い点] マノワールさんは今までも同僚や親方の失敗の埋め合わせを散々してきたようですね。 いろいろ声がかかってもリップサービスだと思ってしまう謙虚さ。これは色々と性格でも損をしてそうです。 それ…
[良い点]  なるほど、こうして二人目が(笑)  追放先には破滅の、主人公には繁栄のフラグが立ちまくり! 先が楽しみです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ